在沖海兵隊のグアム“移転”は「住民目線のないアメリカ目線のもの」

「沖縄の基地負担軽減」という名目で、日本政府が総予算のおよそ3割を負担するグアムでの軍事施設の建設。
しかし、本当に「負担軽減」につながるのか?


グアムリポート前編「在沖米海兵隊グアム移転計画のいま」
琉球放送(2023年2月2日)

沖縄国際大学 前泊博盛教授 
在沖海兵隊のグアムへの移転は「住民目線のないアメリカ目線のもの」
「住民目線はどこにもない。軍事戦略上のポイントだけが指摘されて、沖縄に住んでいる146万人のことについては全く議論の対象になっていない
「アメリカ側の戦略の変更に日本側が応分の負担を求められて支出して、新しい基地を建設した。それを負担する際の国内向けの理由は“沖縄の基地負担軽減”、沖縄からのいわゆる“リロケーション(移転)”ということで負担をさせられてしまった」

●日米の合意の見直し
2006年、日米両政府が“グアム移転”に合意。
2012年、合意が見直され「普天間基地の移設・返還」と「在沖海兵隊のグアム移転」は切り離された。

●日本の負担する”移転費用”(新基地建設費用)
総予算86憶ドルのうち、日本側は約3割の28憶ドルを負担
現在までの日本の支出総額は約3,313億円(2009年~2022年)

※グアム移転に関する日米の費用分担は、2012年の見直しで変更されたhttps://www.mod.go.jp/j/approach/zaibeigun/saco/iten_guam/pdf/jigyo_setsumei.pdf



新たな節目迎える海兵隊の移転 グアム『キャンプ・ブラズ』から見るグアムと沖縄の現在地 琉球放送(2023年2月3日)

アメリカ議会調査局が2022年8月にまとめた報告書:
グアム移転後、沖縄に残る海兵隊の数は「不明(It is not known)」と指摘

琉球大学 山本章子准教授
「新しい安全保障環境に対応するという名目で違う形の軍事力強化が進んでいて、沖縄の負担軽減という目的がかすんでしまっているのが現状」


前泊氏、山本氏が指摘するように、「基地負担の軽減」が実現するのか不明なまま、日本はグアム”移転”に税金を投入し続けている。



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