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見せたくないこと。見てみたいこと。

このnoteではOne for Dogのオンラインサロン「愛犬文化村」に毎日投稿している記事の中から、比較的刺激が弱いと思われるトピックを選び、辛味成分を調整した上でご紹介しています。サロンメンバーさんにおかれましてはマンゴラッシー感覚でお楽しみください。

いつもご利用ありがとうございます。
One for Dog の齋藤です。

この内容はラジオ放送「One for Dog Radio」で音声コンテンツとしても配信しています。"音声派"の方はそちらからもお楽しみいただけます。

タイトルとメインビジュアルが合っていないのですがその辺りの理由はのちほど。ということで本題です。
はじめに、冒頭でご挨拶しておきながら今日のサロン記事は3辛程度の味付けとなっております。お口に合わなかった際はお許しください。

先日、Instagramでとある飼い主さんの投稿が目に止まりました。

一般愛犬家と思われる飼い主さんが上手に愛犬をクリッピング(バリカンがけ)されていたんですね。
なにより愛犬のシュナウザーさんったら"されるがまま"でビックリ。
寝っ転がった状態というややトリッキーな方法でしたが、それでも大人しくやらせていたのには敬服します。

ちなみにこの状態は「系統的脱感作」が出来ている状態といって、

【脱感作】
体のどの部分を触られても嫌じゃなくなっている
【系統的脱感作】
脱感作どころか、ありとあらゆる部位を持たれたり、こねくり回されてもイヤじゃない・・・どころか、それ自体をも嬉しがっている

という状態のことです。

もちろんこの域に至るまでには階段を一つ一つ上がる努力が必要だったと思います。

・バリカンの音を聞かせる→ご褒美
・バリカンをあててみる→ご褒美
・バリカンのスイッチを入れてみる→ご褒美
   etc…

おおよそ数ヶ月はかかったんじゃないかなぁと思いますが、まさに飼い主さんの努力の賜物です。
ただ、今日の本題はここではなくて、この飼い主さんがなぜセルフトリミングをするに至ったかの方なんです。

先の投稿を読み進めると、そのきっかけはトリミングサロンへの不安があったようで、

パピーの頃から預けていた愛犬が徐々にサロンを嫌がるようになった

でもトリマーさんは「今日も良い子でしたよ」しか言わない

作業中の様子を見ることは出来ないのでモヤモヤが募る

だったら自分でやってみようと決意

というわけです。

ちなみにこれはレアなケースではなく、One for Dogのお手入れ教室に通われる飼い主さんにも見られる理由です。

念の為、同業者さんの名誉のためにもフォローしておくと、必ずしもサロンは楽しいところではないので、そもそも好きになってくれない子もいるんですね。

仔犬の頃は、

初来店「やっほーい!初めての場所だーい!」

とはしゃいでくれるのですが、来店を重ねると・・・

(あれ、どうもココは楽しいところじゃないような気がする)
(遊べないどころかずっと立ってないといけないし)
(やたらと嫌な手足まで持たれるなんて聞いてないし)
(なにより苦手な強風まで浴びせられるし)

その結果、

「ちょっと遠慮したいです」

となる。

要するに”物心ついたらバレちゃう”ってやつです。。。

そんな時に重要なのが「脱感作」なんです。
体を触られたりいろんなことをされても、その刺激を受け入れられる状態を社会化期のうちに作っておくことでだいぶ変わってくるんですね。
この辺り話は以前のラジオ放送でもお話していますので良かったらご視聴ください。

と、話を戻しまして僕が今回引っかかったポイントというのが、

“でもトリマーさんは「今日も良い子でしたよ」しか言わない”

という部分です。

トリマーさんは飼い主さんを安心させるためによくこの言葉を使います。
では、もし仮にその子が本当は嫌がっていたとします。
ならばなぜ飼い主さんにはそのことを正直に話せないのでしょう・・・

【CASE①】
「(仕方なく)嫌がったので保定をして作業しました」と伝える
→無理やり抑えつけたと誤解されそう
【CASE②】
「暴れてしまいました」と伝える
→なにか犬に不信感を与えたんじゃないかと思われそう
【CASE③】
「咬まれました」と伝える
→技術不足と思われそう

なので、無難な「今日も良い子でしたよ」を使ってしまうことが少なくないんです。
言ってしまえば、”知らぬが仏”作戦です。

しかし、これからの時代は全てがそれで解決するとは言えなくなるなぁと思っています。
彼氏のスマホの中身は絶対見ないに越したことはありませんが、トリミングに関しては違います。

先日のサロン記事「トリミングサービスに求められるもの」にも書いたのですが、これからのトリマーには透明性が大事です。
#2021年8月11日のサロン記事なのですが激辛過ぎてお見せできません

また、オーダーされたことだけをやる"作業人"ではなく、飼い主さん指導ができる"教育者"になるような地位向上を目指すべきだとも書きました。
#辛味がこぼれました

すなわち、作業人には飼い主さんからの評価が下るだけなので「本音」が言いにくいんですね。
一方、教育者としての関係性を築けているのならば、なぜその子がトリミングにストレスを抱いているかを話せるはずというわけです。

そんなことを考えてたら、ふと例の「elu」が頭をよぎりました。

通常トリマーは自分の出来の良い作品(画像)や腕(カット中の動画)を自慢したがるものです。
ですから、できるだけキレイに仕上がった画像を優先してSNSにアップします。
#トリミングセンスがないと威張っているのは僕くらいです

しかし、すべての人がそれを望んでいるわけではないと思っています。
例えば、爪切りが苦手な子がいたとします。

「どのように嫌がって、どんな保定の仕方で、どのように作業を終わらせられたか。」

ここの需要って飼い主さん達には絶対あるはずです。

お手入れ教室をやっていると、レッスンを通じて愛犬がトリミング(サロン)を嫌がる原因の”真実”が垣間見れるので、生徒さんは特にこの辺の想像がつきやすいようです。
#トリマーが手荒に扱ったり痛い思いをさせていたわけではない
#脱感作不足によるストレスが原因だった

実際、お教室の生徒さんからシャンプーが苦手な子の扱い方をお手本動画(オーダーVer.)で頼まれたことがありました。

「あ、こう嫌がった時はこうやってやるのね」

という需要です。

そこで新しい企画を考えました。

【eluで販売】
「(飼い主さん向け)愛犬が苦手な作業の様子が見れる動画」

・・・と思ったのですが、One for DogではすでにYoutubeでトリミング中の様子を配信していたんです。

そして何より、今はほとんどのお客ワンが常連ワンばかりになってしまい、嫌がっていた子のリハビリも完了してしまったので、そもそも「嫌がる子」を探すのが難しくなっているという始末。。。

とまあ賛否はあると思いますが、こういう”信頼の獲得”もあるよなぁと思ったので共有しました。

ちなみに僕だったら、

①嫌がっている様子(25秒)
②解説しながら保定(60秒)
③頑張ってくれたお客ワンとガッツポーズ!(5秒)
#eluの推奨は約1分半

みたいな動画にすると思います。

トリマー向けだと”テクニック動画”になってしまうので愛犬や飼い主さん側の課題が見えずらい。
あくまで飼い主さん向けの動画という建て付けがいいんじゃないかと思います。
#こんな課題があるから日頃からトレーニング頑張りましょう的な
#愛犬が嫌がっている姿は他人に見せたくないしね

というわけで、需要とタイミングがあえば僕もトライしてみまーす。

と、続きまして・・・

ネットショップBASEで「トリミング道具のお掃除方法」の販売をはじめました

ご隠居トリマーの戯言はこの辺にして、僕は僕なりに本業の方を頑張ってみました。
ここからはちょっとしたお知らせです。
ご存知ネットショップBASEで販売中の「お手本動画」にこの度新たな商品を追加しました。

【New Arrival!】
「トリミング道具のお掃除方法」

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以前より生徒さんからのリクエストが続いていたのですが、持ち前の怠け癖でようやくの完成です(汗)
おウチで用意できそうな物を使ってお手入れ道具一式のお掃除方法とメンテンナンス方法を解説しています。

【チャプター】
00:20 ①ブラシのお掃除方法
02:59 ②爪切りのメンテナンス
04:16 ③鉗子のお掃除方法
07:38 ④バリカンのメンテナンス
15:46 ⑤鋏のメンテナンス

全編21分13秒の解説動画(チャプター付き)となっておりますので、ご興味のある方は一度覗いてみてください。

ネットショップ「One for Dog BASE店」

お手入れ教室に通いたいけど時間がないという方や、そもそも通える距離にないという飼い主さんに向けた「愛犬のお手入れをオンラインで学べる講習会」や、仔犬のうちからきちんと犬のことを理解してあげたいという飼い主さんに向けた「愛犬のしつけがオンラインで学べる講習会」といったアーカイブ動画を販売しています。加えて、愛犬のお手入れを本格的にはじめようという飼い主さんに必要な道具一式をプロが見繕い、使い方動画をセットにした「はじめてのお手入れパック」やオススメコンテンツをセットにした「新米飼い主さん応援パック」の販売もはじめました。最近では、プロトリマーが実際のモデル犬でお手入れのやり方を実演する「お手本動画」など多数商品を取り揃えています。ご興味のある方は一度覗いてみてください。

無料オンラインサロン「愛犬文化村」もオススメです

愛犬文化村では無理なメンバー間の交流などは必要とせず、基本的に毎日齋藤が更新する記事を読めるというありがた迷惑なサロンです。あくまで One for Dog に何らかのご縁がある方が対象なので、告知をしておいて誰でもご参加いただけないというツンデレサロンですが、One for Dog の活動を応援していただけるという方は是非一度覗いてみてください!

【今週のサロン記事】
・2021年8月29日(日)note/stand.fm 更新
・2021年8月30日(月)リクエストにお応えしました
・2021年8月31日(火)パブロフの法則
・2021年9月1日(水)サロンメンバーさんの学び、深まる
・2021年9月2日(木)カーミングシグナル【前編】
・2021年9月3日(金)カーミングシグナル【後編】
・2021年9月4日(土)犬種区分:ミニチュアピンシャー
※サロン記事の内容をOne for Dog Radioでちょっとだけ触れています

ということで、今回はこの辺で。
それでは皆さま素敵なドッグライフをお過ごしください。



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