なぜ「面倒臭い」のか
人が生活していくうえで良いことも悪いことも起こる。そして、良いことばかりの生活をさして幸福だと言ったり、悪いことばかりの生活をさして不幸だと言ったり、ひっくるめて人生だなどと言ったりする。
これまでに長い文章でしつこく言ってきたのは、そんなものはない、ということだ。人の生活を良いとか悪いというふうにジャッジする存在はいないし、あるのは当人が満足しているかしていないかくらいの差である。
そして、人生だの幸不幸のような巨大な概念と戦わなくてよくなったのなら、「気分」というもっと小さなものをコントロールするだけで快適に生活することができる。今回は、気分をコントロールするということについて考えてみたい。
1.気分は簡単に変わる
言うまでもなく、気分というのは簡単に上下動するものだ。いいことがあれば上向くし、嫌なことがあれば悪くなる。だから、何があってもずっと良い気分でい続けるということは不可能なのだが、その代わりに気分が悪いからといっていつまでもその気分に支配される必要もない。これを、自分ではコントロール不可能な巨大な概念と同じように考えると、いま気分が悪いということがそのまま自分は一生不幸だということになってしまう。
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