[映画評] vol.5 エドワード・ギラン監督「さすらいのレコード・コレクター」2018/4/21公開
エドワード・ギラン監督「さすらいのレコード・コレクター」試写
http://sasurai-record.info/
米メリーランドに暮らす、映画公開当時67歳のSPレコード・コレクターであり、SPレコード会社のオーナーでもあるジョー・バザードのドキュメンタリー。自分の愛する音楽のこと、レコード蒐集の苦労話などを語る。25000枚のSP(そのほとんどが1920~30年代にリリースされたブルースやカントリーなどのアメリカン・ルーツ音楽)を地下室に所蔵し、それを1枚1枚プレイヤーにかけながら、いかにその時代の音楽が素晴らしく、美しいかを本当に楽しそうに話す。コレクションのためのコレクションではなく、マジにその時代の音楽が好きで、自分のコレクションしてる音楽が世界で一番最高だと確信しているのが微笑ましい。「ジャズの凋落は1933年に始まった。それ以降はジャズじゃない」「ロックンロールは幼稚園児の聞く音楽」「ロックはガンみたいなもの。世界中に広がって世界の音楽をロック一色にしてしまい、各地の伝統音楽を殺してしまった」など、暴言金言多数。極論を吐くジジイは面白いですな。すごいと思ったのが、整然と整理された25000枚のSPから、目印もなさそうなのに、寸分違わず目的のブツを探し当てるスキル。もう亡くなった奥さんもレコード・コレクターだったそうで、最愛の伴侶が同好の士だったとは実に羨ましいw かなりヘビースモーカーで、映画出演中もずっとプカプカやってるんだけど、密閉された地下室であれだけ吸ってたら、ニコチンやタールがこびりついて大事なレコードコレクションにも悪影響があるんじゃないかと思いました。
2003年制作のオーストラリア映画。なぜ15年も前の映画が今頃日本公開になるのか知らないけど、内容から言っても、15年たとうが20年たとうがこの映画の価値や意味は変わらないはず。ご本人は81歳で今もご健在のようです。4/21新宿K'S cinemaにて公開。
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