見出し画像

【コラム】竹弓は難しい?①

こんなことを思ったことはありませんか?
竹弓のハードルはなぜ高いのだろうか?
竹弓を使うことをに対して、過度な遠慮があるのはなぜだろうか?


竹弓はハードルが高い!?

理由はいくつか考えられます。
・先生方の説明でデメリットを強調されてしまうから。
・竹弓のことをほんの少し知ったから。
・竹弓の深淵を覗いてしまったから。
など、いろいろだと思います

少しでも竹弓に触れてほしいため、
私は最初はこう伝えるように心がけてます。
「全然難しくないですよ」


勉強を教えるときに、最初から1から10を教えますか?
基礎を教えずして、応用を教えますか?
簡単なことから始めると思います。

料理を始めようと思ったら、簡単なものから始めますよね?
いきなり難しいレシピには挑戦しませんよね?
簡単な料理から挑戦すると思います。

竹弓も同じです。
①張った後は弦通りを見て、
②張り顔をチェックして、
③おかしい部分は修正する。
最初はこれだけで十分なのです。

①〜③のそれぞれに応用があって、全部知らないとダメだ、みたいな先入観がハードルを高くしている気がします。

・合成弓と同じ張り方ではダメな場合があること
・入木・出木になったときの調整があること
・上下の強弱調整で押す部分を2箇所くらい教えること
だいたい5個くらいで導入が終わりです。

どうですか?覚えることが少ないと簡単に思えませんか?


なぜハードルが高いと思うのかを考えてみた

デメリットを強調されてしまうから

竹弓を勧めると
「扱える自信がない」
って言われることが多いです。
扱ったことがないのに、その根拠はなんだろうか?
たぶんデメリットばかりが頭に残ってるのでしょう。悪いところって印象に残りやすいですから。
形が変わる、弦通りが変わる、日頃のメンテを怠ると狂う、壊れることがある、、、
ってデメリットばかりですね。あと高い(泣)

あとは先生方、合成弓と比較してのメリットを伝えてくれてますか?
引きの柔らかさだったり、反動の無さだったり、弦音の良さだったり、
やっぱり自身で経験しないと伝えられないことってのあると思うのです。

竹弓のことをほんの少し知ったから

張り方1つで形が変わることを知ったあなた、満足のできる張り方ができたことありますか?
何度も張ってるのに、いつも同じ調整をしてる。張り方は難しいって感じます。

張った後の成りの調整、弦通りの調整がうまくできるようになって、とても嬉しい!ちょっとは進歩したように感じますよね。
成功体験をすると、他の人の弓はどうなってるのか、、気になりますよね。
その欲求が竹弓の沼に脚を突っ込むきっかけになっていきます。
自分の持ってる弓だけでは満足できず、あの銘はどうなんだろう?同じ銘だけど材料が違うのはどうなんだろう?

どんな弓がいいかを知ったあなた、次に買う弓を選ぶ時に悩みませんか?
弦通りが~、成りが~、あれこれ文句をつけて決めきれないし、運命の出会いまで時間がかかる。いい弓の見つけ方って難しい。

竹弓の深淵を覗いてしまったから

弦音を出すためには関板と弦の距離が近ければいいわけではない、ということを知ってしまった。
材料の違いや季節によって弓の性格が全くことなることを知ってしまった。
火入れや村取りをすることで、矯正する以上の効果があることを知ってしまった。

自分で火入れや村取りをすることで、最初よりも断然いい弓になることを発見してしまいます。
自分にあった握りの形にしたり、弦通りにしたり、成りの調整をしたり、できることがどんどん増えていくのです。

なかなか理想の弓に出会えない時、
例えば5つのノルマがあるとして4つしかノルマをクリアしていない弓と出会ったらどうしますか?
最初だったら諦めて次の弓まで待つ、という選択肢があるかもしれません。
しかし、5つ目のノルマが自分でどうにかできるものであったら、きっと挑戦するでしょう。次がくる可能性が低い弓ならばなおさらです。

マニュアルがないので、試行錯誤して調整するしかありません。
そこを探求していく楽しみを見出してしまったら、もう沼に浸かるしかありません。

習熟度によって突き当たるハードルがあるように感じます。
それを楽しめるようになると、ハードルはメリットの前の踏み台に転じていくことでしょう。

竹弓の引き心地、弦音、反動を楽しめるようになれば最初のハードルは突破です!
恐れずに前に進みましょう!
ぜひ、楽しい竹弓ライフを送りましょう!!!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?