[映画評] vol.14 キーレン・パン監督『29歳問題』5/19公開

 香港映画『29歳問題』試写。

 これは面白かった。仕事も恋もプライベートも順調(に見える)29歳女性を巡るコメディ仕立てのドラマ。30歳を目前にした女性の、おそらくは万国共通の悩みを描く。香港が舞台の話だが、そのまま日本語のセリフに置き換えても全然違和感なさそうなほど、日本人にとっても身近なリアリティを感じさせる。同世代の女性が見れば「あるある感覚」満載じゃないだろうか。設定はありきたりだがストーリーが目新しい。13年もロングランを続ける芝居が原作なだけあってセリフは錬られているし、演出もテンポが良く映像的センスも抜群。登場する俳優もチャーミングだ。香港でロングランを続ける1人芝居『29+1』の映画化で、監督は舞台版の作・演出・主演(2役)を務める女性。これが映画初監督だそうだが、大変な才人と見た。すぐにでも日本のTVドラマにパクられそう。

 映画会社の人が「小野島さんに興味を持ってもらえるとは思わなかった」と言ってたけど、確かにオッサンのオレにとっては試写状をもらってなければなかなか見る機会もなさそうな作品。でも面白い映画はどんな内容であれ面白いのです。

 

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