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ピースウィンズの運営方針と今後取り組むべき課題【Youtube動画文字起こし】

ご覧いただきありがとうございます。
このnoteでは、ピースウィンズ・ジャパンの活動と、その代表を務める大西の取り組みや考えについて発信しています。

今回の記事では、大西と成田悠輔さんとの対談動画の中で、大西のピースウィンズの活動方針や今後の取り組みに言及している箇所を抜粋してご紹介します。
元となっている動画はこちら


なぜ活動分野を限定しないのか

一般的なソーシャルセクター系の団体では活動領域を限定していることが多い中、ピースウィンズ・ジャパンは敢えて活動分野を限定せず、幅広い支援活動を行っています。例えば紛争地支援や犬の殺処分ゼロに向けた保護犬事業、災害時の緊急医療支援、伝統工芸支援などです。

組織の核となる「人」を集めるため

NPO・NGOはリソースが潤沢ではないため、一般の企業よりも一層人材の質が重要になります。その中で特定の事業に限定し、特定の領域の専門家ばかりを集め、"選択"と"集中"を繰り返していくと、仕事がモノトーンになり、優秀な人材の獲得に失敗しやすくなると大西は考えています。
ピースウィンズ・ジャパンでは複数の事業を運営することで、"幅広いジャンルから優秀な人材を集められる組織である"ということを心がけています。

イノベーティブな組織であるため

また同時に、イノベーションが起きやすい組織づくりも重視しています。専門家が集まりすぎると固い組織になっていき、思考の柔軟性が失われ、結果、新たなソリューションが生まれづらくなる可能性があります。事業の垣根を越えて協働することで、1つの事業だけでは実現できない新しい取り組みが生まれることも、複数の事業を運営することの利点といえます。
それに伴い10年ほど前、ピースウィンズ・ジャパンの団体自体の呼び方も「国際協力NGO」から「ソーシャルイノベーションプラットフォーム」へと切り替えました。

やる気ある若者の活動を促進できる資金フローを

社会的な活動を行なっていくうえで解決すべき課題の1つが、優秀な若手人材を確保・支援するための資金フローづくりです。
優秀な人材は、社会のニーズを最前線で解決している、且つ、リソースのある組織に集まっていきます。NPO・NGOの場合は、活動内容はフィットしているものの資金調達が難しく金銭的余裕がないため、リソースという面で優秀な若手人材を確保しづらいことが課題になっています。
やる気のある若者と共に活動していけるよう、安定的で十分な資金フローを作っていくことが重要と考えています。

そのための解決手段の一つとして、大西はスタートアップとの協業を進めています。背景として、"スタートアップ企業はNPO・NGOと比較して資金調達が容易なため活動を進めやすいこと"、"スタートアップに優秀な人材が集まるため人材獲得にも役立てやすいこと"があります。
また、反対にNPOにも"株式を持たないため誰にも支配されず独自性を持った状態で活動できる"などの利点があるため、相互に長所を生かしながら活動を進めています。現在は地域医療やサステナブルフィッシングなどの領域で話を進めている最中です。

今後解決していきたい課題

日本で発生する大地震への備え

直近の具体的な課題として、日本で発生する可能性の高い大地震への対応があります。この後数年は、日本が地質学的に騒々しい時期になります。現時点から、南海トラフなどの大地震発生時への対策を考え、準備を進めていく必要があります。

「共助」の枠で社会と関わる

防災の考え方の中に、公助・共助・自助と言われるものがあります。

  • 公助: 行政の役割

  • 共助: 地域の役割

  • 自助: 一人ひとりの役割

NGOによる支援活動は共助に該当しており、大西は「共助が公助を超えることがあることを証明したい」と考えます。

例えばピースウィンズ・ジャパンで問題視していることの一つとして、災害発生時の"未治療死"があります。未治療死とは、災害発生後に医療従事者や病床等の医療資源が不足することで、治療が満足に行われないまま死に至ることを指します。本来であれば未治療死の患者のうち半分は生きられたと言われます。医療を軸とした災害緊急支援プロジェクトARROWSを運営するピースウィンズ・ジャパンとしては、"未治療死をいかにゼロに近づけていくか"が今後の災害支援における重要なポイントであると捉えています。

どの地域で災害が発生しても対応できるよう緊急時に向けた準備を現時点でも進めており、将来的には、例えば以下のような活動をパッケージとして提供できる状態を理想としています。

  • 適切な病院までの搬送ルートなどのロジスティクスが整備されている

  • フィールドホスピタル(緊急時に設置する野外病院)を作ることができる

  • 病院船やヘリの往来や、燃料補給を可能にする

政府の責任範囲と捉えられがちな箇所ですが、政府が手を動かさないのであれば民間が代わりに実行しよう、という考えで対応を進めています。

民間団体だからこそリスクを取っていく

政府は、量やパワーでは民間に勝つことができますが、指揮系統の中で躊躇いが生じやすいという弱点があります。大きな団体として政府という看板を背負っている以上、どうしてもリスクを取りづらい状態に陥りがちです。
だからこそ、ピースウィンズ・ジャパンのような民間団体は、リスクを取ることができる存在として関わり続けたいと考えています。



おわりに

お読みいただきありがとうございました。
今回はピースウィンズに関連する部分のみ抜粋してご紹介しましたが、動画の中では遊戯や文化などのより抽象的なテーマについてもお話しされています。ぜひ動画もご覧ください。

また、Youtubeではこのほかにも動画を多数投稿していますので、ぜひご覧ください!

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