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同僚たちとのキャンプ

30代の頃、結構なキャンプ・ブームが訪れた。そういえば、今もキャンプ・ブームが再来しているようだ。シュラフを使ってテントの中で寝ることやタープの中から星空を見ながらお酒を飲んだりすることがたまらなく楽しかった。
今思えば、現実逃避できる世界がキャンプだったと思う。
最初の頃は7-8人の仲間でで実施していた。

神奈川や東京に住んでいた頃なので、場所は、伊豆、千葉、銚子あたりが多かった。特に伊豆にはよく行った記憶がある。


食材の仕入れ

我々が実施していたキャンプは、「食べ物をケチらない」キャンプだった。
キャンプ場に入る途中のスーパーで食材を仕入れるところから始まる。
この時、魚は調達しない。なぜなら、釣りをするからだ。

肉と野菜中心に仕入れるのだが、寄ったスーパーで最も高い肉や調味料を仕入れBBQに備えていた。この時の肉はシュラスコにできるような塊も仕入れる。
もちろん、ビール、日本酒、焼酎も仕入れる。

仕入れにかかるコストはもちろん頭割り。つまりワリカンである。キャンプ場の値段はすごく安いので、料理の材料代と釣りの費用が大半を占める。
何処かの旅館に泊まった方が安いくらいだった。しかし、みんなで共有する時間は変え難いものであり、いい経験だったと思っている。


船釣り

我々のキャンプはほとんど海釣りとペアである。従って、港から車で30分程度の距離のキャンプ場を探すことになる。しかし、海沿いには数多くのキャンプ場があるので困ることはない。釣りで魚を仕入れてキャンプ場に入るのである。

船釣りといっても素人集団なので、アジを釣ることが多い。まれにカワハギということもあった。個人的にはカワハギの方が好きだったが、釣り経験がないメンバーが多い時はアジ狙いが多かった。仕方ないことである。カワハギは釣るのがちょっと難しいしアジは食材としても使い勝手がいい。

事前に予約をするので、船を一隻、半日チャーターすることになり、素人だけの集まりでも我々だけなので遠慮なく釣りを楽しめる。西伊豆に行った時は、それまでに乗ったこともないような大きな漁船で釣りを楽しんだことがあった。同じアジ狙いだったのだが、大きさは倍以上で30cmくらいあったように記憶している。これもまた醍醐味である。アジ狙いでチャーターして釣りに出るので、坊主(全く釣れないこと)にはならない。どちらかといえば釣れすぎて困るくらいだ。


テント設営

キャンプ場に着いたら、テントを設営することになるのだが、経験者は私を含めていつも2人くらいしかいない。よって、我々がテント設営を担当することになる。まずはタープを設置して荷物置き場を確保する。その後寝る場所となるテントを設営する。タープは、急な雨の時でも安心して食事を楽しむことができるのでとても便利だ。テントの中は汚したくないので、寝る時までは使わない。

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我々がテントを作っている間に、他のメンバーは、タープの中に食材や機材を運び入れて、テーブルを設置したりBBQコンロを設置したりする。
夜の明かりとなるランタンは、ホワイトガソリンを使うタイプなので、テント設営後我々が火を入れる。たいていは、蚊除けも考慮するので複数のランタンを設置していた。

結構忙しい。


夕食

キャンプのメインとなる夕食の準備だ。まずは、釣った魚を捌く必要がある。これも2人しかできない。よって、100尾近くあろうかというアジを2人で捌くのだ。もちろん、こんなに食べることはできない。刺身、タタキ、塩焼きくらいが定番のメニューなので、4,5尾/人程度が適量である。それ以外は、開いて干物にするのである。それも、風ぼしと呼ばれるやり方で、一晩風にさらしておく。すると、次の日は程よい柔らかさの干物に変身しているのである。
もちろん朝食で食べるし、余ったら持って帰る。

シュラスコも時間がかかるので、早くから焼き始める。同時に、BBQ用の肉、野菜を他のメンバーが準備し、BBQソースとして、醤油、酒、玉ねぎを下ろしたもの、わさびを少々入れて作る。後は何を混ぜたか覚えてはいない。。。
ご飯のかわりに焼きそばにする時が多かった。ご飯は時間がかかる。
その時、焼きそばを作るときは水の代わりにビールで仕上げた。なかなかうまい。

なんだかんだで夕食は食べ始めるまでに3時間くらいかかるので、その間でビールを飲んでしまう。食事の頃はすでにほろ酔い。これもまたいい。


焚き火とアルコールの時間

ひとしきり慌ただしい夕食を済ませると大体20:00を回っている。その辺りから、焚き火の火と夜空の星を見ながら、最終アルコールタイムが始まる。
大抵のキャンプ場は直火での焚き火は禁止なので、焚き火用のガジェットを持っていく必要がある。しかし、これはこれでいいのである。
薪をくべながらゆらゆらと揺れる炎はなんともいえず魅力的である。
そして、見上げる夜空の星、これまた最高である。
時として雨に見舞われることがあるが、雨の音もいいBGMに変わってしまう。

そうしているとアルコールはどんどん進んでしまうので、切り上げる勇気が必要になる。我々のオーダーストップは大体23:00だ。至福の時間の終わりである。

あまり多く語らなくても友の顔を見ながら飲む酒は美味い!
こうして、キャンプ場の夜は更けていく。。。


撤収

一夜が明け、朝食である。朝食は、簡単に済ませることが多い。作っておいた干物を味わうと共に、メインは、パンとサラダ、目玉焼き、ベーコンとウィンナーそしてパーコレーターで入れたちょっとコーヒーの油が混じったコーヒーである。紙のドリップで淹れたコーヒーとはちょっと違う味わい。これもいい。

さぁ、朝食を摂ったあとは、キャンプ場での最後の仕事である。全てを元通りにして撤収である。シュラフをたたみ、テントの外に出し、テントをたたむ。その後タープをたたむ。近くに川がある場合は、川でタープを水洗いすることもある。
そう、これも2人で担当。他のメンバーは食器洗い、ゴミ捨てを担当する。
残ったアルコールや調味料、食材は欲しい人が持って帰る。
次のキャンプ用に保存することはしない。

片付けた荷物を車に効率よく積み込み、現実の世界に戻っていく。

さぁ、明日からまたコンピューターとお客様を相手の仕事に戻ろう。
次のキャンプを目指して。

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