サヌキノ竹林RTAにおける装備とその補正から考えるダメージ計算式を用いた攻防概論
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このページは2024シレン投稿祭アドベントカレンダーの12/4分である。
従来のシレンシリーズから大きく変化したシレン3ダメージ計算は一般的に”雑”と言われて終わりがちだが、ダンジョン内のバランスとその意図をよくよく汲み取れば実に正当な設計であることが分かってくる。しかし、ただ単に計算式を並べたところで実感は持てないのでRTA中に起こり得る場合と照合して見ていく方が分かりやすい。特に装備作りまでの前半15階は実際に計算して出せるダメージ量を把握することで、大きく事故率を減らすことができる。全30階を何層かに分けて見ていく。
一層. 開始直後(1~3階)
*話始め早々脱線になるが、シレン3の防御最弱モンスター(マムル等)に対して素手で攻撃した時に最大ダメージが6になることはご存知だろうか。シリーズ中大体の作品ではLv1でマムルに素手攻撃したときの最大ダメージは5であるが、シレン3だけ6であることに注意してほしい。これは設定ミスではなく、シレン3だけマムルのHPが6なのもこれが理由と思われる。今年発売のシレン6のマムルはHP8だが計算式等々全くの別ゲー……
通常RTAでよくやる剣2本拾いからの即進み、重装の盾+非専用片手武器取り即進みはシレン3特有の計算に基づく行動。Lv1時点では、いきなり強い装備等に出会わない限り強さ1変わるごとに基本的に与ダメも1ずつ変わると見てよい。強さ別でそれぞれ装備を拾った後の展開を読む(センセーは近しいものを2本)。
・百鬼の剣(基本値4)を拾った場合、、、
Lv1のときマムル等に7~10、チンタラ・ボウヤー族に6~9のダメージを与えられる。マムルにしか1確にならず、戦闘にかなりの時間を持っていかれると予想できる。当然1確できない以上攻撃を受ける回数もあまり減らず即進みするには厳しい。
・倭刀(基本値6)を拾った場合、、、
Lv1のときマムル等に9~12、チンタラ・ボウヤー族に8~11のダメージを与えられる。即進みには少々厳しいが、そこそこアイテム回収しながら進めば必要分のレベルも上がっていくのでボウヤー族との戦闘にも困らないほどにはなるだろう。
・カタナ(基本値8)を拾った場合、、、
Lv1でもマムル等に10~15、チンタラ・ボウヤー族に9~14のダメージが与えられ、囲まれさえしなければ互角以上の戦闘が可能になる。特別レベル上げをしなくとも(フロア探索しなくとも)3階までは余裕で突破できるのだ。
・カタナ+3(基本値8+強化値3)を拾った場合、、、
Lv1時点でマムル等に13~17、チンタラ・ボウヤー族に12~16のダメージが与えられ3階まで即抜け可能かつその後もしばらく有利な状況で進められる。
二層. 妖怪にぎり見習いとヒーポフ
サヌキノ竹林に限った話ではないが、弱装備のまま妖怪にぎり見習いと戦闘をするべきではない。HPが30と他のモンスターと比べても急に高くなる上、防御7も低レベルのうちは実感できるほど与ダメージが減少する。また、装備に応じて必要なレベル上げの量も判断しなければならない。
・百鬼の剣(基本値4)を拾った場合、、、
3階まででLv5になるまでゆっくり探索したとしても防御7相手に10~14ダメージしか与えられず、センセーでの探索は絶望的になる。シレン・アスカも盾装備で妖怪にぎり見習いは対処できたとしてもヒーポフの固定ダメージを前に散るケースが多発する。
・倭刀(基本値6)を拾った場合、、、
レベル上げが不十分だと妖怪にぎり見習にほぼ3確以上となる。今後を見据えると探索を続行する必要あり。
・カタナ(基本値8)を拾った場合、、、
妖怪にぎり見習い相手にも不足なく突破できる。乱数負けを警戒するなら矢一本当てておくなど。
・カタナ+3(基本値8+強化値3)を拾った場合、、、
妖怪にぎり見習いに2確をとれる。その他防御7相手にも1確できなくもないほどに火力が伸びる。
ここまでで身代わりの杖または札が見つかった場合、妖怪にぎり元締を作って大砲2個orおにぎり(幻属性につき多めに用意すること)を当てて一気にLv14~15まで上げてしまう選択も視野に。準備自体に時間をとられるものの、HPが大きく伸びることにも意味があるのでESTルールなど安定優先の冒険では確実に成功させたい。
三層. 浅層の三大熱属性モンスター
脱初心者向けのダンジョンにもかかわらず他のダンジョンにひけを取らない量の熱属性モンスターを出現させている。シリーズ慣れしていないプレイヤーの脱落多発層でもあり、装備の状況を見てアイテムを適宜使用せざるを得ない場面が出始める。
武器の強さに関係なく、まず熱属性モンスター相手にHPが減った状態で接近しないこと。かわしモグラに至ってはRTA中の時HPがあまり減っていなくても一発終了するほど (攻撃力16=通常ダメージ13~16、痛恨時28~35)。
このあたりでRTA可能な冒険かどうかの篩い落としを受ける。かわしモグラ相手への状況は14~16階の死の使い戦におおよそ反映され、ここで手間取っているようでは中層以降大きく失速しかねない。すりガラスとぶつかり闘犬については特技への対応に不足なければ単体が直接の死因にはならない。
また、ここでは取り上げないが9~11階のドロリンもかわしモグラと要求火力が同じである。
・倭刀(基本値6)装備の場合、、、
かわしモグラに3確以上、すりガラスに2確以上となり大きく失速する。
・カタナ(基本値8)装備の場合、、、
このあたりまでにLv7にできれば問題ない。シレン・アスカは投擲を足して2確。
・カタナ+3(基本値8+強化値3)装備の場合、、、
Lv3あればこの層を難なく突破可能。HPが伸びない場合熱属性を受けないようダッシュは控えめに。
また、妖光のヤリ冒険もここから注意すべき点が多くなる。二刀流に近い火力は出せるものの、攻撃回数があくまで1回なので連続して外す危険性が高い。かわしモグラ相手に悠長にはいかず、素直に大砲を転がすことをおすすめする。
四層. HP40以上のモンスター達とちから下げ
このあたりからレベルアップによる火力の伸びが少しずつ鈍くなり、より装備による火力差がRTAの明暗を分けることとなる。この層からモンスターの攻撃力自体が高水準となり、盾ありでも有効ダメージを出してくる。片手武器+盾装備の場合の冒険篩い落としはこのあたりで受ける。
もどきダケは特技も酷いものだがそれ以上に属性が死を近づける。透明状態で接近に気付かず最大ちからを下げられる被害が相次ぐ。ちからを下げられなくとも19ダメージ受けた状態から相対することになり、確定妨害のアイテムを切らされるのは勿論近くに他のモンスターがいる場合高飛び草など緊急回避アイテムに頼らざるを得ない場合も起こり得る。このダンジョンにおいて高飛び草を飲む側で使うのは悪手で、行き止まり階段マップでは大きくタイムロスすることも。未探索部屋のモンスターハウスに着地するなど二次事故を招く危険性もある。2確以内をとることがもはや早抜けの前提条件となっていく。
・倭刀(基本値6)装備の場合、、、
ほとんどのモンスター相手に3確以上を強いられ、マゼルン前に回復物資を切らされる事態に陥る。RTA続行はほぼ困難(重装冒険は別)。
・カタナ(基本値8)装備の場合、、、
オトト兵のみ2確とりにくいが、あえて逃がすことで他のモンスターの進路妨害に使える。マップ次第ではあるが強すぎない火力が有利展開をもたらすことも。
・カタナ+3(基本値8+強化値3)装備の場合、、、
すべてのモンスターに2確以内を継続する。調子に乗ってもどきダケにも無策で相対しないように。
・妖光のヤリ(基本値15)冒険の場合、、
強化値なしではもどきダケに1確にならず、全体的にダッシュ進行を制限される。
五層. 暴れる知属性と雷属性
熟練プレイヤーですらこのあたりでの不必要な長居を避ける強者揃いの層。
<< 知属性 >>
・倍速の死の使いは視界明瞭とはいえダッシュしていると高確率で先手を取られ、気付いた時には手遅れ状態なこともしばしば。地味に防御も高く弱い装備では単体相手に苦労する。
・では防御に振ればよいかというとそうとも限らず、固定20ダメージの炎を吐くホノオポフがこれらと混在し少ない手数で処理することも求められるが、HP55/防御13とカタナ+3でも3確止まりである。おにぎりを焼くための経費受けは致し方ないが、2回以上受けると収支マイナスである。
一見無害に見える知属性だが札以外の対処では睡眠系以外は微妙であり、封印しても通常攻撃の命中率が限りなく100%に近づき普通に痛いダメージを入れられる点に注意。
<< 雷属性 >>
・深層の冒険を左右するマゼルンだが、合成した後の攻撃力が28(24~30)に上がりステータス付与によって属性発動率も2倍になる。弱体化アイテムが無いならば無視した方がまだ安全である。また出現率もむだに高く合成作業を終えた後は投げ物無効の難敵へと変貌する。
・タイガーウッホは他のモンスターに比べれば単体ではそこまでだが、近くのモンスターやモンスターハウスに投げられて先手を受けないように周囲をよく確認すること。
HP満タンから雷属性連続でいつでも終了する可能性がある。最低限の状態異常はかけたい。
・倭刀(基本値6)装備の場合、、、
やはり3確以上を強いられ、マゼルン合成はほぼ不可能。
・カタナ(基本値8)装備の場合、、、
シレン・アスカ → Lv13~15でも死の使い2確にならない
センセー → Lv10以上で死の使い2確
・カタナ+3(基本値8+強化値3)装備の場合、、、
シレン・アスカ → Lv10で死の使い2確
センセー → Lv7以上で死の使い2確、Lv6でも93%以上で2発
(※Lv6でこのあたりまで来れる機会はまずない)
・妖光のヤリ(基本値15)冒険の場合、、
1確をとれない。今後の展開を含めて特効印どれか1つは合成したい。
・通常RTAにおける印合成優先順 (高←・・・・・・→低)
シ・ア:貫 氷 後 会 飯 ド 目 水 解 仏 空 月 竜
センセー:貫or三 氷 会 飯 後 ド 目 水 解 月 竜 仏 空
盾:見 バ 握 地 竜 腹 盗 金
腕輪:忍 力 毒 透 炎 会 眠 混 盗
六層. 深層の熱属性モンスター群
マゼルン層が終わった後は階段探しのみ。冒険によって装備の強さ/ レベルが大きく変わるためこのあたりからは各々で作った装備の強さから計算しよう。飯印で作ったおにぎりを焼いたりして回復アイテムを切らさないように。
高水準の装備でないとこのあたりのモンスターを2確に持っていくのは難しい。アイテムを沢山使うには早すぎなので可能なら素通りをねらいたい。解印があるとかなり楽で、未合成でも計算上カタナ+3より解路の太刀そのままの方がダメージは出るので、見捨てずに残しておいた方がよい。
七層. 多様な特技を持つ深層知属性群
19階からは火力ではなく特技と高い攻撃命中率で圧してくる。ただし通常攻撃といっても攻撃力は25前後ばかりで、依然まともな盾があっても手痛いダメージが飛んでくる。アイテムを使って切り抜けてもよいが、まだ防御が高くない方なので可能なら矢石で削りたい。
・回避率が異常に高いリップルバードには、無理に攻撃を当てようとせず無難に矢石で削る方がよい。HPはそこまで高くなく特効あれば手数はかからないが、攻撃が普通に痛いのも議論点。
・分裂クラゲに何手もかかっていると生命力吸収(10~19ダメージ+同量回復)を使われ続け、いつまでもトドメをさせない事態が発生する。シレン・アスカのカタナ装備でギリギリ3確くらいだが、正直この程度の火力しか出せない状況なら素直に大砲を転がすか、吹き飛ばしで距離を取り直す方がよい。
八層. 深層第二知属性群
(要注意モンスターではあるが中チンタラとケロケロぼうずについてはこの記事では触れない。考えることが七層と酷似している)
また特技と高い攻撃命中率での圧し。ただしこちらは遠距離特技のため状態異常にかけないと対策にはならない。封印の杖で封印しただけでは通常攻撃を当てられやすくなっているので鈍足や空振りとの合い掛けを忘れずに。
ガイコツまじん(仏・空)、カタナバチ(空)、いやすぎガッパ(水)と特効は装備が弱いときに入れたいものばかり。特効ありならカタナで2確をとれ、特効なしだとここらの敵には3確以上がほぼ確定する。またいやすぎガッパが盾を投げてくると約50~60ダメージ出てしまうので、無対策で殴り続けるにしても残りHPを必ず高く保たなければならない。
九層. 最深層前哨戦
攻撃力36の将軍が問題。また鋼属性のために中途半端に高い火力で殴ると2桁以上の撥ね返しが飛んできて、思わぬ乙の原因にもなりえる。ここからは札を使い始めて属性ごと封じたい。
<< 3確目安 >>
・妖怪にぎり親方:
シレン・アスカ Lv18 カタナ+2 / Lv20 カタナ+1 / Lv26 カタナ
センセー Lv16 カタナ / Lv20 長巻 / Lv25 倭刀
・将軍:
シレン・アスカ Lv19 カタナ+3 / Lv22 カタナ+2 / Lv27 カタナ+1
センセー Lv17 カタナ+1 / Lv20 カタナ / Lv24 長巻
<< 2確目安 >>
・ガンコ戦車:
シレン・アスカ Lv23 カタナ+3
センセー Lv17 カタナ+2 / Lv20 カタナ+1 / Lv24 カタナ
・カラクリ侍女:
シレン・アスカ Lv22 カタナ+4 / Lv25 カタナ+3
センセー Lv18 カタナ+2 / Lv22 カタナ+1 / Lv26 カタナ
・ヘドロン:
シレン・アスカ Lv25 カタナ+4
センセー Lv17 カタナ+3 / Lv20 カタナ+2 / Lv24 カタナ+1
月は一般的な冒険では合成優先度が低く、ガンコ戦車は特効無し想定で計算する必要がある。
十層. 最深層決戦
“基本的に攻撃を赦してはならない”これに尽きる。ステータス自体は普通の上4種も、特技1回で命の保証がなくなる。(↓基本は計算考察の必要なし)
<< 3確目安 >>
・ドラゴン:
シレン・アスカ Lv20 カタナ+4 / Lv23 カタナ+3 / Lv27 カタナ+2
センセー Lv17 カタナ+2 / Lv20 カタナ+1 / Lv24 カタナ
・デブートン:
シレン・アスカ Lv18 カタナ+4 / Lv21 カタナ+3 / Lv25 カタナ+2
センセー Lv18 カタナ+1 / Lv22 カタナ / Lv27 長巻
<< 2確目安 >>
・ギョロス / スーパーゲイズ:
シレン・アスカ Lv23 カタナ+3
センセー Lv17 カタナ+2 / Lv20 カタナ+1 / Lv24 カタナ
ものまねダケと地獄の使者相手に攻撃を外した時点でほぼ冒険が終了するので、確定数の目安関係なく対処必須。
投稿主より
現在のRTA記録はシレン15:29 / アスカ16:10 / センセー15:42である。いきなりここまで詰めるのは非常に難しいので、まずはセンセー21分切り/シレン・アスカ27分切りから始めてみて欲しい。