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中小企業診断士実務補習参加レポ(2023年8月)


概要

2023年8月の中小企業診断士実務補習に5日間参加したので、本研修内容を紹介します。
参加日程は、8月18日(金)・19日(土)・26日(土)・27日(日)・28日(月)となります。
また、私は本研修に初参加でした。

実務補習とは

この記事を読んでいる人はご存知だと思いますが、実務補習について簡単に説明します。

中小企業診断士実務補修とは、筆記試験に合格した中小企業診断士の卵(準会員)に対して、先輩診断士の指導員のサポートの元、実際の企業への経営コンサルティングを経験する研修のことです。

中小企業診断士として登録を行うためには、筆記試験合格後3年以内に実務補習を15日以上受ける必要があります。
(厳密には他の方法もありますが、今回は紹介を割愛)

実務補修では5~6人を1グループで分担して診断先企業への報告書を作成するとともに、研修最終日に診断先企業の社長に対して報告を行います。

研修は初日の社長へのヒアリングと最終日の社長への報告はオフィスに出向きますが、それ以外の日程は貸会議室にて作業を行います。
そのため、初日・最終日以外は私服で参加可能です。

また、研修は5日間9時-17時(休憩1時間含)で行われます。
(15日間コースもありますが、こちらは実質5日間コース×3回なので本質はそこまで変わりません。)

初日と最終日は社長にお会いする必要があるため、基本的に平日です。
そのため、実務補習に参加するたびに有給を2日間とる必要があります。

実務補習の事前準備

実務補習が開始する結構前には、実務補習用のテキストが送付されてきます。
実務補修の大まかなスケジュールが記載されているとともに、
実務補習にとどまらない診断の流れや使用するフレームワーク等について簡潔にまとまっており、読むだけで良い復習になりました。

また研修が始まる1週間前には指導員の先生からご連絡いただき、
各班員が報告書で担当する分野の決定と、診断先企業の事前調査、
そして社長へのヒアリングの時に聞きたい質問の候補をまとめるよう指示が届きます。

報告書に存在する分野は以下の5つでした。

  • 経営戦略

  • 財務戦略

  • 組織・人事戦略

  • マーケティング戦略

  • 運営管理

今回私は経営戦略パートとチームの班長を担当することとなりました。
(立候補はしなかったので、班長になったのは正直目から鱗でした。)

実務補習は大まかに以下の流れで進んでいきました。

  • 社長へのヒアリング(1日目)

  • 報告書の作成(2日目~4日目)

  • 社長への報告(5日目)

社長へのヒアリング(1日目)

1日目の午前中は診断先企業や事前に作ってきた質問に関する認識合わせを行い、ヒアリング前に大まかに提言の仮説を洗い出し、実際に社長にする質問をテーラリングします。

午後になると、社長から会社についての概要を説明いただくとともに、
事前に準備した質問を元に社長に質問をしていきます。

個人的感想

事前に準備した質問をヒアリング時にどのように聞くかが難しかったです。

ヒアリング前の準備では聞きたい内容を列挙しますが、
実際のヒアリングは社長とコミュニケーションを取るなかで質問をします。

そのため、社長から新しい情報が出てくればそれを掘り下げる必要もあります。
また、事前に用意した一方的に聞く形だと社長が抱えている課題感に気づけなくなってしまうので、社長からの会社概要説明や課題間の説明の流れに沿いながら、自分たちが用意した質問を織り交ぜていく必要があります。

私自身は上のようなことは全然できず、ヒアリングではほとんどしゃべることができなかったです。ここは完全に班員に支えていただきました。

今回は事前の準備が不足していたので、次回の実務補修では他の方が作成した質問リストを事前に熟読したいと思います。

報告書の作成(2日目~4日目)

2日目以降は、ヒアリングの内容を元に提言内容を検討するとともに、報告書を作成します。

ここからは進め方は大分班の裁量に任されます。
ただ、班の中で指導員の先生の意見が一番強いので、実質的には指導員の先生の好む進め方が色濃く反映されると思います。

私たちの班では細かくイテレーションを回し、認識合わせしながら進めていきました。
具体的には以下のことを行いました。

  • 2日目最初に、SWOT分析のたたき台を作成しレビュー頂くことで、診断先企業や市場に関する認識合わせを行う

  • 2日目時点で、自分が担当するパートの骨子を作成し互いにコメントすることで、報告書全体の整合性を担保する

  • 2日目以降も、定期的に各パートの内容を共有し互いにコメントすることで、方向性がずれていないかを確認する

5日間という短い期間の中である程度のクオリティの報告書を作成できたのは、上述のように細かいイテレーションを回し認識合わせを行ったことが大きな要因だと思います。

その反面、実務補習の時間を認識合わせに充てたので、自宅での作業時間が少し長めになったと思います。
2日目時点では骨子レベルしかできていなかった状態でしたが、3日目時点では報告書の第一稿を上げてもらったので、大分スパルタだったような気はします。

ただその効果もあり、4日目終了時点では報告書が完成させることができました。

個人的感想

私が担当した経営戦略は他の部分との整合性を意識する必要があったので、そこは少し大変でした。

経営戦略については扱う内容がほとんどマーケティングと被るのですが、
扱う内容は全社戦略・事業戦略なので、具体的な手法にまで踏み込むと全体の構成が崩れます。
なので、報告書全体のバランスを考え踏み込みすぎず概要だけを伝えることが必要になります。

また他のパートを作成した結果新たな強み・弱みが発見された場合には、SWOT分析への追記が必要となります。
そのため、報告書全体を把握する必要があります。そこが少し大変でした。

社長への報告(5日目)

5日目は、午前は社長への報告の練習、午後は実際にオフィスに向い報告を行いました。

報告の時間は社長の都合によるので、午前中に報告に伺う班もありました。
私たちの班は割と順調に進めておりましたが、それでも時間は余らなかったので、
5日目の午前に報告できた班は結構大変だと思います。
もし機会があれば、どのように進めれば5日目の午前に報告までできるのか、聞いてみたいです。

個人的感想(発表練習)

報告書を作成している段階では説明できる状態になっていないので、
社長を対象としたときに説明内容を考え直す必要がありました。

私が担当した経営戦略を元に具体的に説明します。
報告書の構成としては、以下の内容になっております。

  1. 会社概要説明

  2. 現状分析

    • SWOT分析

  3. 課題

  4. 提言

文書としては、上の流れはある程度自然であると思います。

ただ報告の相手が社長であることを考えると、
まず以下の二つの内容は、まず知っているはずなので網羅的に説明する必要がありません。

  1. 会社概要説明

  2. 現状分析

また社長が聞きたいことを考えると、
発表としては以下の2点にフォーカスが当たります。

  1. 課題

  2. 提言

そのため社長に対する報告の流れとしては、以下が理想的です。

  1. 課題

    • 課題を認識するきっかけとなった現状分析を抜粋して紹介

  2. 提言

報告の練習時点では、報告書の内容を順にすべて説明する形でやってしまいましたが、指導員の方にご指摘いただいたことで、プレゼン骨子レベルの問題は報告までに修正することができました。

ただ他にアイコンタクトが少ない等の指摘を受けましたが、当日であったこともあり、こちら修正しきれていない気がします。
診断士として今後もプレゼンテーション等の機会があるはずなので、こちらは別途修正していきたいです。

個人的感想(報告)

ヒアリング時に業務にもう少し踏む込む必要があったと感じました。

今回は業務に踏み込まず業界分析・市場分析に基づく報告をしてしまいましたが、社長は私たちが今回作成したアイデアのほとんどをすでに実践済みでした。
やはり2週間程度で外部の人間が考えられるようなことは、すでにやっているようです。

ただ上述のアイデアを共有したことにより、今度は社長が考える経営がうまくいっていない原因の仮説を話してくれました。

率直に自分が思う原因を共有いただくほど社長が心を開いてくれた喜びを感じるとともに、経験の少なさゆえにヒアリング時には十分に情報を聞き出せなかったことに申し訳なさを感じました。

次回の実務補習では、この反省を生かしたいと思います。

最後に

今回の実務補習に参加して、普段の業務では得られない刺激を得ることができました。
また、中小企業診断士になるため今後自分が努力する必要がある分野、そして社会人として自分が伸ばすべき分野の両方がわかったような気がします。

正直中小企業診断士になるために仕方なく受けている研修という認識でしたが、自分の成長につながる刺激をたくさん得られて楽しかったです。

あと2回実務補習に参加することができるので、次回以降は今回の反省を生かせるよう頑張りたいと思います。

以上


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