2022.10.12 誕生日

誕生日だった。母の。
仕事を終え、急いで百貨店へ。
閉店間際にケーキとプレゼントを購入し、実家に帰ってお祝い。
しかし、あまり元気がない。父の命日が近づいているからだ。
この季節になると息がしづらくなるらしい。ぽつりとこぼした「ここ10年全然いいことないなぁ」という言葉が胸に刺さった。
私は彼女を支えられていただろうか。父が亡くなる前は子どもだったから、自分のことばかり考えて行動していた。そのことは一生後悔するだろう。今はどうだろう。何も変わっていないのだろうか。なるべく顔を見に行くし、よく遊びにも行くとても良い仲なのだけれど、彼女の心の助けになれているのだろうか。
内省する一方、どうしようもない部分というのもきっとあると思う。人の中には立ち入れない、もしくは立ち入れたとしても何もできず立ち尽くすしかない領域っていうのは存在するはずだ。私にはある。だからといって「仕方のないこと」と放棄するのは冷たいのではないか…と悶々。
歳を重ねることは、喜ばしいことだろう。しかし、周りも同じように歳を重ね、親や近しい年齢の親族、友達などが病気になったり亡くなったりする、そんな年齢に差し掛かる母は少し辛そうだ。
そんな中でも好きなアーティストのライブに出かけたり、一人で楽しめる趣味を見つけたりと前向きに生きようとする姿勢は素直にすごいなと思う。
日々の小さな喜びを拾い集めても、過去や今の大きな悲しみにひっくり返されてしまうのかもしれないが、少しでもその喜び集めに加担できるといい。

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