黄皓（コウコウ）さんについて考える【バチェロレッテ】ネタバレあり

私はバチェロレッテのラスボスこと黄皓（コウコウ）さんが好きだ。相手が求めることを瞬時に察する能力、それを行動に移す俊敏さと自信、強気な態度と切れ味の鋭い毒舌でバチェロレッテを盛り上げた彼にバチェロレッテシーズン1 助演男優最優秀賞を贈りたい。きっとこれまで沢山の言葉に傷付いて、それでも辛いことや苦しかったことをバネに様々なことを克服してきた強さを彼から感じる。私はただの一視聴者であり彼に直接会ったことも話したこともないが、画面越しの彼からは強い生命力とオーラがある。彼の飽くなき好奇心を源泉とする分厚い経験は彼の言葉に深みを与えてると思う。そんな彼が隠したい繊細な心をふと覗いてしまった人が黄皓沼に落ちてしまったのだろう。

みなさんの推測通り、彼はこの企画を通じてバチェロレッテと結婚はおろか恋愛をする気などさらさらなく、いわゆる売名かバチェロレッテ参加者の深刻なリソース不足よりamazonプライムに頼み込まれての出演なのだろう。

最終話まで出演するというのが黄さん自身のKPIだったんだろうな。 #バチェロレッテ

— ずっとも (@zutto_mode) November 3, 2020

恐らく彼が好む女性のタイプは萌子さんとは真逆のようで、萌子さん個人に興味を持っていないどころか萌子さんという個と対話していないのだろう。取引先にプレゼンしてるのか？これはコンペか？という態度で生け花対決に挑み「この蕾は萌子さんの多彩な才能を示し〜、この輪は萌子さんが周りを巻き込み〜、17本の薔薇は参加者達、この選ばれた1本の薔薇は僕です。」と、器用だがありきたりな作品を作り、饒舌な自分という商品を「バチェロレッテ」に売り込むプレゼンをしていた。あれはかなり笑った、バチェロレッテの迷場面の一つである。

そんなビジネスモードから抜け出せない彼の態度が大きく変わったのは台湾の1 on 1温泉デートだ。彼の態度と口調がこのデートを機に一気に柔らかく優しくなった。萌子さんが涙ぐみながら渡したローズがよっぽど嬉しかったのだろう、クルクルックルクルックルクルックルクルッと回し、伝説の半裸インタビューでは深呼吸をして薔薇の香りを嗅ぎ、待機組の男性達には嬉しさが隠せずおちょけまくっていた。その後に散々参加者達を煽りまくり、最悪な雰囲気を作って早々と部屋に帰った黄皓さんにくっそ笑った。

その後もデートを重ねつつスタッフが求める役割をこなし、どこまでが自分を売り込むための演技と演出で、どこまで「バチェロレッテ」ではない「福田萌子」と向き合い、どれほどの熱量を持って最後のローズセレモニーに現れたかは彼以外の誰にもわからない。三ヶ月間ものバチェロレッテの旅と福田萌子を通じて、どんなことを感じてどんな経験を得たのだろうか。ファイナルローズを貰いたくないと頭で思いながら、心の片隅のある部分では福田萌子に惹かれており選ばれたいと願っていたのではないかと思うのだ。ファイナルローズセレモニー後にタキシードのジャケットを脱いでベッドで物思いに沈む彼の顔を見て、一視聴者はそう思わずにはいられなかった。この作品を通じて一皮剥けた彼が、彼の世界を羽ばたく様子を見るのが楽しみである。