.WE LEAGUE(女子プロサッカー)発足に思う

2021年秋に女子のサッカープロリーグが開幕することになった。

サッカーをやっている女の子たちには未来の夢が開けて朗報には間違えない。高校・大学までサッカーに打ち込んできた彼女らの新たな受け皿になるし、男子より先に世界一になった女子サッカーの低迷を打破する一手だとも考えられる『世界基準のレベルアップ』になる可能性大だ。

だが、日本サッカー協会の見解は少し違ったものだった。

理念:
女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する。

ビジョン:
1.世界一の女子サッカーを。
2.世界一アクティブな女性コミュニティへ。
3.世界一のリーグ価値を。

以上のようなことを掲げ、さらに次のようなコメントを寄せている。

公益財団法人日本サッカー協会 会長 田嶋幸三
2021年秋に開幕する日本初の女子プロサッカーリーグは、日本の女子サッカーを発展させることだけが目的ではありません。女子プロリーグを核にして様々な雇用を生み出したり、人々の生き方の選択肢を広げたりすることによって、更なる女性の社会進出や持続可能な社会の実現に貢献していくことも目指しています。スポーツを通して社会に貢献していくことは、スポーツ界にとって重要な使命です。少女たちの夢となる女子プロサッカー選手という職業を確立していくと同時に、女性活躍社会の推進や社会が抱える課題解決にも取り組んでまいります。(以上日本サッカー協会公式配信引用)

さて、ここで問題になってくるのはプロである限り興行収入といったものが付きまとうのが原則で、今の日本の環境で成立するのか疑問符をつけたいのである。女子野球、男子バスケット、ラグビー、卓球、バレーボール、野球の独立リーグ、プロ野球の球団増設案などプロ化によるスポーツコンテンツの広がりは目に見張るものがある。ただ、これらのプロチーム運営を独立採算で見た場合黒字になっているチームはどれだけあるのだろうか?野球・バスケットボール・バレーボール・卓球は多くの中学高校の部活の存在がある(=底辺が大きい)が女子においては野球やサッカーは小学生まで男子に混ざってやっていたけど中学校に女子部がないのでやめていく子が多いと聞く(底辺が狭すぎる)。さらに少子高齢化により競技人口の減少(スポーツの多様化)、観戦の人口も当然減ってくる。そんな中での雇用の創出が本当に可能なのだろか?

Jリーグが開幕(1993年)した当初もりあがった。Bリーグ、ラグビートップリーグもW杯の影響で初段階では盛り上がりを見せた。継続させるのは難しい。コロナ禍でネットコンテンツが盛んになっているといえ各団体が放映権料だけでチームを下支えはできないだろう。海外向けの発信でも限界がある。入場料収入がベースで取り組むことによりその他の雇用の創出になっていく。地方の活性化も進む。

間もなく30年を迎えるJリーグも順風満帆だったわけではなかった。開幕5年にして経営破綻で横浜フリューゲルスが消滅といった悲しい出来事があった。当然そういった経験を基にして日本サッカー協会及びJリーグにはノウハウの蓄積があるので創設にGOしたのだろう。

減少日本の中で各スポーツ団体での競技人口の取り合い、エンタメ業界も巻き込んで興行収入の争奪戦は続く。

数年後、選手やサポーター、関連事業に携わる人々がハッピーなことを祈る。



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