見出し画像

【ワントーーク!第3回】勝又健志プロ

麻雀スクールOne Gameに関わるプロのお話を聞く『ワントーーク!』、第3回は熱闘開幕中のMリーグでEX風林火山のメンバーとしても活躍中の勝又健志プロ

「麻雀IQ220」と謳われる頭脳派、そして塾講師の経験もある勝又プロに『One Game』や生徒さんの印象、どんな想いで講師をされているかなどお話をうかがいました。

勝又健志
日本プロ麻雀連盟、EX風林火山所属。
好きな牌は【4ピン】(見た目なら【七萬】)
好きな役は【一気通貫】
勝又健志(@katumatakenji)さん / X (twitter.com)


久山校長の誘いで興味のあった麻雀講師に

――『One Game』で講師をすることになったきっかけを教えてください

勝又プロ:きっかけは久山さんに「麻雀教室の講師をしてもらえませんか」と声をかけてもらったことですね。麻雀の勉強会の先生に興味はあったんですが、若手プロの先生をやったことはあってもアマチュアの方の勉強会の先生はなかなか実現する機会がなくて。元々塾講師をやってましたし、教えるのは好きだったんですよね。
チームの方で勉強会をファンの方相手にやっていたの(「EX風林火山軍師 勝又健志の麻雀IQ上昇塾」)はあるんですが、麻雀スクールで、みたいな感じは『One Game』が初めてでした。

――最初はどんな気持ちで講師として臨まれたのでしょうか

勝又プロ:最初は僕もあんまりわからなくて…もちろん来てくださる生徒さんたちがどんな気持ちで来てるのかもわからないので(笑)。
だからやっぱり難しくて。僕らはプロで職業だけど、生徒さんたちはアマチュアだから楽しければいいっていう人も当然いるし、せっかくだから強くなりたいっていう人もいるし、だから楽しい方向に持ってくのがいいか、それとも厳しくても強くなれる方向に持ってけばいいのかとかがわからなくて、最初は手探りでした。
でも「また来たい」って思ってもらえるような勉強会ができればいいなっていうのが一番強かったなと思いますけどね。「行ってよかったな」とか「また行きたい」と思ってもらえるように、というのは今も変わらず思ってます。

――何度か講師として授業を重ねるうちに「こうしていこう」みたいなものがつかめてきた感じですか?

勝又プロ:いまだに手探りですけどね。でも最初はより強かったですよね。顔色を伺いながらというか(笑)。
今日の講義でも、もう20回ぐらい来てくれてる人もいれば初めての人もいるわけで、どちらにも「行ってよかった」って思ってもらえるように、というのは気をつけてるつもりではあります。
毎回来てくださるメンバーが違って「全員がこれを知っている」という前提がほとんどないので、そこはちょっと難しいですね。でも「ここはすでに講義で一度聞いたな」という人がいても復習になるようにと思ってやってます。

大好評の『夏期特別講習』でむずかしかったこと

――印象に残っている講義などありますか?

勝又プロ:直近ですし、やっぱり『夏期特別講習』(8月に行われた4週連続の講習)が一番印象的だったかなっていう気がしますね(注:インタビュー日は9月)。

――SNSでの反応を見ると、生徒さんの満足度もとても高そうでした。
宿題の添削などかなり充実した内容のようでしたが大変だったのでは?

久山校長:赤ペ〇先生でしたもんね。みなさん嬉しそうでした。

勝又プロ:添削はちょっと大変でしたけど、言っても麻雀なんで…麻雀はプロですから(笑)。喜んでもらえたならよかったですね。
講義自体は、連続というのは初めてだったので連続してやることのいいところと難しいところとどっちも味わえました。
やっぱり連続でやることによって、さっき言ってた前提がそろって、1週目2週目に話してることを3週目復習するときには全員知ってるという状況で始められるので、いつもよりちょっと深くまで行けるというところはすごくよかったなって思いましたね。
難しいところでいうと、ちょっと深くまで行けちゃう分、説明してるうちに時間が全然足りなくなって延長しまくってしまったりとか…(笑)。そのタイムマネージメントが全くうまくいかなかくて、久山さんとか鳴海くん(OneGameスタッフ鳴海拓斗プロ)にはすごい迷惑をかけながらやってましたね。

久山校長:僕はありがたかったですけどね(笑)。

勝又プロ:来てる人がみんな延長が嬉しいとは限らないじゃないですか。そのあとに予定ある人だっていると思いますし。あと、2コマ連続で入れ替えだったので1コマ目の人はなかなか延長できないんですよね。2コマ目の方だけずるいとなるのも良くないから…そのあたりはタイムマネジメントが一番難しかったですね、夏期講習は。

――実際に生徒さんたちが1局打って、その映像を見ながら解説、というスタイルですと1局1局濃さが違いますから難しいですよね

勝又プロ:そうですね。基本は打ってもらっている最中にざっくりと局を見てるので、この辺りを話そうとかこのあたりは質問されない限りパスしようみたいな感じで、なるべく1局30~40分で済ますようにしてるんですけど、たまにパスしたところを質問されて(笑)。そこを話すと長くなるけど、質問された以上しょうがない…みたいな感じで延長しちゃうことはあります。

久山校長:勝又先生の夏期講習は本当に好評で、募集の段階でも「日程調整してたら埋まっちゃった」という人も結構いて、「次狙います!」という声もいただいています。
というわけでまた是非ご相談させてください(笑)。

勝又プロ:はい、是非(笑)。

今年初開催で大好評だった『夏期特別講習』

楽しく学べる『One Game』は理想形

ーーこれまで講師をされてきて、『One Game』や生徒さんの印象はいかがですか

勝又プロ:結構理想形だと思うんですよ。
麻雀って、いや麻雀だけじゃなくて全ての物事だと思うんですが、勉強するときって楽しみながら勉強しないと身につかないと思うんです。ここはみんなすごく楽しそうに勉強してるから、そういう意味ですごく理想系だなった思いますね。
環境も整ってますし良いメンタリティで勉強してるから、皆さん強くなると思いますよ。「つらい」とか「麻雀やだ」とかってなっちゃうと伸びなくなっちゃうけど、すごく楽しそうに勉強してるから。

久山校長:スクールを作ろうと思った時、目指すところが「楽しく学べる場所」だったので、そう感じてくださってるのは嬉しいです。勝又さんのおかげです。

勝又プロ:いえいえ(笑)。

Mリーグの振り返りで見つける”講義のタネ”

ーー他のプロの方とも『One Game』の話をしますか?

内川さん(内川幸太郎プロ)とか話したことありますよ。「どんな感じでやってるの?」とか。
松本さん(松本吉弘プロ)も最初の方に勉強会してたので、話題になったりはしました。「どんなことやるの?」「いやもう行ってみてっすよ」みたいな感じで(笑)。初めてだったら誰でもそうなると思いますけど(笑)。

ーー勝又先生は「今日はこの話をしよう」と決めて来られるのでしょうか

勝又プロ:今はそうですね。基本的に、事前に参加者のリストをもらうんですよ。そのときに「こんなこと勉強したい」とか「自分は最近こんなことに困ってます」と、一言でも書いてもらうようにしてて、一番コメントが多いものをやろうかなという感じです。
あとはMリーグのシーズン中だったら、自分が実際にMリーグで麻雀打ってて「これって知っておいた方がいいな」ということがあったら、「次回これ話そう」と思います。
試合後、家で見返したときとかに「これはみんな知っといてもらったらいいよね」とか「ちょっと難しいけど知識としては持っておきたいよね」みたいなことを。

ーー振り返りで講義のタネを見つけるんですね、完全に先生目線ですね…!

久山校長:ありがたいです。

講師としての自己採点は厳しめ、時には暴走!?も…

ーー勉強会中に気をつけてることはありますか?

勝又プロ:「わかってもらえているか」は気にして見るようにしています。
例えば、麻雀を10年やってる人からしたら一目見て「これを切るな」と思う場面でも、やっぱり初心者の人にとっては一目ではわからないわけですから、ここまで掘り下げて説明してあげようとかをまず考えるわけですよね。そこから解説しつつ、皆さんのリアクションを大事にしているんです。ちゃんとわかってくれたかなと。
「わかんない」って正直に言ってくれる人って少ないので顔色を見て判断するんですけど、実際に麻雀打ってるところを見て「あーわかってなかったか」と思うこともあるんですね。でもそれはわかんない人のせいじゃなくて教えてる僕のせい、僕の教え方が下手くそなせいだから…なので今日の講義は自分の中でちょっと納得がいかなかったんですよ、あんまり伝わってなかった気がして…

ーー先生としてのご自身に対しても厳しいですね…!

勝又プロ:家に帰ってから、もう少しこんな感じで説明した方が良かったなとか、例で出した牌姿が良くなかったなとか思うこともありますね。

久山校長:あと暴走もありますよね。深く話しすぎて、みんながついてこれない。難しいところまで掘り下げすぎて、みんなぽかんってしちゃう(笑)。

勝又プロ:それはしょうがないんだよ!(笑)
話の展開でそうなっちゃうけど大事なんだもん!

ーー生徒さんの熟練度が上がってしまって、質問に対してわかる人とわからない人の差が出る、みたいな感じですか?

久山校長:その人も含めてみんな置いてかれてる感じです(笑)。

勝又プロ:これはほんとに難しくって。例えばポンするポンしないの選択で、生徒さんのレベルが1から10まであったとして、レベル1から3の人はポンしないです、レベル4から6の人はポンします、レベル7から9の人はポンしないですというような場面があったとします。それをレベル7から9の人がスルーして、僕が褒めたとします。そしたら4から6のレベルの人からこれポンの方がいいと思うんですけどって言って、1から3の人はしないよって言うわけですよ。
実際の答えとして、レベル7から9だとしないんだけど、レベル10はするかもしれないじゃない。そしたらやっぱり、正解は「する」になるから…10のレベルまで話さざるを得なくなりますよね。

久山校長:僕はその瞬間が一番好きなんですよね、みんな置いてかれていく感があって(笑)。

勝又プロ:しょうがないよね、そこで根拠を言わずにするって言っても納得感ないと身につかないから。根拠を言うんだけどその根拠が難しすぎて、ということはありますよね。

久山校長:生徒さんたちから「ちょっと待ってください」みたいな空気が流れて、順番に脱落していって、「もうついていけない」みたいな人がだんだん増えてって、気づいたらみんな脱落してる、みたいな瞬間。
そこまでプロに指導してもらえるの、幸せだと思いますね。

勝又プロ:でもね、それはいいなと思って止めないでいるんですよ。僕も脱落していくのは気付いてるけど最後まで話し切るようにしてるんです。それはそれでありだなと思ってて。

久山校長:そういう見えない世界がそれだけあるってわかるのも大事ですよね。

勝又プロ:そうです。あとそこでそこまで説明し切って、「あ、やっぱ勝又さんってすごいな」って思ってもらうことによって次の話の説得力が増すとかもあるので、それはそれで価値があるからいいかな、と思ってます。

――例えばその場で理解しきれないけど、何となくメモったことがもっと熟練度が進んだときに気付きになるかもしれないですしね

勝又プロ:そうですね、それが多分本人が一番強くなるタイミングですよ。

勝又プロの深い思考も目の前で聞くことができる

「正解」にこだわらずいっぱい打ってほしい!

――今後どんな方に勝又プロの講義に来てほしいですか?

勝又プロ:レベルは問わないので、やっぱり「強くなりたい」っていう気持ちがある人ですかね。「楽しみたい」っていうことも大事だと思うんですけど、「強くなったらもっと楽しいんじゃない?」って思ってくれる人、そういう価値観の人がいいと思います。
勉強会だから楽しくみんな受けてくれてますけど、やっぱり講義を受けていて大変な瞬間もあると思うんですよ。楽しみたいだけの人だったら途中で帰りたくなっちゃうことも出てくると思うので…難しい話も出てきちゃうから、やっぱり「強くなりたい」とか「成績良くしたい」とか、漠然とでも目標があって、そのために努力できる人が合う気がします。

やっぱり勉強会に来るだけじゃ絶対強くならないんですよ。僕は麻雀の勉強は受験勉強と似てると思ってるんですけど、塾で授業を受けただけではそう簡単に合格には近づけなくて、家に帰ってどれだけ問題集を解くかが大事で。だから麻雀も、勉強会で聞いた話とかを自分が普段麻雀を打つときに参考にして一旦打ってみて、ここが良かったここが駄目だったって自分で振り返っていける人が強くなっていけると思いますね。
そういう人に向いてると思いますし、来てほしいなと思います。

――生徒さんや、これから強くなるために講義に来たい!と思っている方たちに伝えたいことはありますか?

減ってはきてるんですけど、正解にこだわって正解しようとしてる人がまだまだ多い気がするから、「そんなに正解にこだわらなくていいよ」とは思います。
普段麻雀するときに、正解にこだわり過ぎて「何切っていいかわかんない!」みたいになっちゃう人も多いと思うんです。でも麻雀ってわかんないことの方が多いゲームなんですよね。なのでそこにこだわるよりも、たくさん打っていくと感覚的に捉えられるものが多くなっていくから、それも大事。
勉強会って理論や知識を増やしていくことがほとんどなんですけど、麻雀は知識と経験値とどっちも必要だから、あんまり知識ばっかりこだわらず、頭でっかちにならないで経験も増やしてってほしいですね。たくさん打つことも忘れないでねと。
もちろん打つだけでも強くはなれないから、バランスよく勉強してくださいね、とも思います。

勝又プロの「麻雀IQ220の思考」を吸収しよう!


+++++++++++++++++++++++++++++++++++

久山校長との掛け合い(笑)も楽しくインタビューさせていただきました。
勝又先生の『Mリーグルール勉強会』のあとにお話をうかがったのですが、「今日の講義は自分の中でちょっと納得がいかなかった」とおっしゃる姿に講師としても麻雀に向き合う姿勢が真摯…!と感銘を受けました。

勝又先生の勉強会『Mリーグルール勉強会』は毎月1~2回開催されています☆(10月現在)
気になる方は是非、『OneGame』のホームページやTwitter(X)をチェックしてくださいね。

★フォロー、スキをしていただけるととっても喜びます★

いただいたサポートは「こども麻雀教室」実現のために、全額使わせていただきます!