【弓道教歌】射と弓具の関連(1)

記念すべき1回目は新弓について詠んだものになります。
前提として、全て竹弓についてになります。
(合成弓について詠んだ歌ってあるんでしょうか?)


1126 雪荷、道雪

新木(あらき)をば
 何を射るにも 兼てより
  はりておかずは ゑやはつくべき

(歌意)
新弓は、何を射るにしても、前もって弦を張っておかなければ矢飛びが悪いとの意味である。ゑやは突き得ぬという意と矢との意にかけて詠んだものである。

(弓右衛門の感想)
前もって弦を張ったほうがいいのは理解できます。しかし、矢飛びが悪いというのは謎でした。察するに裏反りのことでは無さそうです。
突き得ぬというのは貫徹力がないという意味かなと推察します。


1127 大蔵

荒木(あらき)にて
 延矢(のべや)さし矢を 射堅めて
  古木にならば いくさ場へもて

(歌意)
新木のうちに遠矢指矢の稽古をして、弓の狂わぬように射堅めた弓を戦場に使用する軍弓にせよとの意。
荒木は新弓のことで矢数のかかっていない弓。延矢は繰矢(遠矢)。さし矢は通し矢。新木は稽古弓にはよいが、その外には適さない。

(弓右衛門の感想)
形が安定するまでは稽古で慣らしを行えば、戦場でも信頼して使えそうな気がします。遠矢で遠くに飛ばすのと、戦場で求められる精度では違いそうです。
現代弓道でも慣らしをした弓のほうが射手に合致してますもんね。


1128 雪荷、道雪、印西

新木にて
 野辺や的をば いそのかみ
  古弓は只 軍場(いくさば)へもて

(歌意)
新弓は遠矢や的前に使い、古弓を戦場用にせよ、との意味。
新木は狂い易く貫徹力も少ない。野辺は遠矢のこと。的は的前のこと。
いそのかみは古いの枕詞。

(弓右衛門の感想)
また出てきましたね、新弓は貫徹力がない、という訳。狂いやすいのは理解できます。
もしかして、ニベが馴染んできて、射手との一体化がなされて、弓と射手が一体になった結果を貫徹力と表現してるのでしょうか?
それなら、弓だけでは発揮されないのも納得です。

”いそのかみ”は”ふる”を導く枕詞ですね。
枕詞は習慣的に一定の言葉の前におく修飾語とのことです。
(社会にでて枕詞というワードを見ることがあるのですが。学生依頼でした。)


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最後に
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