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Q2の思い出

 みゆさんの読書感想文の中に、「日本初のヌードショー」の箇所にQ2ダイヤルの話が載っていました。みゆさんの記事は極めて真面目な昭和の10大事件を取り上げて書かれているのですが、その中にちらっと登場したQ2という単語に反応してしまいました(笑
 本来のみゆさんの記事は下記リンクを参照してください。そんなことあったねと思い出させてくれます。

 読んでいて、そういえば、私の友人もQ2に引っかかっていたことがあったなと思い出し、そのエピソードを紹介したいと思います。

 思い起こすことほぼ20年くらい前、まだ東京勤務時代だったように記憶しています。たまに田舎に帰ると連絡をする友人がいるのですが、その友人から「相談したいことがある」と事前に連絡メールが入っていました。なので、帰省した時に友人宅に出向き、話を聞きに行ったわけです。


【背景】 まず最初に当時のインターネットの状況を説明しておきます。現在のようにブロードバンドはまだ普及していない時代で、電話回線を使った接続が一般的だった頃、電話回線に接続されたモデムといわれる機器にPCを接続し、PCから電話をかける要領でインターネットに接続していた時代でした。当然、今よりも回線速度は遅いし電話料金がかかっていました。のちに定額制サービスも登場するのですが、友人が使っていたのは通常のダイヤルアップと言われる方法でした。


「実は、ここ数ヶ月間電話代の請求がすごいんだよね。メールを見てるくらいなんだけど毎月3万円以上の請求が来ていてびっくりしてるんだよね」

 私は、「ははぁ、きっとHサイトにアクセスして法外な電話料金を取られているな」と直感しました。その時、奥様もそこにいましたが、ストレートに質問してみました。(そんな間柄だったからできたことですけどね)

「もしかして、Hサイトにアクセスした?」
「えっ、あっ、でも一回見ただけ。その後は見てない」横で奥様の怖い顔。
「その時さ、何かクリックしなかった?」
「えーっと、そういえばメールがどうのこうのっていう画面が出たような気がする。クリックしたけど何も起こらなかったから放っておいた」
「なるほど。ほぼ間違いなく、メールを確認しようとした時に電話番号を変更してかけるようにされたんだと思うよ。つまり一回Q2ダイヤルで有料課金されるところにダイヤルさせて何食わぬ顔でいつも見ているメールを開くようにされているんだと思う」
「いやっ、言われてることがわからないんだけど。。。」
「要するに、電話代と合わせて請求することができるQ2ダイヤルというのがあるから、一旦そこに電話をかけるように細工されてしまったったてことだよ」
「えー、じゃあ、メール見るだけで毎月何万も払っていたということ?」
「そうなるね。御愁傷様」
「治せるかな?」
「ちょっと見てみるよ」

 そう言って、友人のPCを借りてインストールされたアプリとモデムの設定などを確認して行きましたた。するとBINGOでした。画面の片隅に何やら怪しげなアイコンが一つありました。モデムに対する要求が入ると起動するようになっていて、電話番号を差し替えてダイヤルする仕組みが入っていました。一応、友人にも説明してアプリを削除し、リブートした後再度メールを受信するためにアプリを起動して問題が解決されたことを確認しました。友人は、「これで電話代が普通に戻る」と喜んでいましたが、すでに支払った3、4ヶ月分は取り返せそうにありません。高い勉強代ですが仕方ないねと言って慰めました。

 PCに対してほとんど知識のない友人でしたが、今ではスマホを操っています。乗っ取られないか心配ではありますが、行きすぎるお節介はしないことにして見守っています(笑

 裏側で起こっていることを知らなくても便利に使えるIT機器ですが、落とし穴も結構ありますので皆さんも注意してください。今は、電話番号を乗っ取られてしまう時代です。ご注意ください。


#Q2ダイヤル #昔のインターネット接続 #記憶

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