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ライブハウスと著作権 その3

相変わらずのスロー更新、申し訳ございません。
前回、ライブハウスからの徴収・支払い方法などをご説明しました。

今回はその分配。最終的に著作者に支払われているかというお話です

以前よく言われていたのが、「包括契約で徴収した使用料が正確に著作者に分配(支払い)されているのか?」というものです。
極端な表現になりますが、包括契約に於いては「毎月の定額使用料を払えば、JASRACの管理楽曲は使い放題。楽曲の利用報告はしなくても咎められない。」つまりどの会場でどんな楽曲が演奏されたかはわからず使用料という名目のお金だけが入ってくる。

これだけを見ると、徴収した使用料をどうやって正確に分配するのか?という疑問が出ますね。以前は「モニター店」なるものがあり、そこからのデータを基に分配しているという話もありましたが、そのやり方も現在は廃止されています。

そこで、前回お話しした楽曲利用報告。これを全公演行えばどうなるのでしょう。私見にはなりますが、こうやって日々のライブにおける利用報告を行うことで著作者にはちゃんと分配がされていると思っています。

いや、思っているではなく、そう実感するというほうが正しいですね。

さすがに外国曲の使用料が正確に支払われているかは確認のしようがありません。Stevie WonderやJeff Beck、Paul McCartneyに聞くわけにはいきませんが。。

ただ毎月のように音楽室DXに出演し、本人のオリジナル曲を演奏・歌唱しているミュージシャンの方々に伺い、曲順表と照らし合わせてみると楽曲報告に基づいて支払われていると実感するのです。
ひとつ例を挙げると、とあるミュージシャンの方は昨年の5月ごろから音楽室DXに毎月出演していただくようになりました。以前は年に1~2回出ていただく程度だったのですが、毎月出ていただく際に必ず演奏するご本人のオリジナル曲のJASRACからの著作権使用料がこの数か月で5倍になったそうです。

当然と言えば当然のお話です。
ライブハウスはJASRACと契約し、月々の楽曲利用料を支払う。
          ↓
ライブハウスはJASRACに日々の楽曲利用報告を行う。
          ↓
JASRACはそのデータを基に著作者に使用料を分配(支払い)をする。

これが揃っていれば分配は行われます。
そしてその元となるのはお客様が払って下さるチケット代、ミュージックチャージ、配信の視聴料や投げ銭からになるのです。

カバー曲などの演奏を収入にするミュージシャンもいれば、作詞・作曲を収入源にするミュージシャンや著作者もいます。そういった楽曲の使用料が支払われることで音楽業界は成立しているとも言えます。
なんとなくおわかりいただけましたでしょうか?

では次回は、この1年で身近になった「配信ライブ」での権利のお話になります。


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