自主憲法制定論と憲法改正論

・ブログに2010年6月1日公開した文章を転載

 何年か前新聞に、自民党の政治家が自主憲法制定と憲法改正についての講演を行ったという記事が載っていた。

もし同じ人間が自主憲法制定と憲法改正を同時に主張しているのであれば、それは矛盾した行為だろう。

 憲法改正は、現行の憲法を受け入れ、内容に改正すべき点があれば、それを改正するのだから、自主憲法をあらたに制定する行為とはまったく別のものである。

 一方、自主憲法制定は、現行の憲法を否定し、これとは別の憲法をあらたに制定し直す行為なのだから、憲法改正とは別のものである。

 「押しつけ憲法論者」「自主憲法制定論者」の中には、現行憲法を一部改正したものを、あらたに制定し直した自主憲法だということにしたいと考えている人もいるようにみえる。

現行憲法に定められた手続きに従って改正した憲法が、なぜ自主的に制定した憲法になるのだろうか。

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