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15歳のあなたが半分夢の中で「大きいキャベツがあって」と私に教えてくれた時、心臓がぎゅってなった。私は感情を言語化するのが苦手だからあの時の気持ちを上手く言葉にできない。「キャベツ?」って聞いたら「夢見てた」ってあなたが言った。もう何年も経つのにあなたの声のトーンまで覚えてる。あなたに大好きって言った時、人生ではじめて大好きって言葉がちゃんと機能した。寂しいとか好かれたいとかじゃなくて大好きって言いたいから大好きって言った。あなたに出会わなかったらどういう大人になってたかわからない。だからあなたが素敵だって言ってくれる私はあなたが作ったんだよ。これは前も言ったかも。

中学生だったあなたが大人になっていくのを見ていられるのが幸せだなと思う。会う度にあなたはお姉さんになっていく。写真の中でも昔はしなかった仕草や表情をする。あなたの好きな服や好きな音楽や好きな本や好きな映画やあなたの周りにいるたくさんの素敵な人が新しいあなたを作っていく。それが寂しい時もあったけど、喋り方や文章の書き方、人への自分の見せ方が変わっても本質は変わらないから安心する。あなたは15歳の頃からずっとおしゃべりで優しくて心配性でロマンチストだった。あなたの話を電話越しに聞いていると私だけのラジオみたいでいい気分になる。バックナンバーは私の頭の中にしかない。記憶をデータに出力できるならまずあなたの話を保存しておきたい。私は忘れっぽいから。

あなたは私の前では自由になれるって言ってくれるけど、私はあなたの前では優しい人になれる。私が刺々しい発言をするのは世界が怖いからだ。あなたといる時は怖くない。誰にも負けたくない気持ちや侵害されたくない気持ちをあなたといる時は忘れられる。優しくて心配性なあなたに大丈夫だよって言う時に、私も一緒に大丈夫になってるんだと思う。あなたに楽観的で居てほしいから私も楽観的で居ようと思う。あなたのいる世界が綺麗であってほしいから、私は世界を綺麗なものとして認識しようと思う。あなたを大好きでいる事で私はあなたのいる世界が大好きになる。それが嬉しい。だからあなたといると幸せだ。

愛について考える時はあなたの事を思い浮かべる。私の愛はあなたの形をしているから。あなたと居て、あなたの事で嬉しくなったり苦しくなったりしなかったら、大好きな人が私のいない所で幸せになる事を喜ぶ事はできなかった。私が作ってあげる幸せだけが本当の幸せだよって言って、躍起になって私の手元に置いておこうとしたと思う。あなたにしたくない事は大事な人にやっちゃいけない事なんだなって認識してるし、あなたにしてあげたい事やあなたにならできた事が、私に実現可能な愛の行いのすべてだと思ってる。

私はあなたがどんな選択をしてもあなたの味方でいる。あなたがどこにいても誰を愛してもあなたが好きだ。きっとあなたはこれからも色んな選択をするし、それを私に話してくれると思う。あなたの人生に存在し続けられる事が嬉しい。本当に。あなたの事を好きになってよかった。


ずっとあなたの事を天使みたいだと思っていた。はじめて会った時、頭も身体も小さくて目が大きくて髪がサラサラでほっぺが真っ赤で天使がいるならきっとあなたみたいな感じだと思った。冗談じゃなくて。
昔のあなたは毎日のように雲になりたいとか空を飛びたいとか言うから心配だったけど、あなたは天使だったから空に帰りたかったのかもしれない。相変わらずあなたは天使に見えるけど、昔よりは人間に近いから嬉しい。

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