しっかりと朝

 yonigeコピバン練習を終えたが不完全燃焼だったためにそのままスタジオへ。さよならプリズナーと溶けた夏を詰め込む。まぁまぁ良しまでいけたから好きな曲をやろうか。こんな時のために「ドラム叩きたいやつリスト」というプレイリストを作っていたのだ。我ながら準備が良い。

 1時間ほど好きな曲をバカスカ叩いていると、カネコアヤノの新曲「予感」が流れてきた。
「!!!!!予感!!!!はぁ!叩くしかない!」 
と始めた予感の練習。ばっかほど楽しい。けど音源がないからクリックを鳴らしながら頭で曲を鳴らす。暗記力が乏しくて全然できない。悔しい。1時間で切り上げる予定が延長に延長を重ねて3時間半にもなってしまった。満足してはない。リベンジに燃えている。

 深夜3時。缶のコーラを飲みながらすっからかんの道をスイスイ進んでいく。なんだろうか、急に寂しくなった。理由が全くわからないが寂しくてどうしようもない。これは酔った時にラインを飛ばしまくる、みたいなヤツだ。最近全然なかったけど、いきなりきた。こんな時みんなどうしているのだろうか。僕にはさっぱりわからない。

 寂しさはどこから生まれてくるのだろうか。理由が分かれば多少マシにはなるんだろうな。とぽちぽちネットで検索。調べた中で1番しっくりきたのは
「群れから離れた個体がまた群れに戻れるように備わった性質、もしくは離れないようにするための性質」
というものだ。たしかに。集団から孤立した者は狙われて捕食されかねない。でっち上げられた論文か、よく分からない人が言い始めたことかわからないけれど、理由が分かったようでなんか安心した。

 「友達なんていらないよ。1人で生きていけるようになんでもできるようにならなきゃ。」
と思い始めてから頑張ってきた自分にとって、この感情はまるでナイフのように突き刺さって悲鳴をあげさせてくる。今はもう思っていない。思えなくさせてくれた友人達に感謝している。が、今は友達も遥か遠くだ。
寂しさは加速していく。

 どうにもならない状況だ。寂しい寂しいと嘆く夜の時間は無駄でしかない。過剰な反応を起こす感情は取り外し可能になってくれてたらよかったのにな。「やばい!」ってなったらスパッて外して万事解決。元に戻ったら付け直し。完璧じゃん。

 ふと「会いたい友達がいるって幸せじゃん…?」と思った。寂しいことが幸せとは言葉にバグが生まれたかのようだが、本当にその通りだ。僕は幸せ者である。なんとか寂しさから抜け出せそうだ。車から出ると通勤ラッシュで道が混んでいた。しっかりと朝。



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