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小さい満月

 数日前の小さな小さな満月。ウルフムーンというらしいですね。オオカミが吠えやすいのでしょうか。我が家のリビングの窓からもしっかり見えました。とても小さかったけど光は力強かった。。。思わず「ちっちゃ」と叫んでしまいました。

 月明かりに照らし出される景色は太陽のもとの景色とは違い、どこか切なさをも感じてしまいます。現代の夜は、よほどのところでない限り、何かしらの灯りに包まれていますよね。隣のマンション、向かいの公園の灯り、街灯、信号、車のライトなどなどたくさんの灯りに包まれて生活しています。月のない夜でもなんとなく明るいのが現代のような気がします。

 キャンプなどで山間部に行ったときは、周りに明かりがないので、月がなく曇っている日は、本当に真っ暗闇に包まれまれてしまいます。それを嫌って、ランタンの光や焚き火で明かりをつけます。真っ暗闇は恐怖すら感じるからなのでしょうか。そんなとき、空から月の薄明かりが差すとなぜか心は安らぎと安心を感じていました。

 現代の普段の生活においては太陽ほど重宝されることがない月。観賞用としての役割はあるのかもしれないけれど、我々が生きていくための役割は、間接的な潮の満ち引きはあるにしても、直接的な灯りの役割は忘れられているのかもしれないと感じました。

 明るく懸命に輝き昇っていく小さな満月を見上げていると、一抹の寂しさを感じてしまいました。


#満月 #ウルフムーン #月の役割 #街明かり #エッセイ

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