ZEN問答を実践してみた【DATA Saber Bridge】

この話では、Tableauの技術と業務活用において一定の基準にあることを認める資格、DATASaberを目指す私が、その中で学んでいるZEN問答を参考にして取り組んだ業務についての実例を紹介したいと思います。
今回の事例で私が参考にしているZEN問答の精神は、『正論を伝えるだけでは伝わらない。伝統を重んじて、相手が受け入れられやすいように伝えるべき』という相手に寄り添う精神です。この精神を実践すべく頑張ってみました。
まず、私は社内のDX推進部門に所属し、社内にデータドリブン経営の文化を根付かせるというミッションを抱えています。その活動の中で、様々な部署と、実際にBIをどのように活用して取り入れるかを議論しています。
ただDXやBIに不慣れな部署であると、BIの役割を「データ取得」「データ分析」の二つの要素にのみしか分解しない前提で話し始めることが多く、私の所属する部門としては実際に意思決定し行動を起こすところまで含めて話し合えるようにということで、以下の図(図 #1,2)の#2のような絵をたたき台と示して、各要素について議論を始めるようにしています。

(図 #1,2)

実際業務の前にどうするか考えよう、ちゃんと業務に反映するよ、と口では言いながらも、分析すればそれでゴールに達成したと思われる意見も出てきており、#2の将来像をきっちりと、#1のようなイメージをしている相手に見せて意識させる活動をしてきました。

今回DATASaberに挑戦した私としては、この#2にDATASaberの知見を加えたいと考えました。入れたいのはVisual Analyticsのサイクルです。#1, #2の形式に合わせるなら以下の図の#3のような絵になるかと思います。

(図 #1,2,3)

これまで#1の考えをもっていそうな相手には、#2の将来像をぶつけてきました。浸透が全く進んでいないわけではないですが、まだまだ#2が全社的には浸透していません。そんな状態で#1の認識を持つ相手に、#3をぶつけても混乱するのは必至です。何よりもまず、英語であることで意見が統一できません。
そこで私がまず最初に考えたのは、社内の伝統的な言葉へ変換することです。それが以下の図(図#1,2,3,3a)の#3aになります。

(図 #1,2,3,3a)

英語部分を使われやすい言葉に置き換えてみました。
しかし、この#3aを既存の#2と並べて比べてみると(下図 #1,2,3a)まだ違和感/飛躍した感が残ります。

(図 #1,2,3a)

6要素は大事なことではあるのですが、#1の2要素の相手にとって、6要素への拡大はまだまだ性急ではないかと思えます。
そこで次に考えたのは4つに集約するという以下の考えです。

(図 #1,2,3,3a,4)

要素としては最後の一つが3つ(Develop insight, Act, Task)を含めるという考え方です。これで4つに抑えられ、数としての圧迫感はへりました。また、最初に戻るというサイクルの導入も理解するには早い可能性があり、かといってウォーターフォール式で要素を示すのもSaberの教えに反すると思うので、矢印を取り除くことにしたのが上記の#4になります。最後の要素の追加した『見直し』という言葉にサイクルをイメージさせることとし、今後意識合わせのディスカッションでは、この4要素を論点として行いたいと思います。並べてみたのが以下の図になります。

(図 #1,2,4)

見栄えはあまりかわらないと思いますが、まずはこのシンプルな4つを相手に意識させ、その中でVisual Analticsの全要素を入れていけばいいと考えています。

以上が私のZEN問答実践となります。そのまま伝えるのではなく、ローカライズして伝えるという相手に寄り添う気持ちをこのような流れで形にしてみました。まだ社外の前に同僚・上司に提案する段階ですが、このようにDATASaberの知識を活用しようとしています。

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