[映画評] vol.12 ロブ・ライナー監督『スパイナル・タップ』6/16公開

『スパイナル・タップ』試写
http://spinaltap.jp/

 1984年制作、ロック・ファンの間では有名なカルト・ムーヴィーで、なぜか今頃日本初公開。とはいえ既にDVDにもレンタルビデオにもなってるので、見たことのある人は多かろう。時は1982年、60年代から活動する英国バンド<スパイナル・タップ>が新作を引っさげ全米ツアーする様子を追ったドキュメンタリー……という設定のコメディ映画で、節操なく当時の流行を追い続けるスパイナル・タップの姿を通じてロック・バンドのステレオタイプを徹底的に茶化す。『あの頃、ペニーレインと』なんかは、『スパイナル・タップ』を参考にしてるというか、『スパイナル・タップ』的なお笑いにならないように注意深く練り上げたはず。監督はロブ・ライナーで、劇中の架空ドキュメンタリーの監督役としても登場する。

 80年代のLAメタル全盛期を背景に作られたので、当時のメタル文化を知らないとよくわからないであろう箇所もあるが、今の若いファンにも面白さは伝わると思う。スパイナル・タップの歌詞のくだらなさは抱腹絶倒もので(もちろん当時のLAメタルのパロディ)、「曲名は?」「オレの息子をなめろ、だ」というあたりから笑いが止まらなくなった。私はDVDを持ってますが、ニュープリントで画質も音質も向上、大きな画面になって迫力も増している。字幕もリニューアルしてるはずなので、DVD持ってる人もこの機会にぜひ。6/16より公開。

やっぱりロックはヴォリューム・イレブンで鳴らさないとね!


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