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ロマンス詐欺の中の人たち③

こんばんわ、おにぎりです。
今回も国際ロマンス詐欺を実際に行っている人たちへ思いを馳せようとおもいます。これまでの流れについてはロマンス詐欺の中の人たちをご覧ください。
私が受け取ったメールについての体験談については以下のマガジンをご覧ください 。

監禁と拷問

ロマンス詐欺の中の人たち②でも書きましたが、国際ロマンス詐欺(その他多くのネット詐欺)の実行部隊は偽の求人広告に応募してきた普通の人の場合がある事、またその人達は監禁され強要されてオンライン詐欺をしているようなのです。

Pushed by COVID-19 and lured by high salaries, people across Asia have been trafficked into scam compounds in Cambodia.(ABC News: Jarrod Fankhauser)
COVID-19 の影響もあり、職を失った人々が偽の求人に応募、カンボジアの詐欺施設に人身売買されている。/ ABC News: Jarrod Fankhauser

19歳のNguyễn Thiên Kai さんはオンラインゲームの遊び方を教える仕事と騙されカンボジアに引っ越したが
国境を越えた後に地下室に監禁。家族に連絡を取ろうとしたら携帯電話を取り上げられ、殴られ、別の組織に売られた。
「恐ろしかった。地上の地獄だった」(一部抜粋、訳)

Inside the 'pig-butchering' scams seeing thousands trafficked into cyber slavery

パスポートを取りあげられ、軟禁中に反発すると、冷水タンクに投げ込まれるなどの目に遭い、自殺に追い込まれるケースもあるとされる。

「全裸にされ銃口向けられ監禁」人身売買集団に詐欺を強要された元工場長の衝撃告白 / 出典元:ダイアモンドオンライン

彼等を監禁し、帰りたいといった人たちは殴られたり電気ショック(スタンガン)で拷問されたりしたといいます。
また、彼ら自身を人質として家族に身代金を要求しています。

「お父さん、私はカンボジアにいます。中国にはいません」と若者は涙ながらに言い、声は途切れ、鼻からは血が流れていました。「お願いします、お金を送ってください。」
被害者の両親に送られた身代金ビデオは、カンボジアで人身売買被害者の救出を支援している Li 氏が日経アジアに見せた数本のビデオの 1 つです。(一部抜粋、訳)

Cyber slavery: inside Cambodia's online scam gangs / 出典:NIKKEI Asia
Cyber slavery: inside Cambodia's online scam gangs / 出典:NIKKEI Asia
ベッドに手錠で繋がれている男性の膝には暴行の痕が見える / 出典元:Cambodia scams: Lured and trapped into slavery in South East Asia BBC


シアヌークビルとKK園区

中国や東南アジアの若者たちを、嘘の求人でおびき寄せて監禁し強制労働する記事を色々とご紹介しました。それらの記事を読んでいると、二つの地域の名前が多く出てきます。
それはシアヌークビルとKK園区(KK park)です。

シアヌークビル(シハヌークビル)

シアヌークビルはカンボジアの南西部に位置する港町だ。2010年に中国とカンボジア両国がシアヌークビル港経済特区協定を結び、中国資本で開発が進んだことで知られる。
 アジア経済研究所の初鹿野直美副主任研究員(カンボジア地域研究)によると、この街は、ビーチがあることもあり、かつては休日に現地人や駐在する外国人が小旅行で遊びにいくような観光地だった。それがここ数年で大きく変貌。2010年代半ばごろからカジノが増えてきて、2018年に訪問した時には、建設現場だらけで中国語の看板があちこちに出現し、街全体に「不穏な感じ」が漂うようになっていたという。

「全裸にされ銃口向けられ監禁」人身売買集団に詐欺を強要された元工場長の衝撃告白 / 出典元:ダイヤモンドオンライン


外務省のHPでカンボジアは危険度1になっていますが、これらの情報をみる限りシアヌークビル付近は危険度2以上だと思われます。


KK園区

KK園区(KKえんく、別名 AA園区) は、ミャンマーのミャワディにある犯罪集団の拠点である。2022年8月、KK園区のトップである華人の余倫凱が違法賭博の罪で逮捕された際、多数の台湾人および香港人がKK園区に騙されて送り込まれ、犯罪行為に従事させられ、使えなくなると臓器を取り出して捨てられていることが明るみになり、中国・台湾の人々を震撼させた。

Wikipedia

KK園区は、先に書いたシアヌークビル地帯よりも危険だとされている犯罪集団の拠点です。ここは余倫凱というチャイニーズマフィアによって作られた巨大な施設です。

佘智江は亜太新城と並行して「KK園区」という施設を作った。高い塀に囲まれ、武装の歩哨が100メートルごとに立つKK園区は、だまして連れてきた中国人を監禁する施設だった。そこに監禁されている中国人たちを佘智江は「子豚」と呼んで人間扱いしなかった。佘智江は将軍の友人であり客人なので、彼に意見するものはなく、反抗する者、仕事をきちんとしない者、逃げようとする子豚たちに対して、手加減なしの虐待をした。

大物逮捕で明るみに、「一帯一路」の裏でうごめくチャイニーズマフィア
出典元:gooニュース

余倫凱は逮捕されましたが、KK園区がミャワディからヤンゴンに移動し始めたという報道もあるそうです。



Instagramにちょっと怪しいDMが来た事をきっかけに、冷やかし半分であやしい人物と連絡をつづけ、”彼”の嘘を暴くことを面白がっていた私ですが、こうして国際ロマンス詐欺(を含む、ネット詐欺)の背景を知ると、血の気が引きました。

こうしたネット犯罪は、巨大な犯罪シンジケートによって行われているので一個人が対抗するのは到底無理です。怪しいと思ったら、即ブロックして関係を断つことをお勧めします。
(※現在、私も陳さんのLINEとInstagramはブロックしています)

また、詐欺に加担させれている人々の悲惨な状況に胸が痛みました。

こうした犯罪が世の中から少しでも減る事を祈るばかりです。

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