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【供養】ベイブレードバーストで久方ぶりにスタジアムの熱を感じる(あごぶろぐ)

※ この記事は二年前くらいに書かれているがUPし忘れたまま時間が経ってしまい、その間になんとベイブレードは新シリーズに移行してしまった。このまま風化するのはバツがわるいのでベイブレードX始動と同時に有料供養する。


ベイブレードを知っているか? それは20年以上前に彗星のごとく現れたベーゴマ・バトルホビーであり、多くのキッズたちを熱狂の渦に叩き込んだ。あの時代のキッズたちはどこからともなく薄暗いフロアに集い、風呂のタライとかすり鉢状に曲げたダンボールの上とかにベイをシュートし、激しく戦わせたものだ。キッズたちは大勢いたが誰ひとりとして正規品のスタジアムを持っていなかった。自分の体感だと98%くらいのキッズがスタジアムを持ってなくてその辺のなにかで代用していた。正規品のスタジアムを買うカネで別のベイを買ったほうが楽しいと考えていたからだ。もしくは普通に買ってもらえなかった。そんな獣のごときブレーダーたちが日夜戦いを繰り広げ、ライバルと切磋琢磨していた。

2021年10月某日……あの輝かしい時代を思い出し、当時の相棒ベイだった「ドライガーS」をなんとなくメ・ルカリで検索した。おそらく超プレミア値がついてだいたい2億くらいで売っているだろうと踏んでいたが、ドライガーSは1400円くらいでふつうに売っていた。しかも出品したやつがドライガーSを1000000万個持っているブレーダー貴族とかじゃなく、普通にたくさんのやつが似たような価格で出していたのだから驚きだ(もちろん大富豪が複垢を使ってドライがーを売っている可能性はあったが、大富豪が複垢を作るか怪しかったからこの考えは却下した)自分は目を疑い、調べだした。するとかつて20年前に栄華を誇ったベイブレードはシリーズ三作目となって未だ連綿と続いており、昔のベイをリメイクして復刻していることがわかった。歴史の中に消えた炎が自分の内にふたたび蘇るのを感じた……。

・ドライガーSと過ごした日々を思い出す……

ドライガーS(スラッシュ)は初期のベイブレードの一つだ。四聖獣の白虎を宿しており、大型の二枚馬でなんでも弾き飛ばすやつだった。当時自分は何個かベイを持っていたはずだが、ドライガーSよりも強いやつは持っていなかった。何ならSを超えた強さを誇るという触れ込みだった後継機ドライガーFもドライガーSと戦わせたら吹っ飛ばされて机の下に消えた。当時はなけなしのファイト・マネーで買ったやつだから少し悲しくはあったが、ドライガーSの鮮烈な強さを引き立てる土台になったのだと自分を納得させたものだ。類は友を呼ぶと古事記にも書いてあるように自分の周りには強敵が集まったが、その中にドライガーSを持っているやつはいなかった(買えるベイの数には限りがあるので他のやつと被るのはダメみたいな暗黙のルールがあった)

自分はドライガーSを相棒と定め、強化するために頭を悩ませた。ベイブレードはカスタマイズができ、回すための軸などを他のベイと交換することができる。そこで戦略を編み出し、ライバルに差をつけるという寸法だ。ドライガーS、お前を最強にするのが自分の役目だ……枕元のハンカチの上にそっと置いてそう語りかけた。それからはきびしい修行の日々を過ごした。

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