「あなた」と「私」とそれ以外の何か

私は私で、あなたはあなた。

私は人間で、あなたは動物。

私は人間で、あなたは植物。


どこに出かけても、境界線だらけ。

植物はきれいに道端にレンガで囲まれ、かつて人間の捕食者だった動物たちは檻で囲まれ、檻と柵ばかり。

いつからそんな風に境界線が引かれ始めたのだろう。


いつしか、動物と対峙することなんて全く無くなった。

かと思いきや、その境界線を越え、野生の熊や猪が現れると町は大騒ぎ。

そして急いで、駆除。

人間の敵を世界の端に追いやり、柵で囲み、安泰な世界をつくろうとする人間たち。


でも、違う。

私は何を聞かれても人間だとは言わない。

私は「動物人間」だ。


きっと、少し野蛮に聞こえるかもしれない。

それでいいんだ。

私は、いつも人間→動物→人間→動物、、、

と私も気がつかぬうちに、無意識のうちに行き来している。

そこにもはや、境界線なんてものはない。

しかし、いっそどちらかになりきってしまった方が楽で在ることは知っている。

なんでかって?

人間社会で動物人間でいることは、あまりにも苦しすぎる。

目も眩むほどのルールがあって、効率的な事が全てで、社交辞令だとか、お世辞だとかいろんなことがたくさんある。

だからと言って、簡単には完全に動物にはなれない。

私はそこで生きていく方法を知らない。それに、人間に捕まえられて檻に閉じ込められることだってある。


でもルールは簡単だ。生きるために食べ、食べるために他者を追う。



以前、動物園に行ったのはいつだったか。

きっと、次そこへいく機会があったら私は以前のようには振る舞えない。

なぜかって?

私も、そこに閉じ込められるかもしれないから。


でもなんで、人間じゃなくて動物たちが閉じ込められているんだろう。

逆だったら、どうなっていたんだろう。

でも、そこにいる動物たちから見たら人間たちも檻の中にいるみたいに見えるよね。

そう。人間が動物たちを檻の中へ追いやってしまっているうちは、人間たちにも同じことが起こっているんだ。

それに人間たちは気がついていないだけ。


でも、動物人間の私には分かる。

でもね、もっと大切なことがあるんだ。


動物人間なのは、私だけじゃない。

みんな動物人間なの。

それを忘れてしまっているだけ。

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