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ドッグファイトを制して生きたい

ようやく仕事も決まって地元から引っ越すことになった。いろんな感情から解き放たれて行く先は小さい頃から憧れていた大都市だ。稀に飛行機に乗って来るような土地で、大人になってもワクワクが止まらない。高速道路を走りながら「ギター担いで大阪の街をチャリで漕ぎ漕ぎするんやな~ワクワク」なんて考えていると、降りるとこを2つも飛ばしていた。どれだけ楽しみなんだって感じ。

車にはシュレッダー、布団、洗濯機、電子レンジ、ホワイトボードだけ載せている。あまりパンパンに載せると後ろも見えないし、第1弾はこれだけでいいかと思ったが、ミニマリストみたいだとニヤニヤしてしまう。むしろ物は少ない方が自堕落な生活をしなくて済むかもしれない。よく人から言われるが、甘い考え方なのかな。そんなことないよね。

後ろはかろうじて見える

不動屋さんに物件見せてもらった時以来の引越し先、鍵をもらって1人で開ける。あぁ、1人だ。部屋の中はなんだろうか、排気ガスの匂いというか、床の匂いというか、つんとくる感じで良くはない。たまらずベランダの扉を開けるととてもいい景色。周りの建物は引っ越し先より背が低いし、部屋は3階で見晴らしが良い、風も爽やかだ。すきです、こういうの。窓全開で過ごすの決定。

近頃は気温も下がりつつあって「冷房もつけないでいいな~」と思っていたけど、洗濯機を3階まで持ってあがるとガンガンに当たりたい気持ちになった。汗だくだく。服を3枚も着替えてしまい、洗濯機をセットするのが急務となり給水ホースと排水ホースを繋いで回せるようにした。引っ越しの時はちまちましたことを一気にやるのが正解。ここでちまちまズをやらないと1年後もやっていないかもしれないと思い、やることをホワイトボードに書き綴るが、本当に細かいことまで書いて真っ黒になった。真っ黒にしないといけない気持ちが物体として表れているような気もする。1人の時間が徐々に気持ちを不安にさせているんだね、この先やっていけるのだろうか。

お腹も減って外に出てみる。家は大通りから外れた枝のような道を通るからよく迷いそうだ。マップを開きながら歩く。マップにはホームセンターや、喫茶店、某ショッピングセンター、でかい公園等が映っており、冒険心を煽る。後日行ってみるか~と思いながら一直線に向かったのは、白子ポン酢が美味しいくら寿司だ。20:30だというのに溢れかえる人で驚いた。予約もしていないのに大丈夫か不安になったが、即カウンターに滑り込めた。この人の多さ、大阪だね。とりあえず白子ポン酢4つ、自分のペースで頼んだ。街にペースを乱されずに強く生きるよオレは。

帰り道は本当に心がグラグラした。この街で生きる強みがぼやけて見えるから、この街で生きる意味を唱えながら歩く。引っ越し初めはワクワクと不安のドッグファイトだ。



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