ポリシックスのハヤシ君に根掘り葉掘り訊いた。「オレ、ほんとこういう話ってしないんだよね……」


POLYSICSハヤシが語る、ウルトラ怪獣への偏愛「オレが曲にしないとな、という使命感はあった」

 ポリシックスのハヤシ君にインタビューしました。ハヤシ君の好きな食べ物やウルトラ怪獣について、その偏愛ぶりを曲にしたミニ・アルバムの連作シリーズ『HEN 愛 LET'S GO!』『HEN 愛 LET'S GO! 2 ~ウルトラ怪獣総進撃~』について聞いてます。

 言ってみれば気軽に聞ける企画盤という趣のこのシリーズですが、私はそこにポリシックス及びハヤシ君の非常に特異かつ強固な音楽観が端的に現れている気がして、インタビューではそこを引き出すようにしました。それは「歌詞で言いたいことなんて何もない」という、結成以来のハヤシ君の確固たるポリシーについてです。たとえば私はハヤシ君にこんな質問をしてます。


ハヤシ:ゴモラは強くてでっかい、だけじゃなくて、自分なりのゴモラの好きなポイントを歌詞に乗せて伝えなきゃいけないと思ったの。
——なぜ「伝えなきゃいけない」んですか?


あるいは

——ハヤシ君だってもちろん人間だから、プライベートでいろいろあったり、悩んだりすることはあるわけでしょう。でもその苦悩する内面とか、一切音楽には出さないじゃないですか。(中略)改めて訊きますが、それはなぜですか?


とか

ハヤシ:チケットを買ってライブに来てくれた人には、1時間半の間現実を忘れて、その場でしか味わえない異空間を体験させてあげたい。だからMCとかも……震災が起こったときとかね、自分の中のバランスみたいなものがわからなくなったことはあったけどね。
——震災のときにバランスが崩れかけたというのは……。
ハヤシ:……オレ、ほんとこういう話ってしないんだよね……。
——すいません。知ってます。そこであえてお聞きしてます。

とか、そういうことを根掘り葉掘り聞いています。ハヤシ君との付き合いは長いし、インタビューもいっぱいやっているのである程度気心は知れてます。それに甘えて、こういうぶしつけな質問をぶつけてみました。いやがる素振りもなく快くなんでも答えてくれた彼には感謝です。結果、いつものインタビューではなかなか明かされない彼の表現原理、あーティストのあり方みたいなものを、かなり率直に話してくれたのではないかと思います。

 ポリシックスに少しでも興味のある人はもちろん、今の日本のロックのあり方について少しでも思うところのある人はぜひ読んでみてください。

http://realsound.jp/2015/07/post-3783.html

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