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これからの投球指導現場で再注目の指標を解説。Stuff+、Pitch Gradeとは何なのか?

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近年の野球界ではトラッキングデータを用いた選手の評価や指導が浸透しつつある。プロレベルではもちろんのこと、アマチュアでも回転数や打球速度などを測定できる機器を用いて選手を評価・指導するチームは年々増加。MLBはもちろんNPBでも選手の評価に際してトラッキングデータを参考にする事例は多くなってきている。

近年ではこれらのトラッキングデータを元にして投手の質を測ろうとする取り組みが進められてきた。そして現在そのトレンドの中心にいる指標が「Stuff+」だ。2023年のWBCにおいて、今永昇太のストレートが日本人投手の中で最も優れたStuff+を記録したという投稿が拡散されたことがあった。これを見てStuff+の存在を知ったというファンも少なくないだろう。

ただ、このStuff+がどのようなものか、どのように扱うべきかを理解できている人は少ないのではないだろうか。この指標は今後野球指導の現場で極めて重要になるものだ。今回はStuff+をはじめとした投球の質を表す指標について、何を表しているのか、どのように使えばよいのかを解説していきたい。

「球威」をあらわす指標。Stuff+とは一体何か

まずはStuff+とは何かについて説明していこう。Stuff+とは、単純に言えばボールの球威を数値化したものだ。これまで、野球においては様々な形で投球の球威を表現しようとする試みがなされてきた。わかりやすいところで言えば「球速」だ。150km/hのストレートと聞くだけで相当な球威があると感じることだろう。

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