短歌研究新人賞最終選考通過作に選んで頂きました

(応募作は短歌研究新人賞発表号が発売中であることから、最新号が更新された後に公開する予定です。もしよろしければお読みください。)

初応募だった短歌研究新人賞で、最終選考通過、1票をいただけるという身に余る光栄な結果を頂きました。

受賞作である「コミカル」工藤吹さんはじめ、他の方の作品には遠く及ばない完成度でしたが、多くの人に作品の感想を頂き、本当にこの作品をつくってよかったと思いました。

拙作「実印を持って集まる」は、自分の家庭環境や依存症を下敷きにした30首連作で、自分も書きながら辛かったのもあるのですが、自分の一方的な視点を作品にしてしまったのではないかという罪悪感に潰されそうになってしまいました。

しかし、自分でも自信を持っている描写や具体、見て書くという点に於いて、自分がこれほど家族を観ていたのかと驚きました。その視点には必ず愛があったと思います。

その点に気付けたことは、本当に良かったと思います。評価して頂いたことはもちろんですが、自分の身体からこの作品が出せたことが本当に嬉しいです。抱え込んでいた荷物を最高の形で降ろせました。

正直、一瞬でも頂点が見えたとはいえ悔しさは全くないです。あれほどの作品に自分の作品が並んだことがまだ信じられません。

自分の中にあった大きなテーマがひとつ消えてしまったのですが、それが自分の短歌の力を育ててくれました。これからはさらに自由に詠んでいきたいと思います。

第67回短歌研究新人賞を主催してくださった短歌研究社の皆様、審査員の皆様、を読んでくださった方々、ありがとうございます。

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