春に思う

春分の日を迎え、暦の上ではもう春だそう。
春といっても最近はポカポカ陽気というより雨雲が多くジメッとしていて、どちらかというと梅雨みたいな日が長く続いている。(おまけに寒い)

「春」というと、皆さんはどのようなことを真っ先に思い浮かべるだろうか。桜・鶯・出会いと別れ・新しい生活…。と、春ワードは実に多い。
きっと、じっくり考えればまだまだ出てくることだろう。

とりわけ春は言葉すら温かさに包まれている気がするが、私はどうもこの季節を好きになれない。元来、春という季節が苦手なのだ。
というか、春について回る「新しい環境」というものがどうしても苦手。

3月になれば、当たり前のように「別れ」がやってきて、4月になれば新しい場所や人との「出会い」が訪れる。
何度もこのライフサイクルを巡ってきてはいるけれど、親しかった人や慕っている方との「別れ」となるとかなり辛い。淋しいより、辛い。

やっとこさ淋しさを乗り越えたと思ったら、すぐに新しい生活が始まる。
今まで「当たり前」だったことが急にできなくなったりと、急すぎる変化についていけなかったことは数知れず。それでも何とか日常生活を送り、
やっと慣れたと思ったらもう季節は真夏へと変わりつつ…なんてこともよくある。

それでも、心のどこかでこの季節を好きになりたいという自分がいることをなんとなく感じていた。
確かに「新しい環境」は苦手だけれども、何も春そのものを嫌う必要はないのではないか…？
と冷静になって気づいた。
…そういえば春の花好きだし。

まずは、春を今までよりも愛せるように、明日散歩にでも行ってみようかな。
マスクをしてても春の風を感じることはできる。
綺麗なお花にも出会えるかもしれない。

今年、去年よりもこの春を好きになれたら、きっとこれからも好きでいられると思う。
自分らしく楽しめるようになるかもしれない。なんて淡い期待を寄せつつ、明日雨が降らないように願を掛けておこう。