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トニー・バナザードという男

割引あり

プエルトリコ出身でアメリカ合衆国フロリダ大学を卒業後、
1973年、モントリオールエクスポズと契約した
バナザードは、マイナーで6年の下積みを経て、1979年に
メジャーデビューを果たします。

メジャー1年目は、22試合に出場して打率3割を残すと
クリーブランド・インディアンスに移籍した1985年に
153試合に出場し打率2割7分4厘、翌1986年も
146試合に出場し打率3割1厘、ともに17盗塁と
活躍しました。

1988年、メジャー9年間で通算75本塁打に
1000試合以上の出場を果たした
現役バリバリのメジャーリーガーという触れ込みで
貧乏球団だった南海ホークスが当時としては破格の
1億円で獲得。
小柄なプエルトリカンは海を渡ってきたのでした。

この頃の助っ人外国人といえばホームランを期待し
4番を任せる大砲タイプが
ほとんどでしたが、バナザードは珍しく、
巧みなバットコントロールに走攻守3拍子揃った
小柄なトップバッターとしての来日でした。

メジャーリーグの1番バッターはどのくらい
やるんだろうかという興味津々のなか、

巧打に強打、俊足でありながら勝負強い
長打力も兼ね備えたスイッチヒッターは、
1年目から、28試合連続安打に打率3割1分5厘、
20本塁打と大活躍。

またセカンドの守備でもチームに大いに
貢献し、これがメジャーの先頭打者なのかと
日本中の野球少年たちを熱狂させたのでした。

そしてバナザードと言えば、なんといっても
その気性の荒さ。

相手を睨みつけながら打席に入ると内角球が
来ようもんなら激昂、凡退した時には
ベンチに帰るなりヘルメットを投げつけたかと
思えば、チームメイトがデッドボールを受けた
瞬間、一目散にベンチを飛び出して大暴れする
血の気の多さでした。

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