CoCにおけるKPのルールブック未所持問題に関する一考察

はじめに

はじめまして。onipoyoです。

CoCはなんだかんだ5年くらいはやってると思うんですが、いまだにルールブック未所持が問題となります。

KPは最低限ルールブック持っとけよ……と私も思うのですが、どうも未所持でもいいんじゃないかって思ってる人と我々では「ルールブック」という単語の捉え方が微妙に違うんじゃないかということに思い至りまして、こうして筆を執っています。(筆者は6版・7版共にルールブックを持っているということは冒頭にてお伝えしておこうかと思います。念のため)

あくまで一考察にすぎませんし、特定の個人・団体・思想の方に対しての批判の意図なども一切ございませんので、その点をご理解いただける方のみご覧いただけますと幸いです。


1、そもそもルールブックとは?

ではそもそもルールブックとはどういうものなのか考えてみたいと思います。ジャパンナレッジには、『ルール‐ブック【rulebook】競技の規則をまとめて本にしたもの"ルール‐ブック【rulebook】", デジタル大辞泉, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2021-02-09)』という記載がなされています。

なるほど、確かにCoCのシナリオにはルールが記載されています。そのような意味で言えば7版と呼ばれる「新クトゥルフ神話TRPG」にルールブックと名付けられているのも全く持って妥当ですね。

2、CoCのルールブックは本当にルールブックだけなのか

問題はここです。

CoCのルールブックはルールブックと呼んで差し支えないということは先ほど示した通りです。しかし、「本当にルールブックとしての機能だけしかないのか」ということに疑問が生まれます。

私はこれはNoであると考えています。

CoCのルールブックの中には、魔導書の情報や敵の情報、そしてシナリオなどが付属しています。

ルールブックとは「競技の規則をまとめたもの」であるというのは先ほど示しました。これに照らし合わせてみると、CoCの魔導書の情報や敵の情報、シナリオなどを規則と呼ぶには疑問が残ると言わざるを得ません。何故ならば、これらはルールとして存在しなければならないものではないからです。

では、魔導書の情報や敵の情報、シナリオは何者なのか。これはあくまでゲームシステムに関するデータにすぎないというのが私の考えです。ルールとして必要な事項であれば、「キーパーコンパニオン」や「マレウス・モンストロルム」など追加のサプリメントを出版するのではなく、ルールブックを改訂する形で収録するべきであるからです。それがなされず、あくまでサプリメントとして「ほしい人だけ買えばいい」というスタイルを貫いている以上、ルールではなく、ゲームシステムに関するデータと捉えるのが妥当であると思います。

以上のように、CoCのルールブックの中には、ルールだけではなく、ゲームシステムのデータも収録されているといえるのではないでしょうか。

3、一般の世界におけるルールブック

ここで、一般の世界でルールブックがどのように扱われているのかについて考えてみたいと思います。

簡単な例として野球を挙げます。
野球は競技人口も多いためプロからアマチュアまで様々な階層があります。

では、例えばプロ野球や高校野球などで行われる大会で審判がルールブックを未所持(読んだことがない)ということが判明したらどうなるでしょうか。当然世間的なバッシングを浴びることでしょう。きっと二度と審判として公式な場に立つことは許されないでしょう。

しかし、高校野球や中学生、そして草野球などで行われる非公式試合ならどうでしょう?審判を招くほどの試合ではないことや審判を呼ぶとお金がかかるなどの様々な事情があるでしょうが、基本的にはその場にいる人間から審判を選ぶということは珍しい光景ではないでしょう。

では、その場で審判を務める人間はルールブックを所持しているでしょうか。

当然、ルールブックを熟読している方もいるでしょう。しかし、多くの場合はルールブックなど読んだことがないという方が多いはずです。しかし、それでも問題はありません。これは非公式試合であり、また審判は「普段プレーしている際にやっていないこと、やってはいけないと教わったこと」さえ頭に入っていれば務まるのですから。
主審はストライクとボールが何となく把握できればよく、塁審もアウトとセーフが判定できさえすれば良いのです。

つまり、一般の感覚では「公的な場でなければルールブックはなくても、普段の感覚からルールを運用してもよい」(=「なくてもなんとかなる」)と考えられていると捉えることができます。

では、野球のルールブックにはどのようなものが示されているのでしょうか。
これは公式規則を確認すれば分かりますが、あくまでルールしか記載されていません。CoCのようにゲームシステムに関するデータはここには収録されていないのです。

つまり世の中一般が考えるルールブックとCoCにおけるルールブックにはズレがあると指摘することができるのではないでしょうか。

4、ルールブックのズレがもたらすもの

ではこのルールブックのズレは何をもたらすのでしょうか。

CoCのルールブックを一般のルールブックと同じように考えてしまうと、CoCのゲームシステムに関するデータを漏らしてしまうことになります。CoC内にあるゲームシステムに関するデータはプレイをするにあたって最低限必要である情報が含まれているため、ルールブックを所持していない場合はまず間違いなく円滑にプレイすることができないと考えてよいでしょう。つまり、CoCのルールブックにデータが同梱されているのはたまたまでも無意味なことでもないのです。
このように、CoCのルールブックの中のデータは「CoCをプレイするにあたって必要なもの」であり、「非公式な場であればなくても何とかなる」というものではないのです。

だからこそ、我々はCoCをやるにあたってルールブックを所持していることは必須条件であると主張してきたのではないでしょうか。
しかし、CoCのルールブックを一般のルールブックと同列視してしまう人からすれば、「別になくてもなんとかなるんでしょ」という認識なのです。
このような認識のズレが「ルールブックを非所持問題」として定期的に表面化してきているのではないでしょうか。

おわりに

ここまで長々と駄文を読んでくださり、ありがとうございました。
論点がぶれているもしれませんが、気が向いたら追記しますし、向かなければ追記はしないかもしれません。
冒頭でも述べた通り、私はKPするならばルールブックは最低限所持すべきだと考えています。そして、ルールブックを所持していないことを公の場で発信してはいけない、とも考えています。
これはどれだけゲームシステムが優秀でも、ルールブックを買ってお金を落とす客がいなければ、そのシステムにそれ以上の発展はないからです。
お金を落とす客がいて、その人気にこたえる形で新たなシステムの改良や追加などを行われることによってシステムは発展していくのです。
つまり、ルールブックを買わずにゲームだけをするのは遊んでいるゲームの寿命を縮めることにしかならないのです。
だからルールブックは買いましょう。
どうしても買えないのであれば、ひっそりと身内だけでやるべきです。(本来ならば身内だろうとルールブックは持っておくべきではあります)


しかし、CoCのルールブックと一般のルールブックにはズレがあるのではないかということも分かりました。そして、このズレが埋まらない限りは同じような論争は将来にわたって続いていくのでしょう。
CoCのルールブックにも「ルールブック+データブック」と記載があればもう少し分かりやすくなるのかもしれませんが……

これにてお気持ち表明は終了です。
長々とお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
なお、この記事はあくまでonipoyoの一考察にすぎません。私の意見を用いて誰かを攻撃することなどは望んでおりませんので、ご配慮いただければと思います。

あまりきついことを言われてしまうと泣いてしまいますが、何かおかしな点などがあれば訂正しますので、ご教授をお願い致します。

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