終了後

【ONE JAPAN CONFERENCE 2019 セッションレポート】"VALUE"両利きの経営 - 日本企業復活の処方箋 -

9月29日に行われたONE JAPAN CONFERENCE 2019。
約1100人の想いが集まったカンファレンスでは14ものセッションが開催されました。その中の一部を紹介します。

今回紹介するのは、冒頭に行われた「両利きの経営」セッション。
 ONE JAPANではおなじみの入山章栄教授(早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール 教授 )をモデレーターに迎え、冨山和彦氏(株式会社経営共創基盤 代表取締役CEO)、馬場渉氏(パナソニック株式会社 執行役員 コーポレートイノベーション担当)、安田洋祐氏(大阪大学大学院経済学研究科 准教授)という、日本を牽引していくスピーカーの方々にご登壇いただきました。

全体

ー大企業は両利きの経営をしなくてはいけない

 冒頭、入山教授の基調ピッチとして、「両利きの経営」についての話がありました。
〇イノベーションは既存の知と既存の知の組み合わせである。0に何をかけても0
〇遠くを見て新しいことを探す知の探究は難しい。
〇日々のオペレーションは知の深化。予実管理があるから目の前のことを深堀してしまい、イノベーションを生み出す組織から遠ざかってしまう。
〇新卒一括採用・終身雇用により目の前の知と知の共有だけで終わっている。同業他社との知と知の組み合わせももう出尽くしている。

入山さん②

ー今すぐ大企業はやめた方がいい?

以上のような入山教授の話を前提に、馬場さん、冨山さん、安田さんからは以下のような話が繰り広げられました。
〇大企業でアイデアは湧き出ているが、施策として使われてこなかった。使ってこなかったものを使うだけでいい。
〇新陳代謝が大事。メカニズムで流動性が高いことが望ましいがオーガニックな代謝である。
〇MBAは知の深化であり、それだけだと衰退に向かう。両利きであるべき。
〇探索をすることが報われない世界。終身雇用の中で居続けることを目的とした上司が発生している。
〇そんな大企業の中で知の探索をしているくらいなら、今すぐ辞めればいい。辞めてまた戻ってくればいい。
〇0→1の青い鳥探しをするのではなく、ベンチャーの知識を大きくしていくような考え方を持つべき。

冨山さん

馬場さん

安田さん


後半はスポーツの組織についての話や、企業の風土についての話、海外との経営者の違いなどのディスカッションが行われました。

ー辞める以外に道はあるか

時間内では語りつくせない、聞いている側もメモがおいつかないほどの、情報が交差する、知が凝縮された70分。
大企業は目の前の知の深化に陥っている。知の探索を行い続けることでイノベーションは生まれ、大企業は復活できる。その可能性を信じられるか。
本当に辞めるしか道はないのか。変えることはできるのか。
ONE JAPANは可能性に挑戦し続けます。

「辞めるか、染まるか、変えるか。」大企業のみならず日本の組織が抱えている課題が浮き彫りになり、かつONE JPANの、聞いた人のこの後のアクションを誘発するような、情熱を感じるセッションでした。

引き

画像7

■ONE JAPAN 公式HP
http://onejapan.jp/

#ONEJAPAN

記事:岩田 健太
撮影:伊藤 淳

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?