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なぜレッドソックスは速球を投げなくなったのか

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投球の基本は速球。そんなイメージを強く持つ読者は多いだろう。だが、今季のMLBにはそんな「野球の常識」を根底から覆すようなチームがある。ボストン・レッドソックスだ。レッドソックスは今季、速球の割合を大きく減らすことによってチームの投手成績を大幅に改善することに成功した。

ではレッドソックスはどのような根拠をもとに速球を減らすという選択をとったのだろうか。今回はDELTAアナリストの宮下博志に、速球を巡る新たなトレンドについてインタビューした。

速球を減らすアプローチで劇的な改善を示したレッドソックス投手陣

ー先日、今季のレッドソックスが速球を投げる割合を大きく減らしているという記事を目にしました。具体的にはどの程度減らしているのでしょうか。

宮下:MLBのデータサイト「Baseball Savant」によれば、今季のレッドソックスは速球(4シーム+2シーム)の投球割合がわずか34.8%で、昨季の47.7%と比べて10%以上減少しました。今季のリーグ平均は47.3%ですから、いかに今季のレッドソックスが速球を投げていないかがわかります。

MLBにおけるチーム別速球(4シーム+2シーム)の投球割合(2024年)
レッドソックス 34.8%
レイズ 40.8%
ツインズ 41.7%
オリオールズ 43.4%
レンジャーズ 43.6%
リーグ平均 47.2%
※Baseball Savantより引用。データは7月13日時点

ーこの戦略はどの程度投手成績を向上させているのでしょうか。

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