[映画評] vol.17 スティーヴン・スピールバーグ監督『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』公開中

『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』劇場にて鑑賞。
http://pentagonpapers-movie.jp/

 誰もが思うことだろうが、今の日本の状況と重なるものが多すぎて、ちょっと背筋が寒くなる。メリル・ストリープやトム・ハンクスの人物・心理描写や背景の説明をもう少し丁寧にやったら、お話の流れや登場人物の葛藤や決断はもっと自然になったろうけど、2時間以内に収めるために、そうした描写を省いてスピード感を重視したのだろう。この映画と時系列的に直接繋がっていくウォーターゲート事件を描いたアラン・J・パクラ「大統領の陰謀」(これを見たあとに配信で数十年ぶりに見た)が、今の目で見るとややテンポが遅くかったるく思えてしまうことも、スティーヴン・スピールバーグ監督の念頭にはあったはずだ。

 いずれにしろメディアに携わる人、どんなジャンルであれジャーナリズムに関わる人は必見だろう。一介の音楽ライターに過ぎないオレも、ぐっとくるところがいくつもあった。

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