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病と人生に向き合った、2023年

2023年は生涯忘れられない年になりました。それは結婚や出産などの話ではなく、一生付き合う病気が発覚し、否が応でも生き方と人生の最期を意識することになったから。長いようで短い、それでもやっぱり渦中は永遠のように感じた半年間でした。

今年の4月に乳がんが発覚。6月に手術、9月から11月までの抗がん剤、そして12月からホルモン治療と半年以上にわたって治療を続けてきました。

正直、30代前半でがんになると思わなかったし、診断を受けてから手術までの2ヶ月は人生で一番しんどい期間でした。当たり前のように80〜90代まで生きると思っていた人生が突然どうなるかわからなくなり、同世代が歩んでいる結婚・出産という道が一気に難しい未来となって。

ただ、普通に年老いていきたい。

そんな小さな願いすら叶わないかもしれないことに不安を感じる日々でした。

それでも、いまは治療もひと段落し、以前とほぼ同じ日常生活を送れています。階段10段も、歩いて3分の道のりもきつかったのに、今では苦もなく歩けるようになり、回復力の強さを身をもって感じている毎日です。

わたしが胸のしこりに気づいたのは、数年前。まだ20代でがんは遠い遠い存在でした。だから、ネットで調べて出てきた「しこりの90%は良性」「若い女性は乳腺線維腺腫が多い」という文字を勝手に信じていました。

でも、心の中にはずっと不安な気持ちが残っていたので、人間ドックのときに先生に相談。「しこり」という言葉が出た瞬間、先生の目の色が変わり、軽く触診。「早く専門医のところに行きなさい」と言ってくれたおかげで動きだすことができました。(詳しくは別のnoteで書きます)

わたしはまだ30代なので乳がん検診の推奨年齢(40歳以上)ではありません。子宮頸がん検診は案内が来るたびに行ってるものの、乳がん検診は受けたことすらありませんでした。有名人で若い方ががんを公表しても、がんを扱った映画や漫画をみても、どうしても自分ごとにできずに検診を先送りにしていました。

それでも、なるときはなる。喫煙やお酒、運動不足など、がんになる理由はいくつかありますが、正直、運でしかないのかなと思っています。2人に一人はがんになる時代。なってしまうのは仕方ない。それならせめて早い段階でがんを見つける必要があるのかなと。

だから、これを読んでくれている方は全員一度人間ドック、がん検診を受けてほしいと思っています。がんは痛みを感じないまま進行していきます。痛み出して病院に行ったらステージIVだったといった話もたくさんある。検査しない限り、見つけることが難しい病気です。忙しいと後回しにしてしまいがちですが、自分のからだは一生付き合っていくもの。一度ガタがきたら戻せないことも多いので、早めにチェックをしてください。からだの一部を取り戻せなくなったわたしからの切実なお願いです。

あと、必要に応じてがん保険も。がん保険のいい/わるいはあるので、個人の判断に任せますが、一度どうするかを考えてみてください。わたしは検討しないうちにがんになってしまったので、後悔だけが残っています。入るにしろ入らないにしろ、考えてみればよかったな…と。だから、みなさんには後悔しないように一度どうするかを考えてほしいなと思っています。

と、ここまで読んでくださった方は心配をしていることと思いますが、おかげさまでいまは治療もひと段落し、投薬のみとなりました。車も普通に運転できますし、ご飯も食べられます。階段も難なく登れるようになりました。

病気になった人ってどんな連絡をすればいいかわからないと思うのですが、そっと見守ってもらうだけでも充分ですし、気軽に連絡してくれたらもっともっとうれしいです。ようやく治療を終えたので、今までお世話になった人にたくさん会いにいきたいなと思っています。久しく連絡を取っていない方もいきなり連絡がいくかもしれませんが、そのときはよろしくおねがいします。

最後になりましたが、2023年もお世話になりました。2024年は心身ともに健康に生きていきましょう。

photo - TAKAHIRO HOSHI

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