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「球速差がないカーブは効果的ではない」は本当なのか?

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西武・宮川哲の自己分析「カーブが速いから打たれやすい」

 6月8日、西武・宮川哲が中日戦に先発した。前回登板時、キャリア初の先発で5イニングを投げ1失点と好投を見せた宮川だったが、この日は5イニング9安打6失点と打ち込まれ、翌日登録抹消となっている。

 上記の記事によると、宮川は今回打ち込まれた原因を以下のように分析しているようだ。

“結局、僕は変化球も全て速いので、打者にとってはタイミングを合わせやすく、真っすぐを待っていたとしても、反応でパーンと弾かれてしまうのかもしれない”

https://full-count.jp/2023/06/09/post1393130/

 確かに宮川のカーブは高速だ。球速は130km/h前後。パワーカーブとも呼ばれる。今回の結果について松井稼頭央監督も「狙われたとしても、テツ(宮川)のカーブは“特殊球”ですから、簡単には打たれない。ただ、今日は真っすぐもカーブも、全体的に高かったのかなと思います」と、カーブについて言及をしている。

 宮川のカーブは本当にそのスピードゆえに問題を抱えているのだろうか?今回は宮川を通して、カーブの現在を考えてみたい。

宮川のカーブはどれほど打たれているのか?

 実際、宮川のカーブはどの程度の効果を挙げているのか、確認してみよう。確認するのはPitch Valueからだ。Pitch Valueとは、その投球によって平均的な投球に比べどれだけ失点を防いだか。例えばストライクやアウトを獲得すれば失点を防いだと判断され上昇し、ボールや安打を記録すれば、失点に近づくため下落する。

 宮川のカーブのPitch Valueを見ると、2022年まで平均前後だったが、今季は-3.1。開幕からまだ半分も経過していない段階で大きな損失を記録している。カーブがボールとカウントされたり、安打にされたりすることが多いということだ。

 実際、被安打は多いようだ。宮川の球種別被打率を見ると、今季のカーブはなんと.545。宮川がカーブに原因を求めたくなるのもわかるほどの打たれようだ。ただこれだけ打たれているのは今季だけ。過去3年は.250以下と、安打を抑えることに成功していることがわかる。

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