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曖昧な桃の節句

桃の節句が日曜か。
僕は男兄弟しかいないからひな祭りってよくわからない。
家にひな人形もなかったし、特別なこともしなかった。
ひなあられだけは食べたかなって感じでそれ以外は特に。
不二家のひな祭りケーキのCMとか羨ましかった。

でも大人になってからハマ吸いを初めて食べたのです。
びっくりした。美味くて。
えええ。これ、食べたことない奴だ!って。
こんなの女の子は子供の頃から食べていたのか!って。
ちらし寿司とかさ、なんだよそれえええ!みたいな。
ひなあられも、そこまで好きじゃなかったからそんなもんかだった。
でも実際はそんなもんではなかったという。
そのぐらい知らなかったんだな、これが。

で、後から色々と知るとさ。
すっごく観念としては古い感じの祭りなのね。
ひな人形とかもさ、うん。
お嫁に行くのが当たり前の時代の女性像への儀式というか。
はまぐりだって夫婦の象徴だとかさ。
日本風のお姫様的なお祭りだったんだなぁって。
今はまぁ、そこまで深い意味合いなく楽しんでいるだろうけれど。
五月人形が鎧武者のように、そういうことなんだなって。
今の時代感にはまるで合わない感じはするけどさ。
まぁ、楽しめるように観念的な部分はどんどん曖昧になるだろうなぁ。

ただ元々は違うんだなって。
更にそれよりも古い時代があって。
節句っていうのは一年に何回かあるわけで。
桃の節句は厄払いをする日だったらしい。
ぜんぜんやってたことも違っていそうだ。
そういうのって地方の小さな神社とかに残ってたりするのかな。
春分の日の前の節句だし、それはなんか生活に地続きな感じがする。
春が来る前に、死の季節でついた厄を祓う。
そう思ってからは、僕としては女の子だけじゃないからハマ吸いを食べても良いなぁと思うようにしています。
食べたいだけなんですけれど。

そんなわけでスーパーでハマグリを買っておいた。
えっへっへ。楽しみだ。
どんなことやるかは未だに知らないんだけどね。ひな祭り。

なんかさ。
ちょっと今日は心がささくれだったのよ。
なんとも言えない気分だった。
ピントがずれたままの映像を見ているような気分。
世知辛え世の中になったもんでございやす。
だからスーパーでハマグリを見つけたときに救われたぜ。

厄払い、厄払い。
酒多めの滋味深いハマ吸いを作ろう、そうしよう。
払えるかどうかなんか知らないけれど。
清めることなんか到底難しいけれど。


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