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ZINEの制作日記 Vol.6 #入稿そして発売

これはわたしがnoteに書いていた文章をまとめて、ZINEをつくるまでの記録である。


ついに入稿

着想から約半年、ようやく入稿にたどり着きました。……長かった。

当初の入稿予定から3ヶ月ほど遅れてのフィニッシュ。

大学生のときにも何冊かつくったことがあったけど、やっぱり雑誌をつくるのは想像以上に時間がかかりました。もうこれで最後にしようと思ったくらいです、大変すぎて。

なにが大変だったのか。振り返ってみると色々あるけど、一番は妥協をする決意をするのが大変でした。

妥協と最適の境目

今回、わたしにはやってみたいことがありました。一つ目は「紙にこだわること」、二つ目は「ミシン綴じをすること」、そして最後は「リソグラフで刷ること」でした。

まず、誌面の紙を選んでみたいと思っていました。安くて早いネット印刷は安くて早いので、紙の種類は選べないところが多い。それはそれでいいのだけど、せっかく自費でつくるのならば、文章のテイストに合う紙にしてみたいという野望がありました。

冊子の綴じ方も、布をミシンで縫ったように、糸で綴じてみたいと思っていました。ここ半年くらいで、知り合いの方がつくるZINEがそうやって綴じられているのを見てました。当然のように「やりたいことリスト」に追加。

すると、なんていうことでしょう。印刷の仕方にもこだわりたいと思うようになりました。「リソグラフ」という、版画のように一色ずつ色をかさねていく手法で刷りたいと考えました。そのほうがずっと風合いのある冊子になります。

これらすべては、学生時代にできなかったことでした。そのときは、誌面をつくるだけが正義でした。今からつくるのであれば、大学生だった自分を超えたいと、そう鼻息荒くスタートしたのです。

結果的に紙とミシン綴じは達成できて、リソグラフは諦めました。けれど正直、これでよかったと思ってます。

リソグラフは、版画のような印刷方法。色ごとに入稿データをつくる必要があります。たとえば見開き1ページで3色使えば、3枚のデータをつくらなければいけない。今回の冊子は、見開き14ページなので42枚。時間にすると、おそらく2~3時間はかかります。リソグラフを諦めれば、入稿データはおそらく15分ほどでつくることができます。

「完成度」と「とりあえず形にすること」を天秤にかけて、決めた結果でした。形にしなければ、ここまで考えてきた時間までもなかったことにされてしまう。それは避けたかったのです。

形にするということ

そんな葛藤を経て、ようやくZINEが完成しました。

販売は4月の終わりにはじめて、すでに在庫の3分の1がなくなりました。本当にありがたいことです。

こないだ北海道の右上のほうにある北見(きたみ)に行ったのですが、初対面にも関わらず、カフェのオーナーが購入してくれました。冊子にしなかったら生まれなかった交流だと思うと、やっぱり形にしてよかったのだと思います。

そして最後に、この話題にも触れなければいけません。このZINEをつくることをここで宣言した半年前、まだ北海道に越してきたばかりで、友達が全然いませんでした。だからずっと続けていたnoteを利用して、冊子をつくり、これを介して友達づくりをしようと企んでいたのです。結局、友達ができたのかどうかでいうと、たぶんできたと思います。現物を介してというよりも、完成していなかったとしても「つくっていることを話題にできる」という意味で友達づくりに役に立ってくれました。これをきっかけにできたのかはとても曖昧でわからないけど、今住んでいる札幌以外にも友達と呼べる人ができました。

そんな成功体験もあるので、きっとまたZINEをつくりはじめてしまうのだろうなと思います。そのときには、どうか温かい目で応援してくださると幸いです。

ここまで「ZINEの制作日記」にお付き合いいただき、本当にありがとうございました!

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