[映画評] vol.3 ロバン・カンピヨ監督「BPM」2018年3/24公開

ロバン・カンピヨ監督「BPM」試写
http://bpm-movie.jp/

 カンヌ・グランプリと国際批評家連盟賞をダブル受賞したフランス映画。90年代初頭のパリを舞台に、AIDS患者(同性愛者などのマイノリティ中心)の権利拡大を訴える行動団体ACT-UPと、中心メンバーであるゲイのカップルを巡る群像劇をドキュメンタリータッチで描く。エイズが同性愛者特有の病気と誤解されていて、死に至る不治の病とされていたころの話で、死の匂いが終始消えることのない、基本的には重く暗い話だが、同時に若く開放的なエネルギーに満ちた青春映画でもあって、140分を超える上映時間は少しも長いとは思わなかった。一種の難病ものとも言えそうだが、お涙頂戴ではまったくなくて、あくまでもクールな社会的な視座に貫かれていて、ポジティブな行動の映画であるところがいい。音楽はフレンチ・エレクトロのブラック・ストロボで、ちょっと抑制した感じのメランコリックでエモーショナルなハウス・トラックが聞ける。テーマソング的に使われるブロンスキ・ビートの「スモールタウン・ボーイ」がとにかく美しく感動的だった。3月24日公開。
http://calentitomusic.blogspot.jp/2017/10/rtmcd1290.html

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