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#4:コンサートってなに?

(1年ほど前のものを修正しました)
コンサートって何だっけ?と最近よく考えます。
エンターテイメント!と速攻で返答できたらよかったなぁとちょっと憧れるのですが、僕は違うようで、あれこれ人に聞いたり考えたりしています。

音楽家の多くは生演奏をお客様の前で披露するコンサートというものを体験していることと思いますが、スタージに立つ人から見たコンサートは、自身の生き様や、音楽への気持ち、そして目標や希望に溢れているものが多く、例えるのであれば、大好物のハンバーグ!(個人的見解です)というような理想やワクワク感と、でも今日選んだレンストランのものは好みでなかったなどの、不安感や残念だった時の気持ちまで想像してしまうような、特別であり日常的なものなのかも知れません。

そんなステージを、僕はプロとして経験したことはないので、あくまでお客様と奏者の間に立つような感覚なのだと思いますが、僕はコンサートのことを、“コミュニケーション”なのではないか、と感じています。

クラシックコンサートにおいては、演奏中のMCなども奏者が一方的に解説するようなものが多く、お客様にとっては受け取ることばかりだと感じている方もいるかも知れませんが、コンサートという生演奏を聴ける空間において、それは動画やテレビのように見ているだけのコンテンツとは異なります。例え言葉は交わさなくても、お客様からの気持ちやオーラ(宗教的ではないのですが)、熱量や期待の気持ち、そして拍手や体温のようなものを、同じ会場の中で奏者も受け取り、必ず反応(コミュニケーション)しています。

そのコミュニケーションは、奏者によっては音楽そのものや、作曲者とも繋がり広がるものですが、極端な話、会場でコンサートを作り上げることができる、また壊すことができるのは、奏者だけではなく、お客様も同じなのかなと感じています。
真剣に聴いて〜という訴えとかではなく、ただ会場で奏者と一緒に音楽を感じているという行為自体が、素晴らしい風景画の中の一筋の光のように、意味のある繋がりとして存在しているような、そんな一体感を伴うコンサートを僕自身は何度も経験してきました。
そのコミュニケーションはもちろん双方で交わされ、どちらにも確かな手応えが残ることもありますし、もちろん残らないこともありますが、僕にとって“コンサート”は、そういった意味でまさにコミュニケーションではないか、と感じているのです。

もちろん生演奏でなくてもその一瞬で目や耳を奪われ、虜になってしまうことは少なくないので、オンラインでの取り組みなどもまた、リアルタイムのコミュニケーションという意味合いにおいて、コンサートの目的の一部を満たせるような感覚のコンテンツなのかも知れませんね。

コンサートってなに?と色んな人に聞いてみた実験も行ってみましたので、ぜひウェブやInstagramにてご覧いただけたら嬉しいです。
これからもコンサートという、大きな可能性のある“文化”とも言えるコンテンツを大切にしていきたいなと思っています。


2020.7.7 TUE


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