プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

経営資源の分配の意思決定のためのフレームワーク。ボストン・コンサルティング・グループが1970年代に提唱。

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花形 (star)(成長率:高、占有率:高)
成長率・占有率ともに高い伸び盛りの状態であり収入も大きい反面、成長局面にあるため競合も多く、設備投資や開発費など多額の追加投資を必要とする状態。高シェアを維持し続けることで「金のなる木」へと育てるべきであるが、シェアが低下すれば「問題児」となる。製品ライフサイクルにおける導入期 - 成長期に属する。


金のなる木 (cash cow)(成長率:低、占有率:高)
シェアの高さから大きな利益が見込めると同時に、成熟局面にあるため追加的な投資もあまり必要でなく稼ぎ頭となっている状態。ただし、市場は既に成熟局面にありそのままでは会社が衰退してしまうおそれもある。製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属する。


問題児 (question mark)
(成長率:高、占有率:低)
成長率が高い反面、占有率が低い分野。多額な投資資金が必要な一方、多くの資金流入は見込めない。シェアを拡大しつつ成長を高めることができれば先述の「花形」となるが、シェアや成長が低いままだと後述の「負け犬」の製品となる。製品ライフサイクルの導入期 - 成長期に属する。

負け犬 (dog)(成長率:低、占有率:低)
成長率もシェアも低く、利益も上げられないまま市場競争に負けてしまっている分野であり早急な撤退を検討すべきとされる。投資次第では先述の「金のなる木」になりうるが、深入りして撤退の時期を誤ると損失の増大をもたらす。製品ライフサイクルにおける成熟期 - 衰退期に属する。

2010年パナソニックの状況を例にとると、

金のなる木:リチウム電池。市場の成長率は低いものの、大きなシェアを誇る。

花形:DVD・ブルーレイ。高成長性を見せており高いシェアを誇る。

問題児:液晶テレビ事業。高い成長率を保つ一方、市場シェアはシャープやソニーの後塵を拝していた。

負け犬:携帯電話事業。成長が鈍化する中で、日本企業は大きく出遅れた。

この状況から2013年に携帯電話事業からは撤退。その後、リチウム電池においては引き続き経営資源を投入し高シェアを維持。また、EV用の車載電池需要により市場の成長率が高くなったため花形に遷移し積極投資の見通し。DVD/ブルーレイレコーダは引き続き高シェアを維持するものの動画配信の隆盛に伴い市場が縮小気味。金の成る木とも言えるが、引き続き市場の衰退が継続した場合は撤退も視野に入る。テレビ事業については市場成長率は鈍化、国内ブランドでは高い順位にあるも価格競争によりアジア勢にシェアを奪われている。負け犬と判断し撤退の可能性がある。






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