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AC充電器とUSBケーブルと消えゆく猫 その2

前回のおさらいですが
要するに立て続けにスマホが2台ダメになったんです。

そして物語のキモですが
スマホはダメになったけれども
充電器とUSB-TypeCケーブルは使い続けていくんです。

さてお気にのスマホも動かなくなってしまって
どうしたかというと
お蔵入りしていたNokiaのスマホにsimを挿して使う、
というところに立ち戻りました。

当時は欲しい端末も見当たらず
焦ってお金をかけることもない、
とりあえず電話さえつながればいい、
と考えていました。

実際特に不自由なこともなく
その後の数か月を過ごします。
特に幸せでもないけど不幸でもない日常が過ぎていきました。

でもね、これで終わりませんでした。

断っておくと自分はこのNokia端末も
すごく気に入ってました。
時流には乗れなかったけどオリジナリティがあったし
カメラが好きでした。
ロック画面には、別れたカミさんに親権をとられましたが
可愛がっていた猫の画像を設定していました。
可愛いんですよね。

季節は流れて夏が終わり秋になろうというころ
住んでいる地区の地域作業がありました。

これは年に2回ほどあるのですが
地域住民で道路の掃除をしたり
草刈りをしたりするアレです。

その時は草刈りをやることになっており
僕もビーバーを手に参加していました。

朝から滞りなく作業が進み
最初こそまとまっていた人たちもバラバラになって
気づけば一人でビーバーを振り回していました。

2時間くらいたったでしょうか。
そろそろお開きになってもいいころだよなぁ、
そう思って僕は時間を確認しようと
ツナギの胸ポケットに入れていたNokiaを取り出そうとしました。

その時!次の悲劇が起こりました。
しっかりと掴まずに取り出されたスマホは
あえなく手から滑り落ちて道路のアスファルトに落ちていきました。

あ…終わった……

スマホが着地する前から結果が見えてました。

Nokiaはものの見事にその液晶画面を砕かれてしまいました。
もうバッキバキです。

僕のかわいい猫ちゃんがヒビだらけになっていました。
画面こそなんとか映し出されていたものの
タッチスクリーンも物理ボタンも
何の操作も受け付けなくなってしまいました。

バッテリーを取り外せるタイプでもなかったので
強制的に電源を切ることもできず
僕はただ傷だらけになった愛猫を
眺めていることしかできませんでした。

そんなこんなで失意のうちに一日を終え
枕を涙で濡らしながらもいつの間にか寝てしまいました。

…どのくらい寝たでしょう。
スマホのアラームで目を覚ましました。
えっ…と慌ててNokiaを見ると
律儀にも設定時刻に起こしてくれてます。

もういい、もういいんだよ
そう思いアラームを止めようとしますが
タッチもボタンも何の操作も受け付けません。
電源も切れません。

あぁどうすれば。。
ほんの一瞬考えようとしたとき
画面が右下の方から暗くなっていることに気が付きました。

ゆっくりゆっくり。
でも確実に。

僕の猫ちゃんは遠くの暗い世界へ連れていかれしまいます。
(もちろん本物のネコは元ヨメのところで元気です)

あぁ待って!

僕の願いは届かず、か細くなるアラーム音とともに
僕のネコちゃんは消えてしまいました。
それっきりNokiaも死んでしまいました。

※逝ってしまったのはこの端末ではありません

一連の不具合の中でも
Nokiaを失ったことが一番ショックでした。
僕は自分を責めましたし運命を呪いました。

ですが立ち止まってばかりもいられません。

あまり時を空けずに適当なスマホを見繕って
社会生活に支障のないように手当てしました。
こころの傷はなかなか癒えなかったけど。

続けざまに3台のスマホをダメにしたわけですが
ASUSの充電器と2番目に壊れたスマホについていた
USB-TypeCケーブルは引き続き使っていました。

悲劇から2年が経ちました。
そして最近、僕は気づいてしまいました。

まず、ASUSの充電器、通電しないことが
時々、というかしばしばあるよね。

たまたま、その充電器につないだUSBライトが点灯せず
何度か試すうちに確信に変わりました。

この充電器アカんやん…

さらに気づいてしまいます。
2番目に逝ったスマホについていたケーブル
PCに挿すと、そのPCに先に挿してあった
USBメモリが見えなくなる…
USBコントローラ殺してない??

このケーブルもアカんやないかい!

僕はIT業界で何年か働いていたこともあって
普通の人よりはPCやデジタルデバイスには詳しいと思っています。
充電器やUSBケーブルの中にはヤバいものもあって
ちゃんと規格を満たした信頼できるメーカーや
ベンダーのものを使わないと
思わぬ障害に直面する可能性があるよ

っと、周りの人たちにも常日頃から言っていたのに
この口が…

それに気が付いたときは自分の未熟さを恥じるとともに
ちょっと信頼を裏切られたような勝手な気持ちになってました。

でもね時間も経ってる製品のだし
僕の取り扱いが悪くて不具合を起こしていたのかもしれないしね。

そこはまぁいいんです。

そしてこの充電器とケーブルは当然使わないようになりました。

さて、

先日、久しぶりに壊れたスマホたちを眺める機会がありました。
2番目に壊れたスマホを手に取って眺めているうち
モヤモヤと疑念の気持ちが沸き起こってきました。

これ、壊れてないんちゃう?

すぐにまともな充電器にまともなケーブルを繋いで
そのスマホを接続したところ
充電アイコンが表示されるじゃないですか!

ここまで来ればもうお決まりですね。
電源ボタンを押したところ
はい、何事もなく起動します。

画面の一部がひび割れてますが
この子は問題なく使えることがわかりました。

あぁ

もっともっとはやく気づいていれば
こんなたくさんの犠牲を出さずに済んだのに。

というわけで
まったくつまらない結末に着地です。

しいていえば
USBケーブルと充電器(だけじゃないけど)は
ちゃんと選びましょうね。
ときどきチェックしましょうね。
ということですね。

そんなわけで今、手元にスマホが1台余ってます。
まぁまた落とすかもしれないんで、
このご時世ですし予備は必要ですかね。

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