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トヨタを変えよう-Be The Change-有志活動「A-1 TOYOTA」【ONE JAPAN加盟団体紹介シリーズ第3弾】

大企業の若手・中堅社員を中心とした約50の企業内有志団体が集う実践コミュニティONE JAPAN。その構成要素である各社の有志団体を紹介する「ONE JAPAN加盟団体紹介シリーズ」。今回は、トヨタ自動車の有志団体「A-1 TOYOTA」をメンバーの中井隆也/鈴木真理子が紹介します。

トヨタを変えよう

 2016年、とある飲み会。
「トヨタは変わらないといけない」そんな想いを持った3人が出会いました。このままじゃダメだ、動き出さないと。飲み会の後、3人はある約束を交わしました。「何かやろう。」

 始業前にビジネスアイデアを持ち寄ってブレストするというような事から始めました。そんな中で1人、また1人とメンバーが集まり、そのうちに「ビジコンをやろう。」そんな声が上がりました。

 熱い想いを持ち一歩踏み出したいと思っているのに、その一歩を踏み出せない人がいる。そんな人の助けになりたい。仲間と出会い、本当にやりたいことをできる場所を作りたい。キャッチフレーズを考え、デザイナーを巻き込んでポスターを作り、社内のポータルサイトで告知を行いました。

【追加】note用画像_トヨタを変えよう_page-0001

ポスターにはひとこと、「トヨタを変えよう」

2017年、こうしてA-1 TOYOTAは産声を上げました。


阿呆がいなければ新しいものは生まれない

 A-1 TOYOTAが毎年開催している業務時間外の”有志活動”としてのビジネスモデルコンテスト、それがA-1 CONTESTです。A-1の”A”は”阿呆の”A”であり、トヨタ自動車の創業者である豊田喜一郎氏が自動車部を設立した際に語った言葉から、A-ho No.1 CONTEST = A-1 CONTESTと名付けました。
 未来の予測が困難な今こそ、日本や世界の未来の為に尽力する阿呆が必要ではないか?そんな想いでA-1 CONTESTを開催しています。

note用画像_01_阿呆

What’s A-1 CONTEST?

 A-1 CONTESTは、トヨタグループ社員を対象とした時間外有志で行うビジネスモデルコンテストです。テーマは自由で、自動車・モビリティ領域に限らず、なんでもOKです。
 例年、8月にチームビルドした後、最終プレゼンの12月までの約3ヶ月間、チームで活動します。チーム活動期間中は、メンターへ相談しながら「とにかく顧客に会いに行く」ことを実践し、顧客と課題の明確化に取り組んでいただきます。A-1 CONTEST事務局は、活動のサポートとして社外者との交流や講演会、イベントの開催などを行っています。

note用画像_02_A-1とは

note用画像_03_スケジュール

note用画像_04_活動サポート

・柔軟な発想、広い視野を持った次世代人材の育成
・既存事業の枠に囚われない、世の中に貢献する新規事業の創出
・既存事業だけではないイノベーション文化の醸成

 これらがA-1 CONTESTを毎年開催する理由ですが、一番の動機は「トヨタをもっと面白くしたい!!」という想いです。参加者が新価値創造に挑戦し、仲間と一緒に想いを実現する。A-1 CONTESTはそのための場所であり続けたいと、そう考えています。


仲間を集めろ

 A-1 CONTESTは、リーダーと2名以上のフォロワーのチームで活動することを必須としています。想いを持ったリーダー同等、あるいはそれ以上にA-1 CONTESTではフォロワーを重要視しており、その理由として説明会では毎回こちらの動画を流しています。

いかがだったでしょうか?

 最初に裸になった彼にはその功績があるかもしれませんが、1人の「バカ」を「リーダー」に変えたのは「最初のフォロワー」だったことがわかると思います。リーダーシップは、称えられすぎているのです。

 リーダーに「本当にやりたい新しいビジネスを提案してください!」とお願いするとともに、フォロワーには「共感力を持ち、チームの為にリーダーを支えてください!」「リーダーを真のリーダーにしてください!」とお願いしています。「自分のやりたいこと」が明確に決まっていなくても問題ありません。共感できる想いを持っている人を全力でフォローすればいいのです。リーダーもフォロワーもただの役割でしかありません。A-1 CONTESTは「仲間と一緒に創り上げること」を大切にしています。


広がるつながり

 A-1 CONTESTの参加者は年々増加しており、過去4年間の活動により約800名のつながりが生まれました。
 参加者の方からは、
「同じ想いを持った仲間に出会うことができ、時間が許す限り ”想いの実現” に時間を割くことができた。」
「普段業務で会わない人と出会い、人と人を繋ぐ場になっている。チームメンバーと社会課題や困り事を解決する案を考えることができた。」
といった嬉しい声があがっています。

note用画像_05_イベントの様子


挑戦してきた大先輩たち

 新規事業に強い方、コネクティッドに強い方…様々な領域から集まって頂いた、普段の業務ではなかなか出会えないような先輩方から直接メンタリングを受けられることもA-1 CONTESTの特徴です。
 活動期間中、チームはいつでも何度でもメンタリングを受けることができます。先輩方は様々な視点でのアドバイスや、社内外の有識者と繋いでいただくなど、いつもA-1を熱く支えてくださっています。

note用画像_06_メンター

Beyond A-1

 4年間に渡りコンテストを開催してきた結果、累計参加者は800人以上、85チームの仲間づくりをお手伝いし、多種多様なアイデアが生まれています。日々感じている身の回りの課題を解決するアイデア、自分の得意領域を活かして社会課題を解決するアイデアなど、具体的な案件をこの場で紹介することは叶わないですが、参加者が必死に取り組んだ結果としてのアイデアは、延べ85案件にものぼります。
 その中には社内でPoCを実施するものや、社外で起業することになったチームなど、A-1 CONTESTを起点に20を超える案件が次につながっています。

【差替え】note用画像_07_集合写真

障子を開けてみよ、外は広いぞ

 A-1 TOYOTAの活動は、ビジネスモデルコンテストだけにとどまりません。トヨタ自動車史上初のボトムアップ型社内新規事業提案制度「B-Project」のきっかけとなり、継続的に社内から事業を生み出すことを実施しています。MaaS系開発部門と連携してe-Paletteのアイデア出しを実施した「e-Palette Challenge」や、車両用品(アクセサリー類)部署と連携して実施した「車両用品企画公募」など、幅広く活動を行っています。
 また、2021年には異業種連携としてKIRINさんと新規事業企画制度を共同で企画しました。本業ではかなり遠い「飲料 ✕ Mobility」の連携でしたが、およそ100名が参加し、なんと優勝チームはA-1 TOYOTAがきっかけで参加をしたトヨタグループのチームでした。

 そのほかにも、人事とのコラボ施策として、トヨタ卒業生とのネットワークを構築するためのトヨタアルムナイミーティングを人事や役員級を巻き込みながら毎年開催したり、トヨタ自動車史上初のベンチャー出向者を事務局メンバーから輩出するなど、これまでできなかった事ができる仕組みをどんどん構築しています。

note用画像_08_アルムナイ


最後に

 創業以来、トヨタには経営の「核」として貫かれてきた「豊田綱領」があり、その第一項に「上下一致、至誠業務に服し、産業報国の実を挙ぐべし」とあります。
 ”自分のため、会社のため”を超えて、”国のため、社会のため”になれているか?このことに私達が真剣に向き合うことができると、この国はもっともっと豊かになると思っています。一人ひとりが世の中の課題と向き合い、その解決策を必死に探求することで、世界をより良く変化させることができると、私達はそう信じています。
 どうしても叶えたい強い想いがある、”やりたいこと”は明確に見つかっていないけど踏み出したい、そんな想いを持っている人が一歩踏み出せる場所をA-1 TOYOTAはこれからも作り続けていきます。

文・構成:中井 隆也/鈴木 真理子(A-1 TOYOTA)
編集:岩田 健太(ONE JAPAN事務局 広報担当/東急)

#ONEJAPAN #OJ



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