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生命の再生プログラム特別企画【Deep Dive into Regeneration】プラネタリーヘルスを体感する鳥取・大山フィールドワーク レポート 2024年5月編 No.1



■地元が親しみを込めて呼ぶ「大山さん」との出会い

▲大山さんが出迎えてくれた!

 鳥取に位置する大山(だいせん)は、標高1729mの中国地方の最高峰。「伯耆富士(ほうきふじ)」とも呼ばれる、美しい独立峰です。大山や蒜山を含む山の景色と、島根半島や隠岐島などの海の景色の調和が美しく、鳥取県・島根県・岡山県をまたがる大山隠岐国立公園に指定されてます。
 大山から湧き出る清流が育くんだ豊かな自然と食文化は、まさに「大山さんのおかげ」。その恵みに感謝をこめて、地元の方々は「大山さん」と呼ぶそうです。
 ワンジェネレーションと大山とのご縁は、2023年5月に始まった「特別講座 Dive into Regeneration」のDay7の講師、桐村里沙さんとの出会いがきっかけでした。桐村さんは現在、鳥取県江府町を拠点に産学民連携でプラネタリーヘルス地域モデル(鳥取江府モデル)の構築を行い、プラネタリーヘルスを実践していらっしゃいます。
 私たちワンジェネレーションがミッションとして掲げているのは、「あらゆる生命と人、社会、地球が調和する世界の実現」。まさに、桐村さんが提唱する「プラネタリーヘルス」と同じ志です。人と社会と地球が調和する世界を概念的に理解するだけでなく、身体知(しんたいち)として体感する―それが実現したのが、この「生命の再生プログラム『Deep Dive into Regeneration』プラネタリーヘルスを体感する鳥取・大山フィールドワーク」でした。

■「大山さん」を体にしみこませる

 このフィールドワークは、桐村里沙さんが代表を務めるtenraiならびに、大山の麓で先人たちの視座から新しい時代の営みを提唱するBisui Daisenと、ワンジェネレーションとのコラボレーションで企画・実施しています。
 2回目の開催となった2024年5月25日の朝。参加メンバーは、Bisui Daisen代表の大原徹さんが営まれる民宿Hidden Westに温かく迎えていただきました。一服の後、まずはこの地にご挨拶するべく、一行は大山をご神山とする大神山神社奥宮に参拝します。自然石が敷き詰められた参道を歩きながら、大山が辿ってきた歴史や地域の信仰などを学び、都会から来たメンバーも、徐々に自然に溶け込んでいく感覚を味わいます。

▲大神山神社奥宮に参拝に向かう。石垣と石畳、そこにしっとりと貼りついた苔を味わいつつ登る

 道すがらには、延命水と名高い湧水のスポットが、何か所もあります。こんこんと湧く澄んだ水は、水筒やポットを持っていけば、誰でも自由に汲むことができます。「本宮の泉」には、清流にしか生息しない梅花藻(ばいかも)が涼やかに広がっていました。水だけでなく空気も澄んだ清涼感にあふれています。

▲清らかな湧水に梅花藻が咲き始めていた

 「天の真名井」の近くにある、湧水で打ったお蕎麦とパフェ(?!)が有名な「真名井ばあちゃんのせせらぎレストラン」にも伺いました。本当においしいお蕎麦に感動し、「おなか一杯!」と言いながら、見た目も味も逸品のストロベリーパフェに舌鼓。なんと、この真名井ばあちゃんのせせらぎレストランは、インスタグラムのフォロワー数1.6万人を誇る有名店なのです!
 全国から、このパフェを目当てに来られる人もいるそう。お店を切り盛りする真名井ばあちゃんの素敵な笑顔とトークに包まれて、心もおなかも「大山さん」に満たされていきました。
 そして午後の光が差し出す頃、いよいよ私たちは文字通り「頭の先から足の先まで」大山さんに浸るシャワークライミングに出発しました。

■「大山さん」は頭から浸るに限る

 まずは全員ウェットスーツに着替え、ヘルメットとライフジャケットの装備を着けて川に入ります。少しひんやりした水に体を慣らし、足場を確かめながら清流をさかのぼっていきます。周囲は大小の岩に囲まれ、岩の上には木々が茂っています。岩の上に木?土がないのになぜこんなに大きくなれるの?土がないと枯れてしまうのでは?…そんな私たちの疑問に、現地ナビゲーターの秋元大さんが、山の岩と木々の関係を説明してくれました。
 岩の上に着床した木は、その根を岩に這わせながら成長していきます。植物の根には菌類が住みつき、菌糸を伸ばして栄養を吸収しています。岩は降る雨をしっかり保持し、木々とともに菌類や苔の成長を助けます。さらに根を張った木は岩をしっかりと支え、草花や虫の住みかを守ります。水と生命の循環の世界。リジェネレーションの世界ですね。
 周りを見回すと、私たちはそうした岩と木々にぐるりと囲まれていました。足元の清流でこの山の世界とつながっているという気持ちが湧き上がってきます。
 川の流れに少し足を取られたりしながらも、すがすがしい空気を体中に取り込みながら、全員で上流に向かって歩きました。途中、流れのないところでぷかりと浮かんでみました。全身で水を感じ、すーっと体がほぐれていきます。力を抜いて木の葉の気持ちになって、水の流れに身を任せてみる。私たちも大きな大きな「大山さん」のエネルギーの流れに身を浸すことで、その一部を頂けた気持ちがしました。
 しかし、大山さんに浸る体験はまだ序の口だったのです!
 すっかりリラックスしながら帰り道を下っていると、現れたのはチャレンジの大岩。この大岩に登って下の淵に飛び込むことができるとのこと。「無理しなくていいですよー」とナビゲーターのみなさんからも言っていただけるのですが、ちょっとドキドキ。岩の上から見ると「い、意外に高い」。
 意を決して「えいや!」と飛ぶと…。どぶん!
 深い淵なので、ずっぽりと頭の上まで水の中に。もちろんライフジャケットを着けているので、慌てず身を任せればすぐにぷっかりと水に浮かびます。こうして私たちは、本当の意味で頭の先から足の先まで、「大山さん」に浸ることができたのでした。

▲大山さんの懐に身を任せたみなさんの笑顔

2024年5月編 第2回に続く

※10月開催の 
生命の再生プログラム特別企画【Deep Dive into Regeneration】
プラネタリーヘルスを体感する鳥取・大山フィールドワーク
~自然の摂理を体感し、生命としての視座を得る~

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