今までになかった出費(飲食業の行方④)

この30年間で今までの概念になかった(少なかった)出費が急増していった。

① 衛生管理の費用 
衛生管理の概念が当時なかったわけでもない。
しかし、今に至るまでいろいろな病原による事故が起きてきた。病原性大腸菌O-157 ノロウイルス など即営業停止になってしまう食中毒の案件がありそのうえ今回のコロナで店舗は【食の安全】を担保するために万全を期すようになった。
そのため、アルコールと塩素系の殺菌液程度で済んでいた衛生管理は新たな除菌剤や滅菌用の機器、使い捨て手袋、マスクやマウス(フェイス)ガードと増えていき、消毒の頻度も増え消費量も増加していった。
食品工場も【ISO】【HACCP】 などの品質保証の資格を取るために設備投資を行い原材料に転嫁されていく。

② アレルギー対策 
アレルギーの概念が少なかったのか?、アレルギー体質の人間が増えたのか?この問題が出てくることによりアレルギー表示や同じものでもアレルギー物質の入っていない高価な商材を使用することになる。

③ キャッシュレス 
政策の一環でキャッシュレス決済を増やす方向で動いている。
商売をして現金以外の決済をしたことがないとわからないかもしれないが現金決済はその場で現金が100%手元に入ってくる(店⇔お客様)。
しかし、クレジット・電子マネー・QR決済などのキャッシュレス決済は現金は1カ月以上あとに手元に来るシステムそれもキャッシュレス業者に数%の手数料を引かれて100%は入ってこない(店⇔業者⇔お客様)。
またそれらを導入するにあたり機器を入れたりで初期費用が発生したり、機器のの月々のリース料など様々な費用が発生している。

人の口に入るものを商売の糧にしているのだから医療機関並みに衛生管理を近づけていく努力はしていくべきだが薄利商売で衛生消耗費にはそんなに費用はかけられない。
キャッシュレスが進むと利用できない店は敬遠されるようになる。その対策でキャッシュレスの導入をする店も出てくる。
今後、費用は増えることはあっても減ることはないだろう。
費用が増えたからと言って価格には即 転嫁はできない。
棘の道は続くのである。

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