BGMやゲームとマイクの音量差をしっかり付けよう

RTA走者の方へ

 音声が黄色ゾーンにある状態で、BGMやゲームのブルブルしている部分を以下の辺りに置きます。

  • BGM:-40dB

  • OP、ED、ジングル:-30dB

  • ゲーム:静かな場面は-40dB、戦闘やキャラが喋る場面は-25dB

  • 効果音:-30dB

 全て調整してOBSを終了したところでタイマーストップです。お疲れ様でした。記事を閉じてどうぞ配信を開始してください。


はじめに

 どれほどマイク音声をクソデカにしたとしても、同じ音量でBGMが鳴っていたら台無しです。あなたの配信の主役はあなたであり、主役であるあなたの声よりクソデカなサウンドは一つもあってはいけません。BGMは背景であり、背景はちゃんとあなたの後ろに配置されていなければなりません。
 ゲームや効果音なども同じです。リスナーはクソデカ銃声で鼓膜をブルンブルンさせるためにあなたの配信を見ているわけではありません。あなたの舌打ちを聞きに来ています。オタクの鼓膜を破壊するのはあなた自身の絶叫であるべきです。舌打ちを1000RPMで発射し、台パンで事実上の勝利をもぎ取っていきましょう。

 なお、本記事はあなたの音声が既にしっかり黄色に収まっており、最低でも-20dB以上の声が出ているものとして解説していきます。たとえばマイク音量が-40dB前後しか出ていないという人がこの記事を鵜呑みにしてBGMを-35dBなんかにすると、主従的には「人が作ったBGMに謎の音声ノイズを混ぜて配信している」というよくわからない状態になりますので、まずは音声を忘れずクソデカにしておきましょう。

-> 参考:音量をいい感じに調整しよう

 逆に小声-20dBなどと甘えたことを言ってくれるな、おれは-10dB以下の声は絶対に出さんという強気の調整をされている場合は、その分だけ他の音量も上げていただいて大丈夫です。バランスさえ取れていればデカい方が強いのは道理だからです。

基本的な考え方

  1. 一番目立たせたい音より大きい音は出さない

  2. 発音するタイミングが被る音声は同じ音量にしない

 あなたの声より大きい音があるとき、オタクはそれを食らって鼓膜ないなったしないためにスピーカーの音量を下げなければなりません。当然、スピーカーの音量が下がれば下がった分だけ、あなたの声はどんどん目立たなくなっていきます。そして鼓膜ないなったの危険性が減ったとき、またそのスピーカーの音量を上げる必要があります。目立たなくなったあなたの声をまたどうにかして聞くためにです。
 たとえばFPSやRPGで戦闘に入った時、終わった時。クソデカコラボ相手が喋ってる時、あなたが喋ってる時。おうた枠で元気よく歌ってる時、合間に雑談してる時。癒やし系ASMRの真っ最中にGが出て地球がヤバい時、平和が守られた時。などなど、あなたの普段の喋りよりもクソデカのサウンドが頻繁に与えられる配信では、オタクは音量ボタンに指を掛けながら緊張してあなたの配信を聞かなければなりません。

 これはもったいないことです。オタクがあなたの配信を聞く以外の行動をしている時間は全て無駄です。音量ボタンなんかを触っていてよいはずがありません。あなたの配信で一番重要なのはあなた自身であり、あなたの話す言葉であり、その声や内容であり、プレイしているゲームであり、練りに練った企画であるべきです。であるために、あなたの声は常に最もクソデカであり、概ね一定でなければなりません。

-> 参考:コンプとリミッターで鼓膜破壊を防ごう

 また、これも言われてみればそうじゃんという話ではありますが、人間は一度に一つの音声しか聞き取れません。耳が二つ付いていても脳は一つです。聖徳太子のように脳が十個とか入っているわけではありません。こわい。人間でよかった。従って、内容の異なる二つの音源が同じ音量で鳴っている時、人間はどちらを聞こうかをいちいち判断する必要があります。

 あなたの声とそれ以外の音を天秤に掛けてどちらを聞こうかいちいち判断するだなんて、それはそれはいい度胸だとは思いませんか。あなたの声はオタクの脳がいちいち判断するまでもなく最も重要であり、オタクの脳にはそれをわからせてやらねばなりません。

 あなたの声を常に最もクソデカにしましょう。あなたの配信においてそれ以上に重要な音は存在しません。
 本記事では、じゃあその大事な大事なあなたの声を常に一番目立たせるために、それ以外の音はどれくらいに置いておきましょうか、と、そういう話をやっていきます。

BGMはめっちゃ下げよう

 それではまず、どんな配信をするにしろほとんどの人が掛けるであろう、BGMからやっていきます。

 配信BGMというのも今やびっくりするほどのクソデカカテゴリで、みんながこぞって掛ける有名どころから自分しか知らないアーティストの隠れた名曲まで、もう無限に等しい楽曲たちが様々なプラットフォームで提供されており、配信をするならまずBGM探しからとこだわりを持って選んでいる方や、自分専用のオリジナルBGMを作ってもらったという方も多いでしょう。配信を華やかにし、雰囲気を作ってくれます。価値あるものです。

 ただ、その音量は恐らくあなたが思っているよりも、ずっと小さくあるべきです。具体的には-40dBか、大きくても-35dBくらいでよいでしょう。

結構小さめに見えますが、これでも大きいくらいです

 これくらいの幅を取ると、あなたが喋っている時、BGMは全く目立たなくなります。しかしあなたが喋るのをやめると、BGMは確かにその存在を主張し始めます。
 ノイズや環境音よりも十分に大きく、ここへさらに効果音などを乗せても掻き消さないくらいに控えめで、当然あなたの声を邪魔することは一切ありません。にもかかわらずメロディや雰囲気はしっかり感じ取ることができ、あなたの配信を確かに彩ってくれます。試してみてください。

OPやED、ジングルはBGMより少し大きく

 配信始まった後のオープニングやフタ絵、配信終わりのエンディングなんかもVtuberが力を入れたいポイントかもしれません。いろんなものがあっていいですね。定期的に新作のお披露目なんかもあり、オタク的にもイベントを感じるポイントです。

 しかし、これが何故かクソデカになっているケースが結構あります。恐らく動画をOBSに突っ込んでそのままになってるんじゃないかと思いますが、動画の音量は動画単体としてそのままようつべに上げられるレベルでクソデカであることがほとんどです。納品されたままの動画を100%で再生すると、大抵、あなたの声よりだいぶデカい音が鳴ります。

 これは何故かというと、音量というものは基本的に下げて調整するものなので、納品する側は用途に耐えうる最大の音量を出しておく必要があるためです。音源の方を予め下げておいて「上げて使ってね」ということはあまりしません。従って、意図して音量を下げて納品されていない限り、あらゆるメディアの音量は配信に使うものとしては過剰なほどのクソデカであり、これを使う時にはしっかり下げて使ってあげなければなりません。

 そういうわけですから、ここもしっかりやっつけていきましょう。音源の性質的にはBGMですが、しかしこれらの音源を再生している最中にあなたが喋るということもあんまりないのではないかと思います。また、音声と映像が連動しているような凝った作りになっていることも多いでしょう。従って、BGMよりは多少大きくてもいいです。-30dBくらい出ていても大丈夫です。
 もちろんCパートをキメたい人はBGMと同程度でも構いません。あなたが喋っていなければ、オタクの耳は次にデカい音を勝手に聞いています。BGMはそのとき聞かれるために十分な音量を持っており、それでいて突然喋りたくなったあなたの声を邪魔するほどでもありません。

ポン出し、実は小さめでも聞こえてます

 ポン出し、単発の効果音についてやっていきます。拍手とか、ピー音とか、ドラムロールとか、いろいろありますね。そういう音です。
 効果音の音量は少し難しいです。音の種類も様々で、音源ごとの音量も、鳴っている時間も違います。これを適切に活用しようと思うと、サンプラーのように予め音源をロードし、音量などを設定しておけるようなものがほしくなると思います。最近ではインターネッツでもクリック一つでポン出しできるサービスなんかがありますね。ありがたい時代になりました。

 さておき、これらの音は鳴らす方が思っているほど大きくなくてもよい音です。拍手とかドラムロールとかがあなたより重要なはずはありませんし、これらの長めの効果音は鳴らしている最中にあなたが喋りたくなるかもしれません。
 基本的な考え方のところで述べたように、同じタイミングで鳴る音は同じ音量にしてはいけません。従って、声よりは十分小さくしておく必要があります。具体的にはBGMと音声の間、-30dBから-25dBもあればよいでしょう。

ゲームは鳴ってる音によるので大変

 ようやく本記事で一番話したかった内容に入ります。
 BGMがクソデカすぎる人、結構います。ジングルがくそでかすぎる人、たまにいます。ポン出しがクソデカすぎる人、あんまりいません。
 でもゲームがクソデカすぎる人はいっぱいいます。静かなときは良くても戦闘中だけクソデカとか、自分が銃を撃ってる時だけクソデカとか、場合によってクソデカというケースが多いです。

 いやでもね、しょうがないじゃないですか。あなたは悪くないんですよ。ゲーム自体の音量差がクソデカすぎるのがいけないんです。ゲームはそれ自体が一つの総合芸術であり、音だけに限ってもBGMから効果音から喋りから歌から何でも入っています。しかもそれぞれの音声は既に収録済みで適切に処理されており、大抵、適切な圧力を持っています。要するにコンプとかが掛かってるということです。

 これをフェーダー一つで上手い具合にやろうというのがね、まず間違ってるじゃないですか。あなたもご自身でOBSを見ていて思うでしょう。待機中とか配信準備中にがんばって調整したのに、配信始めて戦闘に入ったら平気で自分の声よりクソデカだったりするんです。オタクに聞きながら上手いこと調整したのに、次のチャプターで突然マジかよってくらいの効果音が鳴ったりするんです。ねええ!!
 オタクはこの苦労を知るべきです。ゲームの音量調整は大変なんですよ。本当に大変なんです。いつもがんばっててえらい。あなたは本当にえらいんですよ。

ゲーム、音量差でかいがち

 まぁでもね、これをフェーダー一つでなんとかしないといけません。ゲームの出力は既にゲーム内で適切にミックスされており、OBSにはステレオで入ってきています。あなたにできることはこのフェーダーを上げ下げして上手いことやっていくか、ゲーム内のオプションで余計なクソデカを全部10%とかにして存在を忘れてしまうかしかありません。

 いや、全部10%はさすがに味気ないかもしれません。オタクとしてはあなたがクソデカ効果音でびっくりしているところも見たいわけです。であるからあなたには十分なクソデカ効果音が聞こえていなければなりません。しかし自分は別にクソデカ効果音を聞きたくはない。推しの声よりデカい音があっても一つもいいことありませんからね。
 クソわがままですね。仕方なくやっていきましょう。

音量オプション、できれば活用したい

 このように、ゲームの音量はゲームの中だけでも様々にありますから、一番いいのはゲーム内の音量オプションでよしなに調整し、その後に全体を下げていく方法です。

 そのゲームで一番大事な音や聞かせたい音、つまりキャラの声などを基準にそれ以外を下げることで、まずゲームの出力をフェーダー一つで調整しやすい状態にします。
 それからゲーム音声を突っ込んでいるフェーダーやインターフェースのツマミを動かしてあなたの声の下まで持って行くことで、あなたの声とのバランスを取っていきます。

 そうすることで、ゲーム中に「戦闘でクソデカになったな!」「いやこいつ声小さいな!」「ちょっと声張るの疲れたから小さく喋りたいな!」というときでも簡単に微調整できるようになります。ゲームの音量オプションに全体音量があればそちらをいじってもいいですが、大抵、手元のツマミを回せる方が便利でしょう。

 その上で、じゃあ何をどこまで下げるかという話になってきます。ゲームによってできることがだいぶ違いますが、順番にやっていきましょう。

BGMはやっぱり小さく

 先に述べた通り、BGMはかなり控えめでいいでしょう。普段の配信BGMと同じくらいにします。「名作でBGMが有名、配信中でもそれを話題にしたい!」ということであれば、もう少し上げてもいいかもしれません。そもそもゲーム全体を声より少し下に置きますから、BGMが配信上で小さくても、ゲームとしてのバランスはそうおかしくなってはいないはずです。

 ちなみにこの時忘れてはならないのは、戦闘BGMはメニューや街なんかよりだいぶうるさいということです。配信準備や待機中に音量調整をするにあたって、戦闘をしながらというのはあまりないでしょう。ゲームが誤って進まないよう、安全な場所で調整する人も多いはずです。
 こうなると、実際ゲームを始めた途端にうるさくなってつらい思いをしたりします。BGMだけでなく効果音や音声も入ってきますから、突然思っていた倍の音が出るなんてこともあります。イヤですね。ひどい話ですよ。

 まぁでもゲームを作る側も戦闘中はやっぱり盛り上がってほしいわけで、わざわざそうした音量差を付けてきているわけです。映画なんかもそうですね。音量に差を付けることも演出の一つであり、ゲームを楽しむにあたっては大切なものです。
 仕方がないのでそれはそういうものと思って、待機中に戦闘を軽く回しておいたり、いっそ配信始めちゃってデカい音が出てから調整すればええか~という割り切りをしてもいいと思います。

効果音はキャラの声より小さく

 ポン出しのところでも述べましたが、効果音は意外と小さめでもよいものです。RPGのメニューのピコピコとか、FPSの銃声とか、格闘ゲームの打撃音とか、いろいろありますが、どれもあなたの声ほど重要かと言われると、そうはならないと思います。

 特にゲーム中の効果音は、あなたが演出として意図的に鳴らしたポン出しと違って、あなたの喋りに被ることが多くなるはずです。
 たとえばメニューを操作しているとき、あなたは相談したり解説したりするでしょう。ゲーム中に大きな音が鳴ったとき、あなたはリアクションをするでしょう。あなたが銃を撃っている時、あなたも盛り上がっているでしょう。爆発で死んだとき、あなたは絶叫するでしょう。
 ゲームの効果音にあなたの声が負けてしまうようではもったいないです。勝っていきましょう。

 しかしながら、ゲームの効果音はそれこそこいつが全ての元凶であると言いたくなるくらいには音量差の塊です。後ろから聞こえてくる足音と真横に転がってきたグレの爆発音が同じ音量ということはありませんし、パンチだけで3種類くらい音が鳴り、しかもそのうちの一つだけ異様に耳障りな音がするというようなこともあります。それでいて、効果音の音量オプションは大抵、一つだけです。

 オタク的には、これはもう割り切って一番クソデカの効果音を基準に下げてほしいところではあります。爆発なんかで鼓膜ないなったしたくありません。我々の鼓膜を奪うのはあなたの絶叫であるべきです。-20dBより上にはあなたの声以外に一切の音を置いてはいけません。従って、効果音は-25dBが最大いっぱいである。と、言い切ってよいのであればそうしたいくらいです。

 しかしながら実際問題として、一番でかい音を-30dBなんかにすると足音なんかもう全然聞こえません……ということになるでしょう。命が大事なFPSや怖い音でびっくりしたいホラゲなんかではプレイにも支障が出てきます。
 仮に自分で聞くモニター音声と配信に送る音声を分けられるインターフェースや変態ルーティングでどうにかできるのであれば配信側を下げるだけでよいのですが、初心者向けの記事でそれをやれとは言えません。特にモニター出力と配信出力は一緒になっている製品も多く、やりにくいところだと思います。

 従って、ここはあなたのプレイに支障がない程度に下げればよいものと割り切ってしまうのも一つの手です。可能な限りメーターの黄色ゾーンに入らないよう設定した上で、グレは避けましょう。核爆発は防ぎましょう。ムービーは飛ばしましょう。ホラゲの脅かしはそれを超える絶叫を出して勝ちましょう。オタクの鼓膜はあなたのプレイングで救えます。もしくは先に破壊してしまうことです。

 いや、さておき、あまりにもクソデカすぎるサウンドはゲーム的にもそう出しては来ないはずですから、普通にプレイしていて鳴るような効果音たちが概ね-30dBから-25dBを超えていなければ「ゲームがクソデカすぎる」と言われることはないと思います。オタクは一度や二度鼓膜ないなったくらいでは死にませんから、そこは安心してやっていきましょう。

 なお、初心者向けではないのでここでは扱いませんが、ゲームの経路にコンプを掛けられる変態ルーティング勢の皆様におかれましては、クソデカ効果音にだけ狙ってリミッターを掛けるのも結構な安心感があります。どう設定したってキャラのボイスよりクソデカのサウンドが鳴るんですけど!というときに思い出してください。

キャラの声は自分の声より少し小さく

 これは最初に述べておきたいんですが、えぺぺの報告ボイスみたいのは扱いとしては効果音なので、別にクソデカにしなくてよいものです。格ゲーやアクションのかけ声やダメージボイスなどもそうです。
 ジャンルにもよりますが、ゲームのキャラのボイスが必ずしも重要かというと、そうではありません。全てのゲームの全てのキャラの全てのボイスを十分聞こえる音量にしようとすると、あなたはそれらが流れる時に黙っていなければならなくなります。それはちょっと困りますね。
 ですから、「いや、この声には被せていいでしょう」というボイスは、この際効果音と同じように扱ってください。こういうボイスの音量をでかくしないでほしい理由もまた効果音と同じで、あなたがその上で喋る可能性があるからです。

 ここで言うキャラの声とは、あなたが配信をしている時にあなた自身が聞きたいなと思ったり、なんか被せるの引けるな……と感じる声を指します。主にRPGや読み物系のゲームにおける劇中のキャラの台詞ボイス、と思っていただいて結構です。

 前置きは長くなりましたが、実際どこにすればいいかというのは簡単です。声より少し下くらいに置きましょう。黄色に入るか入らないかくらいがいいと思います。

 ゲームに収録されているキャラクターの声は、だいたいもう適切な処理が行われています。コンプとかが掛かっているということですね。従って、キャラの声という音源自体は、それほど音量差を出してきません。なので声に十分近いところにあっても大丈夫です。
 加えてキャラが喋っているとき、あなたは黙っていたいです。ですからついさっきまで配信を埋めていたあなたの声の代わりになる程度にはあってもいいと、そういうことになります。

 とはいえ、あなたの声の音量を超えるほどクソデカにすると、ゲームのボイスの方がしっかり処理されている分だけあなたの声が負けてしまいます。それは避けたいでしょう。

 また、物語はドラマでありますから、演技としてキャラの声が大きくなったり小さくなったりもあるでしょう。さらに掛け合いとしてあなた自身がリアクションすることもありますし、ゲームや配信スタイルによってはあなたが解説を加えながら進めていくということもあるかもしれません。
 ですから、あなたの声と被ったときに十分あなたの声が勝てるよう、少し小さめに設定します。それで十分、オタクにも聞こえています。

ゲームに音量オプションがないとき

 いやあ、困りましたねえ!
 でも、ままあることです。しかし考えてみるとこれは簡単で、一番デカい音をあなたの声よりも十分下に置くだけです。
 大抵、声が入っているゲームなら声が一番大きく、そうでないゲームなら効果音が一番大きく作られていると思いますので、それほど迷わずに設定できるのではないかなと思います。

 えっ、今からやるゲームはフルボイスの読み物系だけど効果音もBGMも何故かクソデカなんですって?
 いやもう、それはしょうがないですよ。オタクの鼓膜を消し飛ばしていきましょう。

オタクに聞いてもいいんだよ

 おめでとうございます。これで一通り、あなたの配信で鳴りそうな音は全てあなたの声の邪魔をしなくなりました。あなたの声は確実に配信で一番目立っており、オタクはあなたの声をしっかり聞き取ることができるはずです。勝ちです。優勝です。やりましたね。祝杯をキメましょう。

 なお、本記事では主に音量バランスについてああだこうだと述べてきましたが、必ずしもこの音量にせよというわけではもちろんありません。あなたの配信をあなた自身で聞き返して、いや小さいな、いやデカいなということもあるはずです。そうしたときには当然、あなたの好きなようにしていただくのが正解です。
 しかしながら、どの音がどれくらいの音量で鳴っていればよいかを知っているというのは大変に便利です。わざわざ返しを聞いたりする必要はありません。メーターを見るだけです。オタクがなんか言ってきても、ちゃんと前回と同じバランスで鳴っていればおま環と言い返すこともできます。毎回どれくらいかなぁと悩みながら調整しなくてもよくなります。

 とはいえ、一度調整すれば全てのゲームに同じ設定を適用できるわけではありませんし、同じゲームでも場面によって異なるということはままあります。BGMや肝心のマイク音量なんかも、いつの間にかどこかでいじってしまって変なことになっていたということも当然あります。

 そうした時のために、配信冒頭や気になったタイミングでオタクに軽く「音量どう?」と聞くようにしてやれば、気になるオタクは言ってきますし、気にならないオタクは(実際のところがどうであっても)「大丈夫!」と返してきます。その反応を見ながらメーターも見つつ調整してやれば十分です。
 そして配信が終わった後にちょっと飛ばし飛ばしで聞いてみたりして、自分が聞きやすいと思う他の配信と聞き比べたりして、この配信の時メーターこれくらいだったけど小さかったな~デカかったな~なんてのを軽く思い返していただければ、次の配信はもっとよいものにできるはずです。

 シリーズ初回の配信準備中に一度の調整で全てを完璧にしようとするのではなく、どうせ常連はどんなにひどい音量バランスでも楽しくあなたの配信を見てくれるわけですから、すげー音したなと思ったらオタクにでも聞きながら都度々々よしなに調整していけばよいものであると、軽く考えていただければ幸いです。楽しくやっていきましょう。

-> 目次:配信のマイク音量をクソデカにしたい人のためのいろいろ(初心者向け)


余談:音量調整を成し遂げたあなたへ

 書いておいてなんですが、こんな長くて細かくて小うるさい記事を読んでいただいてありがとうございます。音量調整、大変ですよね。音響さんという専門職がやるようなことを何も知らないままに突然やらされ、教科書もないのに多種多様な音源を扱わされ、しかもオタクには文句を言われます。なんてこった!

 しかしながら、適切な音量バランスの配信はそうでない配信と比べて各段に聞きやすく感じますし、品質の高さを感じさせます。オタクはあなたの声を聞きやすくなり、何時間聞いても耳が疲れなくなりますし、大手から来た新しいオタクもすんなり入ってくることができます。

 もちろん、この記事の内容だけで完璧なバランスを作れるとは思いませんし、この記事自体、あらゆる事柄について正しいことを述べている自信はありません。きっと放送とかをやっている本職の人が見たら「ええ!?」みたいなことも平気で書いてあると思います。恥ずかしいですね。

 それでもメーター見ながらいろんな配信をハシゴしつつ、自身の経験だけでなく極力正しい情報をと調べたり試しながら書いたものでありますので、何も知らないところから独力で完璧なバランスを獲得しようとするよりは、少しくらいは楽に、ちょっとくらいはマシになるお手伝いができるのではないかなと思っています。

 なお、音量バランスやマイキングに関しては、この記事に限らず、既にインターネッツにも似たようなもの、より深いもの、全く別視点の意見など、様々にあります。
 従いまして、この記事をどうか「ちょっとやってみようかな」の一助としていただくと共に、今後も様々な情報に触れ、吸収することであなた自身があなたの求める完璧な配信を作り上げていく、その無限のノウハウのうちのほんの一つとしていただければ、これ以上のことはありません。


余談:アプリケーション音声キャプチャはいいぞ

全人類に使ってほしい

 えらそうに結んでおいてなんですが、言いたいことを言います。イエイ。なんかいつの間にか追加されていたアプリケーション音声キャプチャという存在が便利なので紹介します。

 と言っても、見れば大体やりたいことがわかるくらいにはシンプルな存在なので、各自で追加して適当なウィンドウを選んでみてください。起動中のウィンドウがズラっと出てきて、ゲームを選べばその音が入ってきます。デバイス単位で指定する音声出力キャプチャと違って、入ってくるのは選んだゲームの音だけです。ほしい人は喉から手が出る機能です。

chromeも選べます

 こいつのえらいところは選んだゲームを覚えておいてくれるところで、一旦そのゲームを選択すればゲームやOBSを再起動してもシーンを切り替えても覚えといてくれますので、ゲームキャプチャとあわせてそのゲーム専用のシーンというのを簡単に作ることができるようになります。同じゲームを定期的にやるという方にはかなり使いやすいのではないかと思います。便利ですね。便利でしょう。

 デスクトップ音声をループバックしてくる必要がなくなるというのもいいですね。デスクトップ音声、みんな怖々入れているでしょう。いろんな音が鳴りますからね。ゲーム配信中にdiscordのコールが入って慌てたりとか、steamのアチーブメントアンロックがいちいち鳴って鬱陶しかったりとか、USBが付いたり外れたりする度にオタクが\テロン↓/\テロン↑/とかコメントしてきたりというような、そういうありがちな事故とは無縁になれます。すごいでしょう。便利でしょう。

 この記事的に特筆しておきたいのは、音声ソースなのでゲインやコンプ、リミッターを掛けられるということです。
 ゲーム内の音量オプションが貧弱なゲーム、あるでしょう。それでいて効果音だけクソデカだったりします。そんな時、これを使ってクソデカなところにリミッターをぶつけるだけで勝てます。
 または、FPSのように自分にはしっかり音が聞こえてほしいけど配信にはそれほどクソデカが入らなくてもいいという時、自分はインターフェースのモニターで声とゲームを混ぜて聞きつつ、OBSには声だけを送り、さらにゲーム音としてこいつを追加した上でフェーダーをサッと下げればもう音量調整は終わりです。手軽でしょう。便利でしょう。変態ルーティング入門編として適しています。一度手を出すと戻れなくなりますよ。

 反面、ゲームキャプチャと同じでソースを一つ一つ選んでいくのがちょっと億劫なところではあります。個人的には、ゲームキャプチャやウィンドウキャプチャにこの機能が内蔵されていてもいいくらいです。全部のゲームを追加していくとそれだけでシーンやソースが雪崩れを起こしますからね。複数のゲームを頻繁に切り替えるという人は、デスクトップ音声のが楽じゃーんとなるかもしれません。

 また、全てのゲームに対応してるわけでもなかったり、細かく検証したわけではないので断言できませんがなんか音声が微妙に遅れてくるような感じを受けたりなど、使う前にはちょっと試しや慣らしが必要だなという印象もあります。まぁベータ版ですからね。括弧書きが取れるのを待ってもいいでしょう。

 しかしながら、OBSで音量調整をする場合には間違いなく強力なツールになってくれますので、是非とも覚えておいていただければ幸いです。


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