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安易に2シームを覚えてはいけない


オフに多く見られる2シーム習得報道。今オフもG井上やC島内が習得へ

2023年シーズンもオフに入ったことで、各選手翌シーズンに向けての準備に関する報道もよく聞かれるようになってきた。この時期、投手については翌シーズンに向けて新球種を習得する報道も数多く見られる。公式戦が続くシーズン中には試せないことでも、このタイミングなら試せるということだろう。

DELTAでもオフには毎年各投手の新球種習得情報をまとめた新球種トラッカーという企画を行っている。誰がどのような球種を習得しているか、このページを見れば一覧することができる。

こうしたニュースで特によく見られるのが、2シームやシュート習得の報道である。先発挑戦となると球数を抑える必要がある。そのためにゴロを打たせてアウトをとりやすい2シームやシュートを身につける、といった具合である。新球種を習得することで相手も狙い球を絞りにくくなるだろう。

実際、このオフも2シームやシュートを習得する試みは多く見られている。例えば読売の投手のトッププロスペクトである井上温大は先日のフェニックスリーグから打者の手元で沈む130キロ台後半の2シームを試投したという。投球の幅を広げ、ゴロアウトや空振りを取ることが狙いのようだ。

ほかにも広島の救援・島内颯太郎も、このオフは速い2シームの習得を目指すという。ストレートとチェンジアップの2球種での投球に限界を感じているようだ。島内の4シームは空振り奪取能力が極めて高いことから、おそらく縦変化量が大きいホップするようなストレートを投げていることが推測される。これに加え大きく沈む2シームを習得できれば、打者にとって極めて大きな脅威となるだろう。

2シーム、シュートが向いていない投手もいる

ただセイバーメトリクスの分析によると、実はこうした2シームやシュートの習得が裏目に出る場合もあるようだ。

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