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パートナーシップでSDGs=「夢」を達成しよう!!

前田拓生(第26期・高崎市・高崎商科大学教授/同大地域連携センター長)

利根沼田夢大学が制作したまち映画「ユメシズ(監督:藤橋誠氏)」は2021年3月14日に初上映された。この映画は主人公の女子中学生が「夢」に疑問を持ちつつ、「夢」に迷い、「夢」に立ち向かう姿を、利根沼田の水の流れとともに表現した作品である。

私は本映画のSDGs監修として関与した。しかし、本映画の中にはSDGsカラーホイールも映ってないし、「SDGs」というセリフもない。これは当初から狙っていたことで、「SDGsが溶け込んでいる日常」を理解して欲しかったからである。これは映画でしかできないSDGs活動であり、少なくともまち映画では初めての試みである。

本映画の内容に関しては、是非、ご覧いただきたいので、ここではこれ以上のネタバレはしない。本論では本映画に溶け込ませたSDGsについて少し述べておきたい。

ところで、SDGsは「17のゴールがある」として認知されている。実際に17のゴールがあるわけだが、本当は16のゴールとゴールを達成するためのやり方と考えるべきである。最後のやり方部分が17番目の「パートナーシップでゴールを達成しよう」であり、「ゴールを達成しよう」と言っているのだから、ゴールではない。つまり、ゴールを達成するために「パートナーシップを活用しよう」ということである。また、16のゴールは深いところでお互いが関連しあっており、あるゴールが達成又は改善した場合、別のゴールも達成に向けて変化するように作成されている。

このことから、世界の人々がそれぞれ自らの意思に基づいて、いずれかのゴールに向けて活動を行えば、他のゴールに取り組んでいる誰かと連携することになり、別のゴールの達成に向けての活動を支援することになる。これがパートナーシップ。ここで問題は「世界の人々」の中に「自分」がいることを忘れないことである。「だれ一人取り残さない」は裏を返せば、全員が「自分事(他人事の反対)」として活動することである。

さて、「では、あなたはどのゴールを目指す?」って言われても、なかなか「自分事」にはならない。そこでSDGsを「夢」に置き換えてみたらどうだろう?夢は「自分事」になりやすい。その夢を実現するために「今何をすべきか」。これがSDGsのバックキャスティングと言われる考え方である。

本映画は女子中学生が「夢」について深く考え、様々な人々との交わりの中で(少しだけ)成長していくストーリーである。本映画を観ることで、本映画の主人公と同じように、多くの人々がそれぞれ自分事としてSDGsの中のいずれかの「夢(ゴール)」を抱き、個々に「夢」に向かって活動する中で、様々にコラボレーションしていくことを願っている。


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